第13話 友達の友達は友達じゃない 

矢部「いやぁ~、マイやっぱ可愛いわ」


「……」イラッ


矢部「今朝まで大学を辞めようか本気で落ち込んでたんだけどな?

最後に謝って気持ちを伝えようと思って、勇気を振り絞って行ったんだ。

そしたらさ彼女はなんて言ったと思う?

『昨日はごめんね?私も言い過ぎちゃって、ちょっと気になってたの。

矢部くんから声かけてくれて良かったわ

だってあんな事言ったから、もう無視されて話してもらえないかと思って…私から声かけづらくて。ありがとう、ナオも気にしてないって言ってたよ』(ウラ声)

だってさ!

困ったように笑った顔も可愛いな

俺こそ塩対応で無視されるかと思ったけど全然!普通に喋ってくれて、本当に良い子だな。

改めて友達になったんだ(ドヤ顔)

お前が呼び捨て気にしてただろ?

『マイちゃん』呼びに変えてやったぞ?

そっちの方が仲良い友達っぽくていいなハハッ」


「はぁ?(怒)」イライラ!


矢部「柄悪いな。マイは騙されてる!お前の本性知らないだろ?幼馴染ってそんな良いもん?」


「もう帰れよ!

マイがバイトで来れないからって、代わりに矢部が来るとか無いわー!

マイちゃんバカなの?お人好し過ぎない?こんなヤツ友達じゃねーし!ストーカー野郎が友達とか完全に勘違いしてるじゃねーか!

単なるクラスのモブ男のクセに!

『マイちゃん』とかお前が呼ぶな気持ち悪ぅ!お前なんか友達じゃねーだろ!」


矢部「奇遇だな、友達の友達は別に俺の友達じゃない。

俺はお前みたいな人種と友達になりたくない!」


「じゃ、何しに来たんだよお前は!」


矢部「帰りに(※待ち伏せして)マイに声かけたんだよ。俺はここの病院の診察券持ってるんだ、ここの近くに住んでるからな。

マイは押しに弱い所があるだろ?

またお見舞いに行くものと思ったから、お前にもちゃんと謝りたい一緒に付いてきてって頼んだんだ。

そしたらバイトで行けないって。お前よりバイトの方が大事なんだな?(憐む眼差し)

まぁ帰り道一本ズレるだけだし来てやった」


「来んなよ!」


矢部「まぁ聞けよ、マイちゃんは今までバイト先の事あんまり教えてくれなかったんだけどさ?

今日(※しつこく)聞いたら教えてくれたんだよ

葬儀会館は別に内緒にしなくてもいいのにな?

まぁ周りの子がミスドとかマクドでバイトしてるのに言いづらいか。

もう、モデルって言っとけばいいのにな?完全に嘘じゃないし、そう思わん?」


「ハァ…マイは目立ちたくないんだ、余計な事すんな」


ガラガラとドアが開いて母が入ってきた。


母「まぁ!びっくりした、マイちゃんかと思ったら違った、お友達?」


矢部「あっ、こんにちわ!お邪魔してます。

中学高校とずっと同じクラスだった矢部です、藤原のお母さんよく送迎してましたよね?

僕何回か挨拶してます」


母「あら、まぁ!矢部くん?

髪の毛が今風で格好良くなったから気が付かなかったわ。

わざわざお見舞いにありがとうね、お家は遠いの?帰り送って行こうか?」


矢部「大丈夫っす、僕この近くなんで歩いて帰れます」


母「そうなの、ゆっくりしていってね

ナオ、お母さん受付で書類もらってくるわね」


母さんが友達だと勘違いしてる!


矢部「お母さんは普通なのに、なんで息子がこんなにグレたんだ??」


「グレてねー!もういい帰れよ」


矢部「お前みたいなヤツはいつかマイにフラれるだろ?

その時に相談に乗っておくとそのまま俺にスライドするんだよ」


「はぁ?」


矢部「よく、失恋の相談に乗ってたら、そのまま付き合うって聞くだろ?

