第16話 魔神降臨02


――同時刻。旧教会跡地。


「さぁ、どうする?

 手も足も封じられた。

 何か言う事はないか?」


ザンギスは、そう言いながら嫌らしい笑みを浮かべた。


「何もない。

 早く離さないと後悔する事になるぞ?」


ザンギスは、そう言って玉藻のスカートの中の下着に手を触れた。


「触るな!

 気持ち悪い!」


玉藻は、そう言って舌を噛もうとしたが、ザンギスは玉藻の頬を叩いた。


「例え死んでも俺は、お前を犯すぜ?

 部下にも犯させ、輪姦して開脚させた状態でスラムの晒しものにしてやる!」


「下衆が!」


玉藻は、目に涙を浮かべてザンギスを睨んだ。


「どうせ死ぬのなら、俺に犯されてから死ね。

 まぁ、死なせないがな!

 生きたままスラムの晒しものにしてやるぜ!」


ザンギスは、そう言うと玉藻の服に手を掛けた。


「ウィル・ウィンド!」


ザンギスの体が吹き飛ばされる。


「玉藻隊丈夫?」


丹歌は、玉藻の手足に掛けられた手錠を呪文で解除した。


「丹歌、どうして……」


「助けに来たんだよ」


「誰だ、くそ……

 今日は、本当に厄日だ!」


ザンギスは、体をゆっくりと起こしながら呟いた。

そして、丹歌の姿を見てニタリと笑った。


「お前、よく見たら丹歌じゃないか?

 無能の丹歌!」


「……玉藻は返してもらいますね」


「俺を倒す事が出来たら返してやるよ!」


「……」


丹歌は、ザンギスを睨んだ。


「俺は知ってるんだぜ?

 半魔族のくせに、攻撃魔法を一つも使えない事もな!」


「丹歌は関係ないだろ!

 私は、何だってする!

 だから、丹歌は見逃してやってくれ!」


玉藻は、ザンギスに向かってそう言った。


「断る!

 丹歌は殺す!

 どうせ、嫌われモノの丹歌だ。

 誰も悲しまない!

 玉藻、お前は犯す。

 薬漬にして、死ぬまで楽しませてもらう!」


ザンギスは、そう言って丹歌の体を剣で斬りつけた。


「俺に斬撃は効きませんよ?」


「魔族の力か……?

 じゃ、これならどうだ?」


ザンギスは、呪文の詠唱を始めた。


「アストラル・ソード!」


ザンギスの剣が赤く光る。


「これで斬ればどうなのかな?」


そう言いながらザンギスは、不敵に笑う。


「丹歌逃げろ!」


玉藻が、そう言って丹歌の手をひっぱる。


「そんな訳にはいかないよ」


「攻撃魔法が使えない。

 剣の腕も人並み以下……

 そんなんで、どうやって勝つというのだ……

 お願いだ、逃げてくれ……」


玉藻は、涙を流した。


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