第11話

やらなきゃいけない事が山積みだ。

払わなきゃいけない金が、山積みだ。

深夜のアルバイト。

牛乳配達。

苔を採りに山へ。

ひとつひとつ、ぜんぶ楽しい。

暗くはないよ。

少し、お金が入ったんだ。

でもそれは、君にあげたかったお金。

君にあげるべきだったお金。

それを、振り込んでもらっちゃった。


振込手数料かかるから、69000円で良いです。


「振り込みましたー!」


君からのライン。


口座に70000円の数字。


シラフじゃ、居られない。

肉体疲労。

精神摩耗。

低気圧。

酔って眠る。

いつの間にか、深夜0時。

たくさんのライン。

今日の朝、夜、明日の朝。

ごはんの依頼。

インストラクター仲間から。

薄明るい。

金があるぶん。

けれどもみなさん。

夜の街灯、街明かり。

そいつらが作り出す闇をご存知か?

散らかった店。

片付けるのに焚く灯油。

アタマを麻痺させる酒


ぜんぶ、あの金。


どうせ、すぐに無くなる。

さあ、どれから払うべきか、思案。

この金が無くなる頃を想像しては、

また暗くなる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る