お前を振って傷心してる彼女を慰めるのも俺の仕事だ!」


「はぁ?馬鹿じゃね?

マイはお前みたいなストーカー勘違いクソ野郎に相談なんかしねーし!」


矢部「そうか?早速相談されたぞ

『私ってそんなに手練れやサセ子に見えるの?』って、お前もちょっとは言葉を選べよ?

マイは可愛いのに自分に自身がないだろ?でもオッパイが大きいのは自覚してるから、体目当ての自覚はあるんだよな」


「お前も顔と胸が目当てなくせに!

くっそー!マイもこんなやつ相手にするなよ!」


矢部「まぁ最初はそうだったけど、昨日と今日で性格の方が好きになった!

見た目は硬そうなしっかりした美人だけど、親しくなった笑顔は別格で可愛くて優しくて良い子だ」


「何でだよ!お前なんて相手にされてないからな!ヤバ男のくせに!」


矢部「フン、ヤバ男言うな。そのうちお前みたいなのより堅実な俺の方が良いと気付くはずだ」


「童貞のくせに、その自信は何処から湧いてくるんだ?ないわー」


矢部「童貞は関係ないだろ!」


「時間を無駄に潰すなよ、早く彼女を他で見繕え!マイは俺が好きなんだよ、なぁ?…ほら!」

(※幼い守護霊マイが頷いた)


矢部「…は?心配しなくても、時間の無駄どころか毎日大学が楽しくて仕方ないよ。

昨日のおかげて距離がぐっと縮まったんだ。

単なるクラスの知り合いから正式に友達に昇格した!

美人の友達とキャンパスライフ、俺の人生が豊かになったなアハハッ」


「ぐっ…」ムキィィィ!

なんか悔しい!

なぁにが"美人の友達とキャンパスライフ"だ!

ボケナス!この童貞チ〇カスクソ野郎!


羨ましい!

『美人の友達とキャンパスライフ』何それ!ぐぅ


この置いて行かれてる感…イラッ


俺だって…


そうだ俺もバイトしよう!

小遣いもっと欲しいと思ってたんだ!ニートは卒業だ!(※寺の跡継ぎ息子)


矢部ヤバが帰った後で母が見計らったかのように帰って来た。


母「運動不足とコレステロール値と不整脈がちょっと気になる程度だそうよ

大した事無くて良かったわ…あんた見た目は細いけど中性脂肪が多いのよ、そのうち内蔵にも脂肪がつくわよ?」


「分かった、運動する

どこかバイトでも探そうかな?平日の昼間だけの仕事ある?」


母「今回のことで、ついにやる気が出たのね!

丁度あるわよ!」




翌日、退院して

マイがバイト終わりに家によってくれた。


マイ「ナオちゃんが退院できて良かった、何とも無かったの?

しょっちゅう押しかけたら悪いかな?」


「全然!不整脈とか言ってたかな?大した事無いって母さんが。

それよりマイちゃん、今日もヤバが話しかけてきたの?

僕、ヤバは嫌い!マイちゃんを奪う宣言してキモかったし!彼氏がいる女の子にわざわざ粘着とか質悪いよね!」


マイ「矢部くん、すまなかったって言ってたよ?

6年間も同じクラスだから友達ってより同士?友達とはまた別なの??男の友情ちょっと分からないけど。

(しつこく)話しかけられるけど、今はありがたいかな?

ユウコさんがヒートアップしてて…なんかあったのか荒れてるのよね。

ヒロミちゃんとかリナちゃんが違う講義の時間は矢部くんが1人で喋ってくれるから、正直助かってるの」


クソ矢部ヤバぁぁ!!


「ユウコさんはヤバが好きだからマイちゃんが一緒にいるとヒートアップするんじゃない?

この場合、離れたほうがユウコさんの気を逆撫でしないよ」


マイ「やっぱそうだよね?

私もそう言ったんだけどね『ストーカー扱いされたのに好きになるわけないじゃん無理!』とか言って離れてくれないの。

それに友達って言われるとね…ナオの友達でもあるから相談に乗るよって」


あの童貞チ〇カスクソ野郎!

