第二章 学院の夢幻迷宮編

プロローグ 魔術学院の伝説

 ヴィリディス王国の王都には王立魔術学院が有る。


 国内最高峰さいこうほうの学院で魔術に関する研究や人材を育成する、重要で歴史ある学院だ。この学院からは優秀な魔術師が輩出はいしゅつされ国内外で多岐にわたり活躍している。


 そんな、お堅い学院にもジンクスや伝説が有る。学院内で見る人ならざる者、星が天と地を結う時に告白をすると恋が実るジンクス、そしていにしえから存在するとわれる学院地下に広がる迷宮とそこに住まう怪物。


 いにしえの王が、倒すことの出来なかった怪物を地下迷宮に封印したと云われる。その上に魔術学院を建てる事により封印を守って来た。

 面白半分に学院の地下をあばこうとする不届き物は、封印の隙間すきまから怪物が迷宮に引きずり込み、魂を食べるとか、食べないとか。

 学院で人が消えると、この伝説の所為せいだと噂される。


 しかし、火の無い所に煙は立たない。


 実際に、王宮と学院共同の行事で『封印の儀』というものが、百年に一度ある。国王と聖女の手によって、学院にあるいにしえの封印を掛け直して、より良い国になる事を祈る行事だ。


 しかし、先の王宮立てこもり事件でこの封印の儀は先送りにされていた。怪物の伝説が本物であるならば、怪物は復活の日を封印の隙間から待ち続けているのかもしれない。

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