第3話

僕が喋ると白けるんだ。

それでもみんな、ふたりきりの時、いつもの嫌な顔をしない。

どっちが本当なんだろう?

僕の話す事は徹頭徹尾笑えない自虐だ。

それを笑える自虐にsophisticateして「場」に持ち込んだ、つもり。

 

しんと静まり返る。


暗さを知性の裏返しみたいに言う奴は、ちゃんと暗くない。

優越してる。

違うよ。

劣等。

「劣等感」なんかじゃない。

真の劣等。

それを感じた時、きみも一人前に暗くなれるんだ。

なってごらん。

痛み、小銭、目開けたまま、ヤケ起こす熱も出ない。

死んだほうがマシを生きるのは、死ぬより辛い。

それでも図々しくベラベラと。

ゆるされたら、明るいんだ。

だーれも僕を、ゆるさない。

時に、頼んでないのに、「俺はおまえをゆるさないぞ」とか言われちゃったり、しちゃったりして。

あー、たのしいな。

暗黒人生。

なーんにも楽しみがないから、いつか死ぬのが楽しみで仕方ない。

ならば今すぐ死ね。

そうですよね。

ああ、今死のうかな。

よし、決めた。

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