調子に乗ってんな!!クソクソクソクソ!


「マイちゃん僕が嫌だっていってるのになんで分かってくれないの?

だってキライなんだもん、性格も合わないし!

彼女を盗ろうとする男なんか友達なわけないじゃん!

マイちゃん騙されてるよ!気づいてよ!

あいつ病室でオッパイの話しかしなかったんだ、キモいド変態だよ!」


マイ「……」


あ、これはちょっとウザかったかな?

「マイちゃん?」


マイ「うん、分かった。逆の立場だったら私も嫌だろうなって思ったから。

ヒロミちゃん達がいないの数コマだし、その間ボッチでも耐えるよ」


「………うん」


俺が最低の彼氏だって自覚はあるよ?

大好きな彼女をボッチにさせて何が悪い?

その分甘やかしてあげよう!

来たら帰り際にチュウする習慣でも作ろうかな?

マイちゃん照れ屋だからね 


「あ、そのユウコさんのフルネーム教えて?

この紙に書いて?」


マイ「え、こう?…これどうするの?」


「もちろんお祓いするんだよ!悪い気が貯まるとストレス貯まるみたいに荒れるんだ。

マイちゃんに災難がかからないように、ユウコさんをお祓いしてあげようよ」


マイ「へぇーそんな事が出来るの?本人が行かなくてもいいの?」


「本人が来たほうがもちろん効果はあるけど、どうやって連れて来るの?絶対に来ないでしょ?」


マイ「うん…じゃあお願いします。ユウコさんの気が晴れますように!」


マイちゃんの祈りは無駄になっちゃうけど、この紙で罪人ユウコを呪う!

(※後日ヒトガタに切って封を施してった)


「あ、そうだ僕ね

来週からバイトすることになったんだ

ちょっと遠いんだけど京都のお寺にまだ幼稚園併設してる所があってね

今年でもう閉園なんだけど、産休入る前に入院しちゃった人がいて、欠員が出たの。

3月の卒園まで1ヵ月くらいのパートを探してたんだって」(※現在2月の下旬)


「え、ナオちゃん幼稚園の先生やるの?」


「母さんが保育士持ってたんだけど、お手伝い程度なら資格いらないらしいから」


「幼稚園の先生の補助みたいな?へぇー凄いじゃん!幼稚園の先生とか楽しそうだね。ピアノとか出来るの?」


「僕がするわけないじゃん、ちゃんとカセットテープとかCDあるよ」


「そっか…なら3月終わりまで忙しくて会えないね」


「え、普通に会えるよ!?

京都って言っても電車で1時間くらいだし、お寺も住宅街の近くだから!駅近だよ!

土日は休みだから普通にデートできるよ!!」


「良かった、ナオちゃんに会えなくなると思ってちょっと寂しくなっちゃった。京都のお寺の幼稚園って山の中のイメージだけど…普通に街中にお寺あるもんね」


「マイちゃん、僕がマイちゃんに会えないような仕事するわけないじゃん」


ギューッっと抱きしめてあげた。

喜んでるな?憂いやつよ

はぁ~いい匂い、全身柔らかくて、細くて折れそう、ムラムラする!


「頑張る僕を応援してくれる?マイちゃんをたくさん充電したいなぁ?」


照れてるマイに帰り際の"またねのチュウ"の習慣付けを強要する。

こういうのは積み重ねが大事だよな!




以下マイ視点・翌日――…


心配するといけないからナオには話してなかったけど、ユウコさんの態度がどんどん悪くなっていく。基本は相手にしないようにしてるし、まぁ相手をするほど興味がないのもあるけど。


マイは無自覚にユウコを逆撫でしていた。

美人の天然目力のあるチラ見は、睨まれたと相手を怯ませる。

ヒロミは美人が好きな友達

リナはさっぱりしたボーイッシュな性格の百合

この2人がクラスを統べるカースト上位。

そしてマイを可愛がってる


ユウコの言動は周りの人も引いていて

全然関係ない男子が庇ったりするとさらに拗れる


男子「大学に入ってまでそういうの正直引くわー

いい加減ウザい、黙れよユウコ」


ユウコ「はぁ?あんたに関係ないし

っつーか、あんたもあっちの内藤が好きなの?

どんなけたらしなん?ヤリ〇ンのサセ子は手が早いわー穴兄弟どんなけ?」


男子「特大ブーメラン」ボソッ

男子「ププッ」


ユウコがマイを睨みつける


マイは軽く溜息を吐いた

みんなにはアンニュイなため息に見えても、ユウコは鼻で笑われたと思っていた。



矢部「美人にパグが吠えてるのは見苦しいな、って言ったら刺されるかな?」


「矢部くん、無駄に煽らないでマジで!

私は気にしないようにしてるし、後1ヵ月もしないうちに春休みだよ。

多分2回生は別のクラスになるんじゃないかな?

誰かが講師に報告してくれたみたいなの

この前、カフェ(学食)で面談があったから」


矢部「俺だよ、ちゃんと聞いてくれる先生で良かった」


「それは…どうもありがとう」


矢部「マイちゃん、よそよそしいね。

藤原に何か言われたんだろ?気にする事ないよ、友達なんて色んな人がいて当たり前なんだし

俺みたいなお節介が1人くらいいてもいいんだよ

別に付き合うとか考えなくていいよ?普通に友達として話してくれよ。そんな構えないでよ、な?

人として、性格が合うと思うんだ。一緒にいて居心地良いとかあるだろ?」


「…うん」

ここで、友達としてしか見れないから他あたってって言うと私が自意識過剰みたいじゃない?


ナオのバイト先に美人の保育士さんいたら…一緒にご飯食べてたらモヤッとするかな?

仕事で一緒にいるだけなら仕方ないけど、ナオってモテそうだしなぁ

ナオも月曜からバイト行くんだよね…ふぅ

今日はバイトだから、終わってから行くと遅くなって悪いしなぁ―…

(※適当な相槌で矢部の話しをほとんど聞いてない)


矢部「――…ってなわけで、新しくできたショッピングモールで」


ヒロミ「大きな声の独り言ね。また、マイちゃんを付け回してるの?」

リナ「矢部も、こりないね」


ホッ…

ヒロミとリナが昼食のために戻ってきた


矢部「別に俺ら普通に友達じゃん、な?君たち学食行くんだよな?俺も行っていいだろ?」


ヒロミ「イヤよ」

リナ「ゴチになっていいの?ゴチッス」


矢部「マイの彼氏さ、俺と中高一貫校で同じクラスだったんだよ」


「ちょっと矢部くん!」


ヒロミ「詳しく!」

リナ「早く行くよ!」


その時、矢部は前方からこちらに迫ってくるユウコが目に入った。

わざとマイにぶつかるように来たと思ったから

マイの腕を引いて自分に引き寄せた。


矢部「前からユウコさんが来てる」


気がついたマイがヒロミとリナの後ろに回った

すごぐ広い廊下なのにユウコは近くをわざと通る


ユウコ「チッ…はぁ~」


ヒロミ「……」

マイ「……」

リナ「…自己主張オツ」

矢部「ブッ」


ユウコ「はぁ?…調子に乗んなよ」


ユウコの鞄からカッターが出てきた。

ギョッとする4人


咄嗟に矢部がマイ達を庇って前に出る

「カッターとかヤバいって、頭おかしい!落ち着けって!マイが何したんだよ」


ユウコ「うるさい!斎藤くんにも秋山くんにも粉かけてるでしょ!!」


「え?は?斎藤?秋山?」クラスにいたなぁそんな男子


ヒロミ「何の話よ」

リナ「勘違いも大概にしてよ!」


「ギィェェェェ!」

ユウコが叫びながらカッターを振り回す

後退りする4人、ユウコの顔が醜く歪んで白目を剥いてヨダレを垂らして恐ろしい形相で迫ってくる


ヒロミ・リナ「きゃー!」


矢部が自分も怪我をする覚悟で腕を前に出してガードの体制を取りながらユウコに突進する

――ズシンッ…一瞬ユウコが止まり、そのまま突っ込んだ矢部が突き飛ばしてカッターがシュルルルと転がる。

周りで見ていた生徒も叫びながら先生を呼んでくる

突き飛ばされたユウコが派手に転がり

白目を剥いて仰け反り「ヴゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙」と歯を食いしばり拳を硬く作りガクガクガクガクと痙攣している


近くで見てたヒロミとリナはまるで金縛りにあったように固まって動けなかった


「ねぇ、突き飛ばし過ぎたんじゃない?頭打った?アレ危ないんじゃない?大丈夫?」


矢部「っ!?この場合は正当防衛だよ!」


「そうだけどっ、ユウコさん?」

マイが駆け寄ってユウコの肩に手を触れた直後

バチンと音がした

「キャッ!…静電気?

はっユウコさん大丈夫?!矢部くん救急車呼んできて、先生に!早く!大丈夫まだ死んでないよ!」


ユウコの痙攣が止まっていてぐったりしていた


矢部「あっ分かった」


その後、先に先生を呼びに行った生徒が戻ってきて、救急車を呼んだ。

その頃にはヒロミとリナも動けるようになっていて、やって来た先生や救急隊員に事情説明していた。

気がつくと人だかりができて、集まってきた先生の1人が一緒に付き添って救急車に乗りこんだ。

丁度お昼休みだから、たくさん人が集まってきて大騒ぎになった。


遠目に見てた人が鼻息荒く説明している

あっという間に話しが広がり、ユウコがマイを襲って矢部が助けた、まるでドラマのワンシーンみたいな話しになった


矢部の落ちていた株が急上昇する


矢部「マイちゃんが襲われそうだったから、体が勝手に動いたんだ!もう凄い心臓がバクバクしたって」

秋山「凄いよ、愛のチカラってやつ?ヒュー」

斎藤「お前カッコイイな」


と一部の男子が頭悪そうな盛り上がりをしていたが、ヒロミとリナとマイはユウコの姿にドン引きしていた。


昼休みの時間も減って、あんまり食欲がわかない女子3人は校内のコンビニでパンとパックのジュースを買ってテラスで食べる事に。


なぜか斎藤と秋山も矢部が誘って付いてきた。

(※これ以降この6人でつるむようになる)


先程の事件の話しから、他愛ない話になり重かった雰囲気が明るくなった。

男子達が盛り上げようとして笑いを取った。


マイは少しだけ笑いに乗っかった。


秋山「マイさんって思ったより気さくなんだ、めっちゃ真面目そうなイメージで声かけにくかったから」


斎藤「うん、以外と話しやすい。何ていうかもっと早く声かけとけばよかった…あ、いや、矢部いい奴だよ?もう付き合っちゃえば?」


矢部「おい、やめろよ!俺は友達でいいんだよ

付き合うとか付き合わないとかじゃなくて、友達として仲良くなって楽しくなってきたんだよ」


秋山「それぞれのペースあるもんな」

斎藤「ハイハーイ!俺も友達になりたい!」


秋山「みんなで友達のグループライン作ろうぜ?

せっかく友達になったんだし春休みとか、みんなで飲みとか遊びに行きたい!」


矢部「おっラインいいね、なんか楽しそう」


とっても言いにくい…彼氏いるからちょっとって


リナ「私はみんなで遊びに行きたいかな、まぁ無理にライン交換しなくてもいいよ」


ヒロミ「えぇー、ここで嫌だって言ったら空気読めないヤツじゃない?まぁラインくらいならいかな、嫌ならブロックするから」


私「…みんながそう言うなら」いいかな?


リナ「ちなみに、ヒロミとマイは彼氏いるからね?下心丸見えよアンタ達ぃ!」


秋山・斎藤「え!」 2人がバッと矢部を見る


ヒロミ「私は先週別れたわよ」


リナ・私「え!」 2人でヒロミを見た


リナ「ヒロミィ言えよぅ!」

私「本当だよ」


ヒロミ「まだ完全に終わってなくて…向こうからロミオメールが来るのよ。浮気しといてしつこい!」


修羅場か?うわぁ


リナ「あ、じゃあ気晴らしにパァっと飲みに行く?」


行こう行こうとなった。

とても断りにくい、ヒロミのお疲れ様会だし行きたい気もある。

でもまぁどのみち「私は今日バイトなの」


斎藤「明日は?」


「夕方なら空いてる…かな」


矢部「じゃあ明日の夕方な!店予約しとくよ、何処が良い?」


秋山「駅前の〇〇って居酒屋の2階の個室が掘りごたつで今の時期は本当にコタツなんだ」


コタツの居酒屋、面白そう!


矢部「へぇー面白そうだしそこにしよっ!」



それから学校が終って、バイト前にナオに電話した


「―…と言うわけで明日はバイト終わったらヒロミちゃん達と飲みに行くの」


『…それって男いるんでしょ?矢部?』


「うん…矢部くんとその友達もいる。みんなで友達のグループライン作ったの」


『何で?』

ナオの声のトーンが下がった


「えっと…今日ねユウコさんがカッター持って暴れて救急車呼ばれたの」


『え?マイちゃん怪我しなかった?!』


「私は大丈夫、矢部くんが庇ってくれたから」


『は?』


「矢部くん、カッター持って暴れるユウコさんに突っ込んだの。ユウコさんが倒れて痙攣起こして救急車呼ばれたの」


『…チッそう来たか(ボソッ)』


「え?何??」


『…マイちゃんに怪我が無くて良かった。今日はバイト終わったら来る?』


「…明日もバイトあるし、今日は遅くなるから」


『ねぇ、そのグループライン必要?』


「特には…。多分、暗くなった雰囲気を盛り上げようとしてくれたんだと思う」


『…行かないでって言ったらウザい?』


「ふふっちょっと安心する。

ナオちゃんなら行かないでって言ってくれると思ったから」


『え?行きたくないの?』


「行きたくない訳じゃないけど、彼女が飲み行っても平気なのって寂しいなぁって思ったから…帰り迎えに来てくれる?多分、ナオちゃんに会いたくなると思うから」今も会いたいよ…


『もちろん行くよ!!6時?』


「早すぎ!5時から予約なのに1時間だけなの?2時間予約だってフフフ」


『明日必ず迎えに行くからね』


「うん、ありがと…ナオちゃん大好き」


『僕も大好きだよ』




以下ナオ視点―…


電話が終ったらスマホをベッドに放り投げた


クソッ!ユウコの呪詛は上手く行ったのに、矢部のアホが余計な事をするから!


ナオは呪詛に使用する紙にマイ本人にユウコのフルネームを書かせた。

マイを取り囲んでる真っ黒な影の塊の守護霊アレが近くにいると、ナオがかけた呪詛が弾かれる。それならマイ本人が呪った場合どうなるのか実験を試みた。

マイにそのつもりはないのに、まさに鬼畜の所業である

結果は、マイが書いた呪詛なら守護霊アレの中でも効果があった。

マイの呪いがマイの意志とは別でもだ


思惑が外れたのは、矢部がマイを庇ったこと。


せっかく上手く行ったのに、矢部が余計な事を…

白昼堂々と庇ってヒーロー扱いか?

マイが合コンに行く?なんでもっと止めなかった!

(※迎えに来てって可愛いお願いだから聞いてあげたくなった)


フン!その面拝んでやる!

何処のどいつか知らんが矢部もろとも呪ってやる!


でもその前に…


今日のマイのバイトの終わり頃に葬儀会館の駐車場で待ち伏せする


プルルル、プルルル、プルルル―…

「あ…もしもしマイちゃん?お疲れ様、バイト終った?」


『終わったよ、お疲れ様』


「マイちゃんに会いたくて来ちゃった…今日、変な事あったでしょ?電話の声が元気が無さそうだったから」


『え?今、駐車場?すぐ行く!』


本当にすぐに、マイが走って出てきた。

「ナオちゃんお待たせー!」


「マイちゃんお疲れ様、心が疲れた時は甘いものだよ」


遅くまでやってるス〇バへ行き

窓際のカウンター席へ並んで座る

店内が温かいからマイはコートを脱いだ


ギョッ!

