007
いやいやいやいや、そうじゃねーよ。それよりもまずは天界だ。あの馬鹿女に折檻くれてやらなきゃ気が済まん。
あれ使えるかな?エルフの合金板……って、あれ?
「おいルシフ」
「……なんですか旦那様」
「旦那様呼ばわりなぁ……それは兎も角、ここに連れて来た時に、こんくらいの金属の板も持って来たか?」
指で長方形を描いて。1000円札くらいの金属板だ。
「……旦那様が持っていたのはこれだけですが」
床に指を差して。追って行くと、ラーメンのたれ!!
「おお!!これも必要だったぞそう言えば!!よくやったルシフ!!」
頭を撫で繰り回した。ルシフ、なんか知らんがぽーっとした。
「あ、痛かったか?力強かったかな…」
手を放して詫びを入れると「あ」と漏らした。
「……いえ、とっても気持ちが良かったので、もっと撫でて欲しかったです」
ちょっとむくれながら。頭を撫でたくらいでここまでかよ。
「ま、まあ、それは後でゆっくりだな。やっぱ一回天界に行かなきゃいけないな。あそこにはお金もあるから」
今現在、俺も財布を持ってはいるが、俺の世界のお金しか入っていない。コッパとかシルバとかゴルドは持っていない。
つうか全部硬貨なんだよなぁ……一億の買い物をする時には一万枚必要だって事だよな。重いだろ!!もうちょっと考えてくれても良かろうもんだろが!!
「……誰に対してのツッコミですか?」
「気にすんな。つか、心を読むな」
言った直ぐ後にぐう~、と腹が鳴った。そういや晩飯も食ってねえんだよ。
「おいルシフ、厨房あるか?」
「……お腹が空いているのですね。ここは妻たる私が腕を振るって……」
「だから妻とか旦那とかやめろってば。それは兎も角、俺の手料理食わせてやるよ。厨房を案内してくれるとありがたいが」
「……旦那様がお作りになるご飯……」
なんか顔を覆って泣きだした。なんで!?つか、いきなり泣かれると困るんだけど!!
「そんなに俺の飯嫌なの!?」
訊ねたら首をフルフル振って顔を上げた。前髪で隠れているが、やっぱ可愛い。
「……誰かにご飯を作って貰う事なんか初めてなので……感激してしまって……」
そ、そうなの?だからって泣かなくても良かろうものだが……
「ま、まあ、お前に初めて飯を作るのが俺で良かったよ…?」
「……なぜ疑問に思ったのか理解できませんが、お心遣い、感謝いたします。ご厚意に甘えさせていただきます……」
そう言って正座して深々を頭を下げた。
「大袈裟だろ!!やめろ!!」
「……旦那様がそう仰るのならば」
簡単に顔を上げた。俺の命令第一なのこいつ!?好感度上がるような真似してないんだけど!!寧ろ下がる真似はしたけど!!アイアンクローかましたしな!!
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