第47話 人々が見た妖精(当人の想定外の規模で)

 ◆ダンジョン協会会長アーク・トライアルド◆


俺がダンジョン協会の会長となって以来の大事件が起きた。

なんと妖精の存在が確認されたのだ。


 きっかけは部下からの報告で見せられたある探索者のダンジョン配信だった。

 部下は非常に興奮しており、しきりに妖精が出たと連呼しており、一体何事かと思ったものだ。

 その配信ではとある探索者が、偶然出会った非常に美しい少女を自分の配信に勧誘するというものだった。

 それを見た時俺は、なんだ、よくある企業の新人配信者の紹介番組かと思った。


 実際この少女は目を見張る程美しく、妖精という言葉もあながち間違いではないと、無骨な俺でも同意せざるを得なかった。

 それこそ異国の王女と言われても信じてしまいそうだ。


 確かにこの少女なら、妖精と呼ばれてダンジョン配信業界のトップを狙えるだろう。

 まぁ、俺は妖精と言われて例のダンジョン内で魔物素材の違反売買を行う少女の事を思い出したが。

 確かあの少女も顔はハッキリと見えなかったが、非常に愛らしい雰囲気だったと実際に見た部下が言っていたな。

 ともあれ、いくら可愛いからと言っても、娘、いや孫同然の子供にここまで興奮するのはどうかと思うぞ。


 だが本当の事件はこの後に起こった。

 なんとしつこく少女を勧誘していた配信者が突然何かにぶつかられて尻もちをついたのだ。

 最初は少女が余りにしつこい男に嫌気がさして殴ったのかと思った。

 ほう、中々良い一撃だと。


 しかし違った。男を殴ったのは、ほんの十数センチほどの、小さな少女だったのだ。

 少女は背中に羽根を生やしており、宙に浮いていた。

 その姿は、確かに妖精だった。


「これは本物の映像なのか?」


 俺が確認したかったのは、これが合成映像か何らかの魔法による詐欺でないかという意味だ。


「本物です! 現場に居合わせた人々が様々な角度から撮影した動画がネットに上がっています!」


 それはつまり、この妖精が本物で、世間に露呈したらマズイ存在だった場合、手遅れなレベルで世界中に拡散されているという事だ。

 俺はちょっとだけ頭が痛くなった。


「それでこの少女と妖精は?」


「それが、すぐにその場から飛んで消えてしまいました」


「まぁ……そうするだろうなぁ」


 半信半疑ではあったものの、とりあえずは情報の真偽を精査するように興奮する部下を宥めて俺は仕事に戻った。


 これが一つ目の世を騒がせた妖精事件。

だがこの事件は150年ぶりのダンジョン災害である魔物の大発生という危機的状況の発生によってすぐに話題から消え去った。


俺は急ぎ各国とネット通話による会議を連日行った。

その内容は本当に酷い物だった。

どの国もウチに他所から探索者を援助に来させろの一点張りだ。

大国も小国もどこもかしこも。


 寧ろそれを言いたいのはこっちだった。

 ダンジョン協会として、戦力の少ない土地に戦力を割り振って、総合的な被害を下げたり、防衛が難しい町は最悪放棄して、戦力を集中して防衛を強化して欲しかったのだが、どの国もどの町も、自分達の町を放棄など出来るかと要求の一点張り。

 そもそも俺達探索者協会が出来た事の最大の理由は、再びダンジョン災害が起きた時のの為に、迅速に国境を越えて協力する為だというのに。


 結局どの国も応じないままで、その時が来た。

 俺達協会に出来たのは、探索者達にどの町の防衛に向かってほしいとお願いするくらいであり、後はポーションなどの補給物資を協会の強権で店から優先的に買い取り、防衛戦に参加する探索者達に提供するくらいだった。


 その頃には俺の脳内から妖精の二文字は消え去っていた。

そう、防衛戦の二日目に起きた、二度目の妖精事件が起きるまでは。


 ◆アート◆


「大丈夫ですか?」


 その声を聞いた時、私の全身に震えが走った。

 顔を上げてその姿を見た時、私の心に感動が蘇った。

 その子こそは、私が探し求めていたあの子だったのだから。


 再開した彼女は、まるで 別人だった。

 お姫様のようなドレス、騎士のような鎧、キラキラと眩い髪の毛、心を貫くような宝石の瞳、どんな楽器よりも綺麗な声、そして、初めて出会った時以上に心をときめかせるその美貌!


 同じなのに全然違うその姿に、私は打ちのめされてしまった。

 あまりの喜びと感動に声が上手く出せない。


「お姫、様?」


 更に少女は私に回復魔法を使ってくれた。

 けれど治ったのは私だけじゃなかった。

 彼女の使った回復魔法は、私だけじゃなく周囲にいる全員の傷を治してくれたのだ。


「足が……! こ、これ、貴方が?」


 聞いたことがある。

 複数の人間を治療する回復魔法があるって。

 でもそれは高位の回復魔法で、覚えるのも大変で、何より魔力の消費が大きいって聞いた。

 そんな高度な魔法を、どう見ても私よりも年下の女の子が使ったのだ。

 しかも聞き逃したのでなければ、この子は今、呪文の依正を行わなかった。

 魔法を、呪文の詠唱無しで発動させた? どうやって?


『お、おい、今この子詠唱無しで魔法を発動させなかったか!?』


 配信のコメント欄でも視聴者が同じことを言っている。と言う事はやっぱり詠唱してなかったんだ。


『っていうかこの子すげぇ可愛くなってね? 今過去の配信を確認したけど、同じ容姿の筈なのに別人みたいに可愛くみえるんだけど!?』


『マジだ。どうなってんの!?』


 だよねだよね! すっごく可愛くなってるよね!

 思わず配信者に同意したくなってしまったが、今はこの事の会話の方が大事だ。


『っていうかこの子の腰見ろ! なんか妖精みたいなのが居るぞ!』


 腰、と言う言葉になんてエッチな! と思いつつも何事かと視線を向けると、何故か瓶の中に妖精の人形が入っている。

 何アレ、ロカちゃん人形? 何で人形が?


 と思ったら、その人形が動いた。

 うえぇぇ!? 動いた!? 何アレ!?


『うぉぉ! 動いた! マジか!』


『もしかしてこれってこの間話題になってた妖精じゃね?』


 妖精ってどういう事!? 私最近ダンジョン潜ってばかりで他の人の配信あんまりチェックしてないんだけど!?


「私は他に治療を必要とする人たちの下に向かいますので!」


 一体これは何ですかと聞こうとしたのだけれど、彼女は私が気を逸らしている間に他の人達を助ける為、別の戦場に行ってしまった。


「あぁぁぁぁぁぁっ!!」


 しまったぁぁぁぁぁぁ!

 千載一遇のチャンスを逃してしまった私は、泣く泣く周りの人達と一緒に後方へ戻って態勢を整える。


 そこから先の戦いはとても不思議なものだった。

 状況が明らかに良くなった訳じゃない。

 いまだに魔物はどんどんやってくる。


 けれど戦いの勢いは間違いなく私達の側に傾いていた。

 曰く、


『なんかスゲェ強い爺さん達が参加してるらしい』


『スゲェ! 重傷者があっという間に治った! こんなハイレベルな回復魔法の使い手いたんだ! 伝説のダンジョンDr.Dかよ!』


『あの騎士っぽい爺さんスゲェぞ! まわりの連中をまとめ上げて軍隊みたいに統制のとれた戦いしてる! うわっ、協会ルール無視の常習犯のバーグハゥ凸撃団や違法行為スレスレどころか完全にアウトのシジュウ傭戦団が借りてきたネコみたいに言う事聞いてるぞ!』


『なんかさっきから自然災害が局地的に起きてるの何?』


『あれ魔法使いの爺さんがやってるらしいぞ』


『気が付いたら魔物の配置や現在の戦況が書かれた紙が指揮所に置かれてるんだけど、妖精か何かが手伝ってくれてるの? ちょっと怖い。あっ、また新しい戦況の推移報告きた、精度凄くて別の意味でも怖い』


『お前は仕事に専念しろ』


 と、のちに謎の四老人、四天王、妖精姫の従者と呼ばれることになる老人達の名があちこちから聞こえてくる。


 けれど何より私達の話題に上がったのは、彼女の名だ。


 妖精を引き連れた姫騎士。

戦場の妖精。

 癒しの聖女。

 救世姫。


 誰も名前を知らない為、二つ名だけが凄い勢いで増えてゆく。

 でもそのおかげで私達は彼女が居る位置を正確に知ることが出来た。

 気が付けば私達は彼女の下に集まり、彼女の戦いを援護するべく戦っていた。

 示し合わせた訳じゃない。

 彼女を手伝いたいと思った人達が、自然に集まって出来たのだ。


 彼女を旗印として、私達は戦い続けた。

 体力も、魔力も、とっくに限界だ。ポーションも使い切った。

 けれど足は止まらなかった。戦意は萎えなかった。


 だって、彼女の為に戦えるのだから。

 彼女と共に戦っているのだから。

 あの日、共にダンジョンでボスと戦った時を思い出しながら、私は喜びと共に彼女を守る為に戦う。


 そんな時だった。

 ダンジョンを一時封鎖して時間を稼ぐ作戦に出た私達の前に、魔物のボスが現れたのだ。

 その威容はまさしくボスと呼ぶにふさわしい凶悪さ。


 その場に居合わせた皆は、一刻も早くボスを倒してこの戦いを終わらせようと全力の攻撃を繰りだす。

 その威力は凄まじく、皆の力を結集した攻撃は一撃でボスを吹き飛ばしてしまった。

 あまりにもあっけない最後に、困惑してしまうも、けれどようやく戦いの終わりが見えた事に私達は安堵の溜息を漏らす。


 けれど、それはこれから始まる恐ろしい光景の始まりでしかなかった。

 なんと、ダンジョンから、倒した筈のボスが何体も姿を現したのだ。


『嘘だろ?』


『マ?』


『え? これ全部ボス? マジで?』


『いやいや、ゆーてさっきめっちゃ余裕で倒してたし、一体一体は弱い奴じゃね?』


 視聴者のコメントにそうだよねと安堵が広がる。

 確かにみんなの攻撃で吹き飛んだんだから、倒せない相手じゃないよね。

 と楽観的な気持ちに支配された私だったけれど……


「駄目だ、力が出ねぇ」


「しまった、魔力を使い過ぎた」


 周囲にいる皆がボスへの攻撃だからと魔力を使い切ってしまったのだ。


『お前らー! 魔力の無駄遣いは駄目って探索者講習でも言われたでしょー!』


『ペース配分を考えろーっ!』


 更に撤退しようとした私達を、周囲の魔物が攻撃してきて、逃げるに逃げられなくなる。

 絶体絶命、そんな時だった。


「『濃霧』!!」


 突然魔物達の周囲が濃霧に包まれたのだ。


『何だこの霧!? もしかして魔法!?』


『こんな魔法あったのか!?』


「今のうちに逃げて!」


 どうやらこの霧は彼女のお陰らしい。

 私達は切りに乗じて必死で逃げる。

 ふと彼女は無事に逃げきれただろうかと振り返った私は凍り付いた。


「たぁぁぁっ!!」


 何と彼女は私達とは逆方向、ボスの方角へと向かって行ったのだ。


『逃げ遅れた連中を救助しに行ってる!?』


『無理だろ! 逃げろって!』


 けれど彼女に視聴者のコメントは見えない。


「助けに行かなきゃ!」


「おい待て! 下がるんだよ!」


 彼女の下に向かおうとした私の肩を撤退中の探索者が掴む。


「放して! お姫様を助けに行かなきゃ!」


「今から言っても無駄死にするだけだ! 下がるぞ!」


 向かおうとする私を、強引に引き引っ張って下がらせる探索者達。


「放して! あの子を助けなきゃ!」


 今まで何度も助けられたのに! ここで助けないでどうするのよ!

 なおも暴れる私に業を煮やした探索者に無理やり担がれ、私の体は彼女からどんどん放されてゆく。


 その間も彼女が無数のボスに襲われる光景だけが目に入ってくる。


『うわぁ、駄目だあれは……』


『数が多すぎて回避が間に合ってねぇ』


『タコ殴りじゃん』


『あれはもう助けるの無理だよ』


 コメント欄が諦めの言葉一色に染まる。

 いやだ! そんな言葉見たくない! 認めたくない!


「お願い、誰かあの子を助けて!」


「魔法よぉぉぉぉぉい!!」


 その時だった。

 勇ましい声と共に、轟音が響き渡る。

 それと同時にボスの群れに何発もの魔法が叩き込まれたのだ。


「え!?」


「次弾よぉーい!!」


「俺は魔力切れだ! 頼む!」


「任せろ! 一発なら撃てる!!」


 気が付けば私達の近くに、探索者達が集まっていた。

 そして彼等は彼女を襲うボスに対して魔法を放ち続ける。


「誰か矢にエンチャント頼む!」


「これが虎の子の魔力だ! 当ててくれよ!」


「任せろ!」


 彼等は一発魔法を撃つと、魔力を切らせてへたり込んでいる。

 

「倒すのは無理でも、逃げる手助けくらいは出来るぜ! 魔力が切れた奴はすぐに逃げろ!」


「逃げ足は得意だぜ!」


 よかった、これならあの子も逃げ切れる!

 けれど、現実はそこまで甘くはなかった。

 最初こそボスの気を引き付ける事が出来ていた彼等の攻撃だけど、次第にボスもこの程度なら耐えられると思ったのか、意識を彼女への攻撃に向けて、彼等の攻撃を無視する様になっていたのだ。


 更に全員魔力が切れかけていた事もあって、攻撃の密度はどんどん薄くなってゆく。


「くっそ! あともう少し魔力があれば!」


「悪い、もう矢がない!」


 やっと希望が見えたと思ったのに、今度こそ駄目なの?