今日もオッパイでけーな!

ムム、体のラインが出て胸が強調されるエロいセーター着やがって!!

けしからん!腰細っそ!でもケツの肉付き良さげでたまらん!(※普通のセーターとGパン)


マイはニコニコしながらナオを見ていた


「マイちゃん機嫌いいね?」何があった?大学絡みか?


マイ「今日はナオちゃんに会えないと思ってたから…会えて嬉しい」


照れてココアをのむマイにグッときた


俺の彼女めちゃめちゃ可愛いやんか!

はぅっ胸がキューンってなる、色々と邪で擦れてる自分が浄化されそうだ

マイをずっと大事にしよう……人を呪っちゃ駄目だな、うん


それから、大学であったことを聞いた


結論から言う

矢部、斎藤、秋山、汝らには有罪判決が下された

もちろん俺による呪いの死刑執行だっ!

クソどもめ!


大学ってやっぱりサルばっかりじゃん!!

俺のマイに近付くな猿山どもめ!

楽しそうに明日の事を話すマイが遠くの存在に見えてくる

ニートと大学生ってもう別の世界の生き物みたい…知ってたけどぉ!

付合ってもそれは変わらない、むしろ余計に気になる。


「マイちゃんは僕より大学の友達と遊ぶほうが楽しそう…」だから遊ぶの辞めて!


マイ「そんな事ないよ!斎藤くんも秋山くんも矢部くんの友達であって、私の友達ってわけじゃないから。

それにナオちゃんといる時の方がホッとするし!」


ホッとするって何だよ!まだ弟よりの身内感覚か!犯すぞ!


「…それって僕のこと男として見てないの?」

そんなわけないよね?

え、もしかして俺がそういう目で見られてないの?嘘じゃろ?

ここに来て呼びのぶりっ子が仇になったの?


マイは顔を赤くして視線をそらした


「…お寺の御子さんとか嫁いでくる人って処女じゃなきゃ駄目なんでしょ?だからこの前その確認したんだよね?

ナオちゃんだって私に全然触ってくれないし、私の事どう思ってるの?私って女の子として魅力ないの?ナオちゃんは大っきい胸は好きじゃない?

……ふぅ、こういう話しは恥ずかしい、ごめんね変なこと聞いて忘れて」


大っきいオッパイ大好きですっ!!

今すぐそのデカ乳揉みしだいて唇奪ってやる!

明日バイト?知らんし、今すぐどっかホテル行って朝まで抱いてやる!くぅぅぅ!


ハッ!マイの幼い生霊が無垢な目で真っ直ぐに俺を見てくる

(※いつもと変わらない)


何だよ!何が言いたい!別にいいだろ?カレカノになったんだから合法だろ!

やましい事なんて何も無いだろ…多分

(※ちょっと冷静になった)


「マイちゃん、お寺の御子さんって誰のこと?

祖母ちゃんも母さんも子ども産んでるでしょ?処女とか別に関係ないよ。(俺はヤりまくって汚れまくってるし)

でも、そっかぁ〜、マイもちゃんと僕との将来を考えてくれてたんだ。

マイちゃんはお寺にお嫁に来てもいいの?お寺の嫁とか普通は嫌がるかと思ってたけど?

僕はマイちゃんが嫌だって言ったら全部捨てて家を出て2人で暮らそうと思ってたんだよ」俺のために


「別に嫌じゃないよ

何も捨てなくていいよ、ナオちゃんの家族にも良くしてもらってるし」 


マイは真っ赤になって顔を隠してしまった


「マイちゃん今すぐ僕と結婚しよっ!」子作りしまくりだぜ!


「ナオちゃん、それは流石に早いよ!大学は卒業しておきたいもん」


とりあえず後ろから抱きしめて、腕に大きなオッパイ乗せといた。

ずっしりとした幸福感とマイの匂いと温もりと厚くないセーターに感謝した。

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