第6話
目覚めたら身体がすごく怠く感じて熱を測ってみると38.2℃と表示され…熱があることを確認した。
まぁ原因は昨日の雨だろうけど……それにしても私が熱を出すなんていつぶりだろう?
中一の頃に一回熱を出してからそれっきりかな…その日は確か……冷が休むって言って聞かなかったっけ…懐かしいな。
「お姉ちゃん……入るね」
「ん〜……」
珍しく私よりも早く起きてた様子だけど…私は熱で正直それ所じゃない…言葉も必要最低限しか話せなさそうだし…何より頭が回らん。
「お姉ちゃん…大丈夫?おでこ触るね……って熱あるじゃん……今日は私が看病するから…お姉ちゃん大人しくしてて」
「ん〜……私はいいよ…それより学校あるでしょ…私は一人でも大丈夫だから…行っていいよ…」
「ダメ…大人しくしてて今日は私が看病するから拒否権なんて今のお姉ちゃんにはありません」
ほんとうは強く言った方が良かったんだろうけど…今日は強く言えないし…ていうか呂律も回ってるか怪しいくらいなのに…怒ったりする気力は今の私にはなかった。
「お姉ちゃん……お粥作ってくるから一人で待ってれる…?」
「ん〜……私をだれだとおもってるの……わたしはれいのおねえちゃん…だぞ……」
「ほんとに大丈夫かな……」
自分ではよくわからないけど…冷に心配されるほど今の私の呂律は終わっているらしい……くそぉ…妹に心配される姉なんて…ダメダメじゃん……
「じゃあ……お姉ちゃんお粥作りに行ってくるから…安静にしててね」
まぁ安静にしろと言われたのはいいものの…少し心配だ…というのも我が愛しの妹こと冷は料理がド下手だから…ダークマターとか……反物質とか持ってこないか…少し心配だ。
「あ…
優衣からメールが来ているのに気づき開いて見る。
正味、返事を返すのダルいけど…仕方ない…返事しとこ。
『あんた…大丈夫???』
『妹に看病してもらうから大丈夫』
既読が秒で着いて正直ちょっとビビった。
優衣はツンツンする割に割と私には優しいし…結構良い奴だからたまに話したりしてる。
『あんた…ほんとシスコンね……まぁいいわ…安静にしなさいよ』
返事を送るのがめんどかったから…適当にスタンプを返してスマホを閉じた。
正直眠気もするし…熱ってこんなに辛かったんだな…と実感している所です。
「お姉ちゃん……できたけど…不味かったら言ってね……」
意外と見た目はいいし…なんなら匂いもいい感じだから今回は期待できそう…だけどほんとに大丈夫かな…少し心配。
恐る恐る冷の作ってくれたお粥を口に運ぶが特に異常もなく、普通に美味しかった。
「冷……おいしい…」
「そう??…なら良かった……」
冷の反応を見ると結構安堵してる様子だ。
美味しかったからすぐに食べ終えてふとした時に冷の手を見ると赤くなっていた。
「冷…その手どうしたの?」
「……少しやけどしちゃって…」
「冷……私は一人でいいから……冷はそのやけどの心配して?」
「……お姉ちゃんその呂律で言われても説得力皆無だよ……」
おっと…今回はちゃんと言えたと思ったんだけど…まだ呂律は終わっているらしい。
ていうか…冷ほんとにやけどは気をつけて欲しい…お姉ちゃんとしては…心配です。
「ほら……お姉ちゃん…安静にして寝てて」
「……うん」
まぁ体調も悪いし……素直に従って眠りにつくことになった。その間ずっと冷は私と手を繋いで傍にいてくれて昔私が冷を看病した時のことを思い出す。
「……お姉ちゃん…だいすきだよ」
眠りにつく前に微かにその一言が聞こえたけど…熱のせいもあって思考は回らずそのまま寝てしまった。
起きたら横には眠ってる冷がいて…目覚めた私は結構身体も楽で熱は下がっていた。
「……冷…私も大好き」
小声で冷にそう言って私は寝ている冷の頭を撫でた。
冷は馴れない料理とか家事をしたから多分疲れて寝ちゃったのかな…かわいい。
私はしばらく冷の頭を撫で続けて冷の寝顔と寝息をじっくりと堪能したのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます