第10話

君が僕との過去の愉しい夢を見た夜。

僕も、とってもたのしい夢を見たんだ。

僕はいじめられて泣いていた。

いつものやつらに。

そしたら引き出しから、ドザえもん。

未来の世界の、水死体型ロボット。

泣きつく僕に秘密道具。

溺死ボウル。

5つ並んだボウル。

煙草の吸い殻、ビール、灯油、ガソリンの順に、顔を浸ける。

頭を抑えてくれるドザちゃん。

存分に溺れた頃に、仕上げ。

69000円ぶんの1円玉。

溶けてぐつぐつ煮えたぎる。

ああ、なんて、たのしいんだ。

ドザえもん、いつもありがとう。

紫明くん、イタズラに使っちゃダメだよ。

わかってるよ。

コレ、ちょっと借りるね!

あ、何処いくんだい?紫明くん。


何処にも、行けやしない。


せっかく笑ったんだ。

その場で頭から被る。

燃える髪の毛、ただれる肌。

けれどもすぐに冷え固まってアルミ箔。

双葉紫明のホイル焼き。

食えそうもねー。

それよりまだ髪が燃えてて、銀紙にくるんだ蝋燭みたいだ。

そんなたのしい夢を見た。

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