第5話 ある配信少女の冒険(バズった)

◆ある少女◆


「は、初めまして! アートでーす!」


 私の名前は樫名 安登(かしな あと)。

 今日なりたてホヤホヤのダンジョン配信者だよ!


 ダンジョン配信者っていうのは、数十年前に突然この世界に出現したダンジョンを攻略しながら動画を配信する人達の事で、ダンジョン探索をしている探索者の実に8割は配信をしてる程有名な職業なんだよね。

 あっ、でも職業って言うのかな? 私みたいな学生でもやってるけど。

 んー、まぁ専業でやってる人もいるから職業だよね。


『おっ、新人さんだ。よろしくー』


『アートちゃんか。がんばれー』


 さっそく私の配信を見に来てくれた視聴者さん達がコメントをくれる。

 この時代、配信者が滅茶苦茶多くてレッドオーシャン状態って奴らしいんだけど、それ故にあえて配信に慣れてない新人の配信を好んでみる変わり者の視聴者さんも居るんだって。


 なんかこう、新人さんと二人三脚で一緒に頑張っていく楽しみとかを満喫したいんだとか。

 中には新人の失敗を面白おかしく楽しみたいっていう悪趣味な人もいるらしいんだけど、そういう人達が居るから、私達みたいな新人でも上手くすればお金を稼げるんだよね。


『ご祝儀¥100』


「ありがとうございます!」


 やったー! 初投げ銭だよ!


『ふむ、装備はリアフル社のオシャレお嬢様シリーズ通称下級貴族令嬢冒険者のスタンダードカラーですか。定番の装備ですね』


『新作が出るたびに皆が喰いつくから面白味は無いけど、可愛い子が着たら似合うからなんだかんだいって良いよね』


『それに変なキャラ付けやあざとい演技が無いのは好印象ですね』


『新人ソムリエ居て草w」


 褒められてるのか貶されてるのかわかんないコメントだけど、実際このブランドを装備してる配信者がありふれてるのは事実なんだよね。

 でも私のおこずかいだと高い装備は買えないし、オーダーメイドや色変えオプションとか夢のまた夢だ。


 ダンジョン配信用の器材で予算カツカツだったしね!

 特にソロ配信用のカメラが本当に高いんだもん!

 まぁそのおかげで一人でも配信出来るんだけどさ。


 でもねでもね! 視聴者さんが言ってるみたいにこの衣装ホントに可愛いの!

 配信で着てる人を見るだけでも幸せな気分になっちゃうんだよ!

 だから実物が届いた時はすっごいテンション上がっちゃったんだ!

 思わず探索者訓練を最後まで受けずにダンジョンに潜っちゃったくらい!


『おーい、どうしたの?』


 あ、いけないいけない! 視聴者さんに応えなくちゃ!」


「えっと、今日はですね、初めてのダンジョンなのでさっそく魔物と戦ってみたいと思います!」


『おー、マジで初めてなんだ。がんばえー』


『勝ったらお祝いのお布施するよー』


 やったー! お布施確定!

 一層の魔物はポップシープとリトルゴブリンくらいしかいないから、楽勝確定なんだよね!

 リトルゴブリンはたまにしか出ないし、ポップシープ相手なら楽勝だよ! 


「よーし、それじゃあ魔物を探すぞー! 出てこーい!」


 私は魔物を求めてダンジョンを進む。


『アートちゃん、ちゃんとどこで曲がったか覚えて地図にメモしないと駄目だよ』


 おっとそうだった。

 ダンジョンでは地図を確認するのは必須だもんね。

 探索者協会の探索者訓練でも最初の方に教わることだし。


「はい、大丈夫ですよ! ちゃんと地図はもってきてます!」


 私はポーチから六つ折りにされた地図とマジックペンを取りだす。

 探索者協会で販売されてるこの地図は、撥水素材で作られてるから、濡れてもにじまないし、マジックで書き込んでも後で消せるんだよね。

 私は入り口から自分が進んだルートをメモしてゆく。

 こういう時、同行してくれるスタッフが居たら配信を滞らせずに済むんだけど、それが出来るのは配信スタッフの居るパーティか、事務所に所属してる配信者さんくらいなんだよね。


 でも私にはどっちのコネもない。

 だって配信パーティに参加するような同性の探索者は、自分が有名になりたいって思う子ばかりだし、目立たないスタッフの方が良いという子は滅多に見つからない。

 そう、主役の奪い合いなのだ。

 こういう時人気者なら、男子がスタッフ兼護衛をしてくれるんだけど、私はね……


『おーい、どしたー?』


『トーク止まってるよー』


 おっといけない、配信に集中だよ!


「ごめんなさい、ちょっと意識が飛んでました!」


『それは気絶と言う』


「え!? あ、違っ!?」


 しまったー! セリフ間違えたー!


『この不慣れさが堪らない』


『これぞ新人配信の醍醐味よ』


 幸い、新人マニアの視聴者さん達は寛容な気持ちで視聴を切らずにいてくれた。

 うぇーん、ありがたいよぉー! ひどい人だと視聴を止める前にもの凄い暴言を書き込む人も居るらしいし。


「えーと、えーと、そうだ! 魔物出てこーい!」


『慌てて誤魔化すのポンコツ可愛いw』


『呼んでくるわけないよ。魔物は人間の言葉なんて分かんないんだからw』


 うぇーん、このままじゃポンコツキャラ扱いだよー!

 と、その時だった。


 ザリッ


 何かが動く音が聞こえた。


「魔物出た!?」


『マジ?』


『マジで呼ばれて来たの?』


『偶然だろ』


 偶然でもなんでもいいもん! 華麗に倒して実力派探索者を目指すよー!

 そうと決まればさっそく戦闘だ!


 私はさっそく現れた魔物の姿を確認する。するとそこに現れたのは……」


「青い、ゴブリン?」


 そう、青色のリトルゴブリンだった。


『え? 青いリトルゴブリン?』


『それって確か……』


 あれ? リトルゴブリンって緑色だったよね?

 一層に出てくるのはポップシープとリトルゴブリンの2種類の筈。

 でもあのぷにぷにの赤ん坊みたいな皺のないぷっくりした小さな体は間違いなくリトルゴブリンだ。

 でも色が青いんだよねぇ。


「うーん、まぁ良いか!」


 どうせ相手はゴブリンだし!

 ポップシープより強いらしいけど、ちゃんと装備を整えればダンジョン初心者でも倒せるのは他の人の配信を見て知ってる。

 初めての戦闘の空気に飲まれなければ勝てるって。

 とにかく勢いに任せて先手を取って、相手を怯ませたら攻撃に専念すればこの装備で十分勝てるって。


「よし! いくぞぉー!」


『おい馬鹿止めろ!』


『すぐに逃げろ!!』


「応援ありがとー!」


 視聴者さんのコメントが流れるけど、今は戦闘中だから悠長に見てる暇はない。

 まぁどうせがんばえーとか言ってるだけだろうし。


『やべぇ! コメント見てねぇ!』


『逃げろ! ソイツはブルーリトルゴブリンだぞ!』


「たぁーっ!!」


 私は動画で見たように、剣を振りかぶって青いリトルゴブリンに攻撃をする。


「グギャ!」


 スイッ


 そしたら、何故か私の攻撃は外れた。


「え? あれ?」


 何で? ちゃんと真っすぐ振ったのに?


『パリィされたんだよ! 受け流し!』


『不味いぞ! ブルーリトルゴブリンは4層レベルのレアモンだぞ! 新人が勝てる相手じゃねー!』


 え? レアモン?

 何が起きたのか視聴者の人に聞こうと思ったら、なんかそんな文字が流れて来た。

 ええと、確か滅多に出てこない強い魔物の事だよね?


「グギャッ!!」


 青いリトルゴブリンの声に我に返ると、目の前の敵が剣を振りかぶっている光景が見える。


「ひっ!?」


 慌てて剣で防御するも、あまりの力強さに剣を弾き飛ばされる。


「きゃあっ!」


 嘘っ、リトルゴブリンってこんなに力が強いの!?

 あっ、レアモンだから強いんだっけ、ってそうじゃなくて武器!


 武器を回収しょうとした私の前に、青いリトルゴブリンがそうはさせないと立ちはだかる。


「っ!?」


『予備武器! 予備武器使って!』


 よ、予備武器?


「な、無いです! おこづかい足りなくて予備武器なんてないです!」


『はぁーっ!? 予備武器は探索者の基本だろ!』


『それよりも誰か配信者協会に連絡急げ!!』


『お前も連絡しろよ!』


 無理! 今から連絡しても絶対間に合わない!!


「あっ……ああ」


「グギャア!」


「ひぃっ!」


 青いリトルゴブリンの大声に思わず尻もちをついてしまった。

 に、逃げないと……

 私はへたり込んだまま後ろに下がるのだけれど、すぐに通路の壁に当たってしまう。


「あ、ああ……」


 ど、どうすれば……


『逃げろ逃げろ逃げろ!』


『出口に走れ! 急げ!』


 で、出口ってどっちだっけ? 出口、出口……

 咄嗟の事で出口の方向が分からなくなる。


「グギャォーッ!!」


 青いリトルゴブリンが剣を振りかぶる。

 あっ、死んだ。

 私は自分がこれから死ぬんだと察する。


 うん、こんな絶体絶命のタイミングで都合よく王子様みたいな人が現れる訳無いもんね。

 現実は非常なのだ。あはは……

 ぬいぐるみか赤ん坊の様な見た目のリトルゴブリンがニチャリと夢に見そうな気味の悪い笑みを浮かべる。


 配信ではプニプニして可愛い外見だったのに、目の前にいる実物は信じられない程禍々しく感じる。

 そして、青いリトルゴブリンの剣が私に向けて振り下ろされた。


「はぁぁぁっっっ!!」


 その時だった。

 まるで鈴の音の様な音が聞こえたの。ううん、今のは声?

 そして次の瞬間、青いリトルゴブリンの背後に血しぶきが舞い上がった。


「……え?」


 何? 何が起きたの?

 更に続けて青いリトルゴブリンから血しぶきが舞い上がる。


『え? 何々? 何が起きてんの?』


 コメントを見ると視聴者さんも良く分かってないっぽい。


「ギャウゥゥゥッ!!」


 青いリトルゴブリンが武器を振り回すと、すっと離れる人の姿が見えた。

 人だ! 人が青いリトルゴブリンを攻撃してたんだ……


「って、ちっちゃ!」


 青いリトルゴブリンを攻撃していたのは、とても小さな女の子だった。

 長く綺麗な髪を振り回しながら、女の子は青いリトルゴブリンの攻撃をギリギリで躱し、手にした剣で攻撃を加えてゆく。


『マジかよ、子供がブルーリトルゴブリンと互角以上に渡り合ってるぞ!? 』


『見た目どう見ても小学校低学年だぞ!? 』


『いやギリ中学年の可能性も……』


『どっちにしても幼過ぎるだろ!?』


 視聴者の皆の言う通りだ。

 幾らなんでもあの子は小さすぎる。

 なのにあの子は凄い勢いで青いリトルゴブリンと戦っていた。

 まるで凄腕配信者の配信みたいな迫力の戦い。


 避けて、攻撃を当てて、避けて、攻撃を当てて。

 まるで機械みたいに冷静に攻撃を加え続ける。


「グギャァァアァァ!!」


 そして、その子は危なげなく青いリトルゴブリンを倒してしまった。


『嘘だろ。レアモンだぞ。新人がソロで倒せる相手じゃねぇって』


『最低でも駆け出しを越えたパーティが挑む相手だろ』


「……」


 視聴者のコメントが視界の隅で流れる。

 けれど私はそれどころじゃなかった。

 戦いを終えた事で、激しく動いていた女の子の姿がはっきり見えるようになったからだ。


 その子の装備は私の装備してる配信者用の可愛い装備とは全然違う、色変えすらしてない地味でシンプルな装備だった。

 なんなら剣も凄く無骨だ。


 でもそんな事全く気にならなかった。だってその子は……

 物凄く可愛かったんだから!

 キラキラと輝く長い髪は、薄暗くジメッとしたダンジョンの風景とのギャップで物凄く綺麗。

 肌も真っ白でシミ一つ見当たらない。


 何より、顔が、綺麗!!

 すっごく綺麗!!

 物凄く綺麗!!

 超一流配信者もビックリの可愛さ!


『っていうかなぁ、この子可愛くない?』


『分かる。戦闘中は配信カメラの性能がいまいちだから良く分からなかったけど、動きが止まってちゃんと見えるようになったら……』 


 本当に凄く綺麗、凄く綺麗で凄く強い!

 きっとこの子が配信したら絶対物凄い撮れ高が期待できるんだろうな……

 はっ、そうだ! この子を誘えば絶対動画がバズるよ!


「あ、あの!」


「ん?」


「っ!? か、可愛ぃ……」


 うわぁーっ! 声も超可愛い!!


「助けてくれてありがとうございます! あ、あの、お礼をしたいんですけど!」


 あまりにも可愛い顔と声が正面から襲って来て、私は青いリトルゴブリン以上の衝撃を受ける。

 耐えろ私! なんとしてもこの子とパーティを組むんだ!

 そしてこの子の横顔を永遠に眺めていたい!


「そ、それと、もしよければ、同じソロ同士で一緒に下のフロアに行きませんか?」


 よし言ったー! 私誘ったぁーっ!

 これで観賞用美少女とイチャイチャできるーっ!!

 ふーっ、ふーっ、落ちつけ私。冷静になれ。クールに、クールになるんだよ。

 パーティを組んでいきなりイチャイチャは流石に飛ばし過ぎだって。

 こういう時は冷静にまずは着せ替え人形から始めるのがマナーだよね。


「それは無理」


 そう、無理……ってえ?

 無理? 何で!? 無理!?


「そんな!! 貴方となら凄い撮れ高が期待できるのに!!」


「撮れ高?」

 

 あわわわ、しまった!


「あっ、いや何でもないです! えっと、ほら、貴女、じゃなくて二人なら二層の魔物相手でもやり合えますし!」


そう! これだけ強いのなら、初めての配信でも二層を狙える筈!

この子の雄姿をもっと間近で見たい筈!!

その戦いを見たら絶対皆夢中になるよ!!


「貴方には無理」


「え?」


 私?

 っていうか、うわっ、ガチ恋距離! まつ毛長っ! 肌きめ細かっ!! 唇近っ!!


『美少女の超至近距離、幼女でも惚れる』


『これは熟女専の俺でも鞍替えするレベル』


『さらっとやべー性癖暴露するな。でも気持ちは分かる』


「この程度の魔物相手に手も足も出ないんじゃ論外。もっとレベル上げをしないと下層じゃ通用しない」


『残当』


『常識的に考えてブルーリトルゴブリン倒せるソロプレイヤーと新人配信者が組むメリットが無い』


 そ、そんなぁーっ!!


「大人しく羊のぬいぐるみ相手にレベル上げをしたほうがいいよ」


 そんな風に、私は諭されてしまい、彼女は去っていったのだった。


『幼女がクールに去って行った』


『これは惚れる』


『ポップシープを羊のぬいぐるみとは秀逸な皮肉w』


「……はぁ~」


 行っちゃった。凄く可愛かったのに。


『まぁ元気だしな。ブルーリトルゴブリン相手に生き延びたんだから、大儲けだろ』


『そうそう、ソロでレアモンと遭遇して助かったのは幸運だって』


『他人のおんぶ抱っこで高望みせずに地道に実力をつけるべし』


 うう、皆優しいなぁ。


「うん、わかったよ皆。私、地道に強くなる」


『それが良い』


『最初に挫折を経験した方が、良い探索者になる』


『今後に期待のお布施¥100』


「うん、私、もっと強くなる! もっと強くなってあの子の冒険に付いていけるだけの強さを手に入れるよ! そしてあの子の輝かしい戦いを配信する為の最強のスタッフになる!!」


 そうだ、私はあの子の為にダンジョンに潜ったんだ。 

 あの子の専属スタッフになる為に!


「あの戦いが誰にも見られないなんて、あの可愛さが誰にも知られないなんて、世界の損失だよ!」


『待って、何かおかしくなった』


『正気に戻れ』


『面白くなってきた。¥1000』


「よーし! さっそく上に戻って探索者訓練の続き受けるぞー!」


『え?』


『探索者訓練最後まで受けてなかったの?』


『訓練完了してからダンジョン潜るのが常識やぞ。良く生きてたなコイツ』


 意気揚々と立ち上がった私は、さっそく彼女が向かって行った出口の方角に足を踏み出し……ガッ

 何かに足を引っかけた。


「ん?」


 するとそこには青い色をしたリトルゴブリンの死体が。

 

「ビックリした、さっきの青いリトルゴブリンかぁ」


 何かと思ったよ。


『ちょい待ち』


 青いリトルゴブリンを避けて進もうとした私に視聴者の人が待ったをかける。


「え? どうしたの?」


『ん? 何かあった?』


『いや、そのレアモン、素材を剥いでなくね?』


「え?」


『え?』


『え?』


 思わず皆で同じ声を上げる。


『マジだ。ブルーリトルゴブリンの素材どころか討伐証明部位も剥いでない』


「えっと、このリトルゴブリンの素材っていくらくらいになるんですか?」


『4層レベルの強さでポップ率の少ないレアモンだから……あった、20万円だな』


「20万円!?」


 うそっ!? 20万円って駆け出し探索者パーティが丸1日ダンジョンの2層か3層に潜ってお金になる魔物に何体も遭遇した時の売り上げだよね!?


『おいおいおい、大損害じゃん! 急いで追いかけてあの子を呼び戻さないと!』


「え!?」


『まて、戻ってくるまで放置したら他の魔物に死体を食われるか、ダンジョンに消えるか、最悪他のパーティに盗られる。この場で剥いでから探索者協会に落とし物として届け出た方が良い』


「え? え? え?」


 ど、どうすれば良いの!?

 その後私は視聴者の皆に言われた通り、青いリトルゴブリンの素材と討伐証明部位を回収したのち、地上に戻って探索者協会に届け出をしたんだけど……


「探索者訓練を終えずにダンジョンに入ったんですか!?」


 事情を説明する際に、訓練を終える前に潜った事がバレちゃって、盛大にお説教をくらってしまったのだった。


「うう、勢いでダンジョンに潜らなきゃよかったー」


 あ、でもそれが無かったらあの子にも出会えなかったし、潜って良かったのかな?


「そうだった。私はあの子の為に強くならないと!」


 決意を新たにした私は、再びダンジョンに思いをはせる。再び彼女に会う為に。

 まぁその前に探索者訓練を最後まで終わらせて、今回の罰としてテストも受けないといけないんだけどね。

 おっかしーなー、探索者訓練って、あくまで権利で決して義務じゃなかったと思ったんだけど……え? 法改正? 義務になってた? ……はい。反省します。


 こうして私はダンジョンに潜る前に訓練に精を出すことになったんだけど、その間に配信を見ていた視聴者の人達が、あの子の事を動画のURL付きで宣伝しまくっていたらしく、後でもの凄い閲覧数になってて心底驚く羽目になるんだけど、私がそれに気付くのはもう少し先の事なのでした。

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