第7話 初夜
「天成様。愛歌でございます」
襖が軽くノックされ、愛歌の声が聞こえた。
俺は慌てて布団の上に座り、入る様に告げる。
襖が開くと、そこには浴衣姿の正座をした愛歌がいた。
浴衣と言っても寝巻用のそれだ。
その証拠に、帯が目で止められている。
(エロい……。和服と言うだけでも洋服よりもエロティックなのに、寝巻用の浴衣の破壊力は段違いだ。帯を前で止めているだけなのに……、いやそれこそがエロの象徴なのだろう。それが想像を掻き立てるのだ)
愛歌が寝室に入ってきた。
その所作は完璧だ。
寝室に入ると再び正座をして襖を閉めて、こちらに向き直ると三つ指を付いて頭を下げる。
その所作に俺はゾクゾクし、支配欲が刺激された。
今まで知らなかった自分が目を覚ましている様な感じだ。
「愛歌、こちらに……」
「はい」
愛歌が俺の前に座り、膝を突き合わせる。
その顔は僅かに紅潮し緊張の色が見えた。
(そうだよな。初めてなのは俺だけじゃない。俺がしっかりとリードしないと……)
今日一日見ていた愛歌とは違う顔を前に俺はそう決意する。
そして、それと同時に目の前の愛歌の姿に激しく興奮を覚えていた。
目の前の女がこれから行われる情事に緊張をしている。
自分が目の前の男に何をされるのか理解し、それを受け入れその場にいる。
体を委ねられた。
男の欲望をぶつける権利を得た。
その事実は俺の中の男を昂らせる。
俺は愛歌の肩を掴むと、その身体を引き寄せた。
「あっ……」
突然の行為に愛歌は驚くも、その体を俺に預ける。
そして、俺に顔を向けると、スッと目を閉じた。
俺は顔を近づけると、愛歌の唇に自身のそれを重ね合わせる。
柔らかく、そしてしっとりと潤んだ唇。
離れては、またくっ付く。
そんなキスを何度も繰り返した。
すると、愛歌の指が俺の唇に当てられた。
「口付けとは、こんなにも幸せなモノなのですね。なれば、その先はどれだけの幸福が待っているのでしょうか?」
愛歌の言わんとする事は俺でもわかった。
俺は名残惜しいが口付けを止め、愛歌の浴衣をずらす。
まずはその肩が露出された。
細く華奢な肩。
だが、決して細すぎず程よく肉もある。
抱きしめたいという衝動が襲ってくるが我慢する。
そのまま浴衣をずらし、遂に女の秘部の一つが露わになった。
(お、大きい……)
着物を着ている時は気付けなかったが、愛歌の胸にあるそれはとても大きかった。
そして、ただ大きいだけではなくそれを構成する三つの要素は、完璧な黄金比で構成されていた。
「その様にじっと見つめられては恥ずかしゅうございます」
「あ、ああ、ごめん。じゃない、すまない」
「ふふ、でも、その反応は同時に嬉しくも思います。旦那様の好みの様で……」
「ああ、すごく俺好みだよ」
「何分、初めてでございますので、粗相があるやもしれませんが、何卒良しなに……」
「それは俺も同じだから、こちらこそよろしく頼むよ……」
俺は愛歌を押し倒し、そのまま夫婦の初めての営みに耽った。
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