第23話 生きているだけでまるもうけ

「お腹すいたな……」


綾人は横になってただ天井を見る。


「クーラーが付いている。

 ってことは熱中症を避けるため――」


とふと思った。


今は1月。

自分が死んだのが夏だったため寒さを涼しさと勘違いしていた。


「って、寒い」


そう今は寒いのだ。


トントントン


誰かが窓を叩く音がする。


綾人は窓を開けた。


「君が転生者だね!」


那留が綾人に尋ねる。


「転生者?」


綾人は質問とともに意識を失った。


「え?マジで?」


那留はすぐに綾人を病院に連れて行った。


「栄養失調みたいだね」


広瀬が待合室にいる那留と丹歌に言った。


「そうなのですか?」


「あの子の名前は、小間綾人くん。

 私達が求めていた転生者よ」


そう言って宇野が現れた。

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