SMILE-0-

第27話 広瀬と宇野のお仕事

「この辺りですね……」

六花は、そう言うとゆっくりと地面に着地した。

それに続き2人も着地する。

「ここからは歩き？」

「空から行くと、弓兵部隊からの集中砲火を浴びる事になると思う」

「もしかして、モンスターうじゃうじゃ？」

「たぶん、人だと思うなぁー」

「人なの？」

「無差別にチャームを使っているから……」

「じゃ、殺せないね」

「うん

　メドゥサの生け捕りにしなきゃいけないのはチャームの解除をさせなきゃいけないからなの……」

「うわ……

　めんどくさい……」

「私は、和哉が無事ならそれでいい！

　って、言いたいけど、そうはいかないのね……」

「うんうん」

「それにカッコいい賞金稼ぎは、皆チャームされて、操作されてるから……

　私達もチャームされないように気をつけないと……！」

「うーん

　魔力だけなら、私達の方が強いと思うんですが……」

「え？」

六花のその言葉に広瀬は、目を丸くして驚いた。

「男は、メドゥサの美貌に……

　女は、イケメンの美貌に負けちゃうの」

「……」

「……」

「まぁ、メドゥサも決して雑魚って訳じゃないですよ？

　恐らく広瀬さんと宇野さんの力を合わせると楽勝じゃないかしら……

　ただ、問題なのが……」

六花は、宇野の顔を見ながら言った。

「和哉も、こっちに向かって戦いを挑んでくる可能性もあるの……」

「そ、それは……」

「今回お二人を呼んだのは、手加減してメドゥサに勝つことが出来る人。

　協会は、メドゥサ自体欲しいみたいだったから……

　二人だったらやれるかなって……

　他の人だったら、たぶん和哉も斬っちゃうと思うから……」

「そ、それはダメだわさ……

　斬られる前に！にされる前に！

　倒しにいかないと！！」

宇野は、そう言うと走り出した。

それを追うように六花も広瀬も走った。

「宇野さん、ストップ！！」

広瀬は、先頭を走る宇野を静止させた。

「広瀬さん、どうかしました？」

「殺気を感じない？」

「え？」

「そこに誰かいるよ」

広瀬が、指差した方向に6つの影があった。

「早速の、お出迎えかしら？」

「嬢ちゃん達！

　女だけで旅でもしてるのかい？」

男達は、やらしい笑みを浮かべて下品に笑う。

「この人達も、メドゥサに操られてる人？」

「違うと思います。

　チャームされる人は、こんな風に笑いませんから……」

「だよね……」

広瀬は、そう言うと腰に装備しているバスターソードを抜いた。

「金目のモノを置いて衣類を脱いで、ちょっと楽しい事をしたら怪我しなくてすむぜ？」

男は、ニタニタと笑って剣を抜いた。

「宇野さん、この人達やらしいねぇー」

「それに、私達に勝てると思ってるのかしら？」

六花は、そう言うとボールペンを1人の男の眉間に投げた。

するとその男は、泡を吹いて倒れた。

「な、何をしたんだ？」

六花は、リーダー格の男の背後に素早く回ると、ボールペンで首を刺す。

すると、リーダー格の男も、その場で倒れた。

「さて、リーダーさんが居なくなったけど貴方達はまだやる気？」

六花が、そう言うと男達は、一斉に六花に斬りかかった。

六花は、それを華麗にかわし、そしてボールペンを4本投げた。

投げられたボールペンは、男達の眉間に当たり男達は、その場で意識を失った。

「ペンは、剣より強し！」

「六花さん、それって肉弾戦で強い意味じゃないよ……」

「勝てばいいのよ」

六花は、ニッコリと笑った。