006
ところでだ。
「この力を試してみたいんだけど、ここには俺とルシフしかいないんだよな?」
奪って贈る。分解と構築のように、俺の力は俺じゃなきゃ解らない。だから一度試してみたいんだが。
「……0区は最下層。本来なら住居区も無いのですが、私の場合は負け続けてお金がないので、家賃がない0区に来るしかなかったのです」
住居区もない?じゃあここどこ?
「え?ここはどこだ?」
「……冥界最下層、0区です」
「うん。それは聞いたからいいんだ。俺が言いたいのは、部屋が無いと言ったよな?だけどここって立派な部屋じゃん?」
セレスのいたボロアパートに似ている。違いは向こうは木造でこっちは石造りだって事くらいだ。
「……コツコツと岩盤を削ってお部屋にしました」
すげえなお前!!石削って部屋を作るとか!DIY極めてんじゃねーか!!
「うん?仕事って、死神だろ?人の魂を刈るんじゃねーの?」
「……それはエリートの方々です。私は
険しい顔になったのだろう。ルシフがびくっとして身を引いた。
「……それにしちゃ、どこも怪我している様子がないが?さっき負け続けているから、お金がないみたいな事を言っていただろ」
「……
どこぞの工事現場みたいな標語だなそれ!!まあ、自己責任って事だろうが。
「だけど負け続けって事は無いだろ。生活しているんだからお金は多少でも稼げている筈だが」
「……試合に出ればファイトマネーが出ますから。私のような最弱の
えっと、890円くらいだよなそれ。え?命かけて戦って1000円行かないの!?つか、純貴族だから間違いなく強いと思うんだけど?
「お前強い筈だけど。少なくとも、俺以外だったら殺せないくらい強いと思うけど」
「……試合となると身体が言う事を聞かないので。術にも制限がありますし」
「ルシフの能力ってなんだ?」
「……重力操作です。ですが、これは使えません。遠い昔、誰かに重力操作は使ってはいけないと厳しく言われたような気がするので」
だから誰だよその遠い昔の奴は?そいつがルシフを縛ってんのか?
「ま、まあいいや、そこは追々だ。じゃあ人がいるところに案内して貰ってだ」
そいつから奪って贈り返す。まずは俺の力がどの程度のもんか知りたい。自分の力を知らないってのは凄くおかしい事だろ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます