第20話 ワクワク! スキルツリー!
カース・ブラザーフッド結成から、多分5年くらい経った。
本にすると30万文字くらいの出来事はあった気がする。
月日が流れるのは早いもので5年もこの世界で過ごすと色々な事に慣れる。
今ではすっかりライフワークとなった近所の山賊狩り、釣り、薪仕事、呪術の修行、カースとしての黒幕悪役プレイ。
後は三騎士、いや、
まさか5年でこんなに配下が増えるとは思わなかった。
ふ、自分のカリスマが怖い。
俺は変わらず真の最強黒幕悪役を目指して元気に生きていた。
【ホワイト・ノース・セイン率いる冒険者パーティー”ウェポンズ”により白竜山脈の人類種初の登頂、制覇に成功!! 帝都にて偉業を称える祝賀会、祝典の予定、皇族も参加する、第一
【スカーレット・エルヴァ・クリークライダーが魔法学院にて七賢者の1人に認定。エルフ族と人類の長い戦争にも変化の兆しか!?】
【帝都の闇、大商人オンナクウ・コドモウル・ダクワール、1級冒険者に守られた邸宅内で殺害される。現場にはまた黒い手形が残される、暗殺ギルド”シャドウハンド”の仕業か……! 帝都の汚職が噂されていた権力者の死亡は今月だけで6件にも上る】
スカーレット達に習ったおかげでなんとかこの世界の文字も読めるようになった。
今ではこうして朝の爽やかな空気の中で新聞を読む事も出来る。
……あいつら、また俺を差し置いてなんか有名になっとる……!
いやいや、落ち着け。
配下の活躍を喜べないのは器が小さい。
悪役とは底の見えない度量を併せ持つべきだ。
気持ちを落ち着け、息を吸う。
とりあえずいつものモーニングルーティンから始めるか。
この5年で手に入れた俺の新たな力。
ライフ・フィールドとの同調が進めば、進むほどに俺は強くなる。
「ナビ、スキルツリーを見せてくれ」
《スキルツリーを閲覧します》
声が響いて、視界が白く染まった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
※注意! プレイヤー! スキルポイントは計画的に使いましょう!
【呪術師スキル】
├─【呪力操作・強化系】
│ ├─【呪力眼Lv1"両目三つ猿紋"】
│ └─ 【呪力譲渡】
├─【呪具制作】
│ ├─??? 必要スキルポイント50
│ └─ ??? 必要スキルポイント100
└─ ??? 必要スキルポイント150
├─ ??? 必要スキルポイント200
└─ ??? 必要スキルポイント500
├─ ??? 必要スキルポイント1800
└─ ??? 必要スキルポイント5000
├天岩戸封印によりこれより下は選択不可
【ギフト・術式作成(G級)】
├─【???】-【呪力の共有】-【外部呪力】
│ ├─【平安宣旨呪言令】-【呪力侵食】-【???】
│ └─ 【油屋浄瑠璃炎操法】-【呪力性質・炎】
├─【擬人土人操術】-【呪力浸透】
│ ├─【遠鳴雷鳴麒麟化呪法】-【呪力性質・雷】
│ └─ ???
└─ ???
├─ ???
└─ ???
├─ ???
└─ ???
天岩戸封印によりこれ下は選択不可
【生来術式・干支百景調伏呪法】
│ ─【干支の子】
│ ─【干支の丑】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支】
│ ─【干支の亥】
【干支百景調伏呪法・◆ノ◆・蟷イ謾ッ蜊∽コ檎・槫ー?・晁ゥ樒ヲ∬】
【決戦術式・天岩戸】の封印の影響で全てに強力デバフがかかっています。
〜保管術式その他多数〜
※注意、よく読む事! プレイヤー! 魔法攻撃を受ける事で呪術化した保管術式は単体で使うときえてしまいますよ! 拘らずにどんどんギフトで合成してください!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
白い視界が元に戻る。
……良い。
なんだろう。
銀行口座を眺めるあの気分に似ている。
いや、本格的に働いた事ないから微妙だけど。
この5年で俺が成長した証がはっきりと形となって現れる。
悪くない気分だ。
だが、悩みもある。
「うううう……」
「ぎ……」
「ああ……」
「ありえねえ……ギフテッドのリーダーがなんも出来ずに……」
《深淵の山賊団を壊滅させました。これであなたの山賊討伐数は10000を越えました》
「……レベルが上がらねえ」
やっぱ才能ないのかな。
山賊だけじゃなく、カースとしても色々ノリで各地のモンスター倒したりはしてきたんだけど……
『ぶもももも』
「うお、なんだよイノシシ。慰めてくれんのか?」
『ぶもも』
『チューチュー』
『もっ』
イノシシ、ネズミ、牛。
この5年で調伏した俺のギフトに元々あった連中。
墨絵で描かれたデフォルメされたアニマル達が俺の顔を舐めたり、頭にまとわりついたり。
これがアニマルセラピー……!
少し気が楽になってきた。
うん、そうだ、俺はまだまだモブ。
元々凡人なんだ、そんな急がなくてもいいさ。
「我が王、こちらにいらしたのですか」
ふと、背後から声がかかる。
俺はその声を知っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます