第4話 後悔

 騒がしい光景に戸惑っていると、砂煙の中から手当たり次第、辺りを破壊しながら1人の男が近づいてくる。

 しかもよく見ると化け物達は悲鳴と共に消滅させられているように見える。

 そしてとうとう男が俺の前に辿り着いた。

「お前も逃げたほうが良いんじゃないのか?」男が言った。

 何故だろう。暴れ回るコイツを見て怒りが込み上げている自分に驚いている。

(ああ、ここでの生活が嫌いじゃなかったんだな。)と気付いた。

 ここで生活するうちに気付いたことがある。俺は鬼だ。人間だった頃とは比べ物にならないくらいの力を持っている。

 だからコイツをぶっ飛ばそうと思った。

「いきなり現れて暴れ回るたぁどおゆう要件だ。ナニモンだてめえ。」

「今から消える奴に名乗る名は無いな。」

「消えるのはてめえだ!!」そう言って殴りかかった。

 が、コイツに歯向かったことを後悔するまでの時間はほんの一瞬だった。

次の瞬間男の右腕から衝撃のようなものが放たれ、俺もろとも辺りは吹っ飛んだ。

「っふん。口ほどにも無い。」

その後もしばらく暴れた後、男はどこかに去っていった。

 (全身が痛え…)

 俺は瓦礫に埋もれていた。

瓦礫の中から去っていく男の背中を睨むことしかできなかった。

「覚えておけ…覚えておけ…!!」

遠のく意識の中、振り絞った声でそう言った。

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