幼い妹と一緒に異世界転移したので、妹を守るために最強になります。

青猫侍

プロローグ

プロローグ




※プロローグは暗い話になるので、最悪あらすじを読めば読まなくても大丈夫です。


僕は今の生活に幸せを感じている。

優しくて穏やかな頼りになる父さん、明るくて僕や妹を猫可愛がりしてたまに暴走する母さん。そして、素直で優しい心を持った世界一可愛い天使のような妹の心。

そんな、最高の家族は僕の誇りであり、僕の一番大切なものだった。

今は、妹と僕しか居ない大切な家族。

事の発端は2週間前。

都内で起こった銀行強盗だった。都内にある大きな銀行で4人組の銃を持った男達が押し入ってきて、銃を乱射し金を要求した。銀行員の1人が隙を見て警察に連絡をして、すぐさま銀行は警察官に囲まれる。犯人達は、銀行に立てこもることを余儀なくされる。

マスコミやテレビも来て、多くの人が犯人が捕まるのは時間の問題だと思っただろう。

だが犯人達は巧妙な手口で人質に紛れ逃走した。だが、警察も直ぐにその事に気づき犯人を追いかけた。

大きな道路に出た犯人達は、道路を走っていた僕の両親の車を止め、銃で撃ち殺し車を奪い逃走した。

この事件によって、僕の大切な両親が殺されたのだ。

数日後、犯人達は死体となって発見された。

そして現在、僕と妹は、親戚に頼ることも出来ずに路頭に迷っていた。



僕達の父さんは、親の反対を押し切り、親の決めた良家の娘ではなく、普通の家の母さんと結婚したという話だ。その時にはお腹には僕がいたらしい。

この話は、両親の遺体の前で、父の両親が愚痴のように喋っていた。他にも、父さんや母さんの前で罵詈雑言の嵐。そして、2人の僕と心を見る目は到底孫に見るような目ではなかった。まるで、ゴミを見るような目で僕達を見ていた。

僕はそんな2人に、言い表せようのない怒りを抱いた。

警察は、僕達を施設かあの屑どもの所に行くか決めろと言ってきた。

屑どもの所に行くという選択肢はなかったので、僕らが施設に行くことにした。だが、施設は多人数を抱えており劣悪な環境だった。施設内は汚く衛生管理されてるようには見えなかった。施設の人間も最悪だった。日々の鬱憤バラシに子供達に虐待を繰り返し、出される食事は少量で食事に唾吐きかけたり、地面に落としたりとやりたい放題。

その環境に妹を置いておけないと思った僕は、妹を連れて脱走した。

だが、所詮は高校生。たいしたお金は持ってなく路頭に迷うことになる。

僕達は、公園の中にある中に入れる遊具の中で雨風を凌ぎ、寝泊まりすることにした。

妹は限界に近かった。

「……さむいよ…」

僕は、膝の中で震える心に自分の上着をかけ、抱きしめる。

小さくてか弱い体をした心。

俺の大切な唯一の家族。

大切な妹。

可愛い妹。

俺は ”何があっても心だけは絶対に守る” 。

たとえ、どんな事をしても。

今は居ない大切な両親の変わりに必ずまもってみせる。

俺は両親に、そして自分自身の ”心に誓う” 。

その瞬間、地面が光でできた魔法陣みたいな物が出される。

俺は咄嗟に心を庇うように抱きしめる。

そして、俺たちは光に包まれる。

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