第24話 世界最強の尋問官候補

「転生者って具体的に何の能力者なんです?」


那留が宇野に尋ねる。


「簡単に言うとQ&A。

 なんでも質問をすれば何でも答える」


「それって尋問とかに使うってことですか?」


那留の目が少しさみしそうだった。


「最強の尋問官ってこと?」


丹歌がそう言うと少しだけ場が和む。


「いや、答えるのは本人だから尋問ってわけじゃないよ」


広瀬が少し笑う。


「……それって」


「まぁ質問内容によっては魔力を大きく消費するので今の綾人君では玉藻ちゃんの下着の色とかくらいの質問しか答えれないけどね」


宇野のナイスジョークに那留が水を差す。


「下着の色を聞いてどうするんですか?」


「……どうするんだろうね?」


広瀬も冷静になる。


「えー。コウさんまでー」


宇野が目を潤ませる。


そして談笑がはじまる。


「あの……ここは病院なのでお静かに」


看護師の千春に注意される一同。


「さてギルド組合にも報告したことだし。

 私達は帰りましょうか」


広瀬がそう言うと宇野も立ち上がる。


「え?面会とかしないんですか?

 保護するんですよね?」


那留がそう言うと広瀬が答える。


「あの子はギルド組合によって保護されるよ。

 能力があまりにも異能すぎる。

 絶対にテオスに狙われるからね」


「そうだろうね。

 場合によってはファルシオンの護衛がつくかも」


宇野がそういった。

その後、宇野の指摘通り綾人にはファルシオンの護衛がつくようになった。


そうして春が来た。

4月。


丹歌と那留は高校2年生になった。


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