第4話

そんなふうだったのかな?

今となっては思い出せないや。 

5月に離婚した。

8月に交通事故に遭った。

その2日後に、スズメバチに刺された。

毎年100本くらいは採れる松茸が、今年は一本も見る事さえ出来ず、事業は行き詰まった。

最大のパトロンから、「あなたの為に良くない」と、今後の借銭を断られた。

それからしばらく落ち着いてたけど、正月早々スマホが死んで、それから肋骨を折った。

肋骨の一本くらいはいつでも折れてるものだとは思うけれども、何か、止まって下さらないものか。

こちとら暗いなりに、精一杯生きてんだ。

死にたいけれど、生きてんだ。

責任あるよ。

おかあさん。

おとうと。

おくさん(元)。

こどもたち。

僕に期待するひとたち。

だからこれ以上、僕を暗くする事が、少しの間でも止んで欲しい。

十分暗いんだ。

あなたが夜空なら僕は墨汁。

あなたがブラックメタリックなら僕はつや消しブラック。

あなたが夜のシャッター街なら僕は鯨の胃の中。

その程度には。

暗いんだ。

もっと、くれるのかい?

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