 けれど、誰もが諦めかけたその時に奇跡は起きた。


 突然ボスの周囲が光に包まれたかと思うと、その中心から光り輝く人影が浮かび上がったの。


「あれは……!?」


 それは、妖精だった。

 私達を率いて戦ってきた彼女は全身に淡い光を纏い、背中に妖精の羽を生やして宙に浮かんでいたのだ。


「え? え?」


 その神秘的な光景に声も出ない。

 それは魔物も同じだったのか、戦場が沈黙に包まれる。

 

「「「「ギュルオォォォォォッ!!」」」」


 沈黙を破ったのはボス達だった。

 ボス達はまるで彼女を恐れるかのように慌てて襲い掛かる。


「逃げて!」


 思わず口を出る言葉。

 次の瞬間、世界が七色の光に包まれた。

 次いで、閃光、爆音、衝撃波。


「キャァァァァァァ!!」


 その凄まじさに私達はゴロゴロと転がってゆく。

 一体何が起きたの!?


 もうもうと宙を舞う土煙が収まるのをまだかまだかと待っていた私達が見たのは、七つのクレーターの中心に立つ彼女だった。

 そして彼女が剣を天にかざすと、その刀身が稲光に包まれ、ボスの体を焼き切る。


『雷の魔法剣!? マジで高等魔法だぞ!?』


『集中に失敗すると自分も感電するヤベェ魔法じゃん!』


『スゲェ! 実戦で使ってる人初めて見た! いや妖精?』


『妖精で騎士で姫でスゲェ魔法使いって属性多すぎない!?』


『寧ろ盛り盛りの方がいいだろ!』


 我に返ったコメント欄が一気に沸き立つ。


更に次は雷の槍が生まれたと思ったら、一瞬で伸びてボスの心臓が貫かれる。


『130kmの一撃だ!』


『ネタをマジで実践する人、いや妖精初めて見た』


 今度は巨大な氷の大剣がボスの体を纏めてなぎ倒す。


『何アレぇ。さっきから大魔法しか使ってないんですけどぉ』


『っていうか詠唱もしてないんですけどぉ』


『魔力とかどうなってんの? 妖精だから無尽蔵なの?』


 気が付けば私達はその光景を食い入るように見つめていた。

 もうコメント欄の言葉も目に入らない。

 だって、こんな凄い光景、見逃したら一生後悔するもん。


 目が乾くのを我慢して彼女の戦いを見つめ続ける。

 涙が出るのは目が乾いたからなのか、感動したからなのかのどっちかも分からない。


 空から炎の雨が降ったかと思ったら、今度は氷の塊が吹き荒れる吹雪がおこる。

 彼女の周囲だけが、異常気象と天災のオンパレードだ。


 そうして、気が付けばボスだけじゃなく、ダンジョンから湧き出していた魔物までもが彼女によって殲滅させられていた。

 気が付けば私達は引き寄せられるように彼女の傍へと歩いていた。


「あ、あの……」


 私は勇気を込めて彼女へ声をかける。

 近くで見たそのお姿は、声をかけるのも躊躇われた。

 けれど、今こそ勇気を出してお礼を言わないといけない。

 これまで何度も助けてくれてありがとうって。


「た、助けてくれてありがとうございました」


 言った! 言えた! やっと言えた!

 ようやく彼女にお礼を言えた事に、心が熱くなる。涙が出そうになる。


「別に気にしなくてもいいよ」


なのに彼女な何事もなかったかのように、振舞うと、不思議な魔法で私達の怪我を治してくれた。

その光は、とても優しくて、体の芯まで治っていくように感じた。

後日分かった事だけど、彼女の魔法の影響は町一つを包み込むほど広範囲に広がっていて、怪我だけでなく、内臓の病気、肌の病気、果ては水虫や虫歯まで治っていたのだという。


 彼女の優しさが染み込んでくるような感覚に打ち震えていた私だったけれど、彼女が去ろうとしている姿を見て慌てて名前を尋ねる。

 すると奇跡的に彼女は名を名乗ってくれた。


「妖精騎士姫アユミ!」


「妖精騎士姫アユミ……様」


 光の燐光を瞬かせて空へと去っていく彼女を見送りながら、私達はアユミ様の名を口にしていた。

 とても大切な、宝石を手にする気持ちで。


 それこそが、私達とダンジョンの妖精改め、妖精騎士姫様との本当の意味で初めての出会いだった。

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