第8話 アジャスソング

「おかえり、丹歌」


狐耳の中年女性が丹歌を迎え入れる。


「ただいま水さん」


「なんだい?知らない顔もいるようだが……

 借金取りかい?」


そういったのは水。

狐の獣人の女性だ。

尻尾は7つ持ちで相当強い。


那留はそう感じていた。


「借金取りだと!」


そう言って3つの尻尾の狐耳の少女が現れる。

歳は自分と変わらない。


腰に付けている刀からみて侍。


那留の分析は続く。

魔力はある。

魔法が使える。


この香ばしい匂いは雷?


「君、雷の魔法が使えるのかい?」


那留はそう質問した。


「私の質問に答えるのが先だ」


女子は睨む。


「僕は無職さ……」


「そうなのか?

 私はそうさ、雷使いさ。

 どうしてわかったんだ?」


「雷の匂いがした」


「そんなの初めて言われたぞ」


少女は冷静に言葉を放つ。


「うん」


「私の名前は玉藻。

 お前は?」


「僕の名前は那留。

 ファルシオンを目指してこの大阪に来た。

 今日から寝泊まりとご飯の世話をして欲しいんだ。

 宿代は働いて稼ぐ」


「ええよー」


水があっさりと了承した。

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