第4話 冷side

お姉ちゃんは私のことを考えて言ったのは

わかっているけど...お姉ちゃんはずっと私のもの

って言ってくれたのに一緒にいられないとか、

意味わかんない。


明らかにお姉ちゃんは怒ってたし、いつもの優しい

お姉ちゃんとは裏腹に声は冷たくなっていた。


『そ、なら好きにしたら?』


その言葉一つで私は動けなくなっていた。お姉ちゃんが私を見捨てた、そんな感じがした。お姉ちゃんを追いかけたいけど...接し方がわからない、お姉ちゃんはもう私の事嫌いなのかな泣きそう、もう帰ろうかな。泣きそうな顔をしていると知らない男性が近寄ってきた。


「君かわいいね僕たちと遊ばない?」

「興味無いです」

「釣れないなーそう言わず遊ぼうよ」

「や、やめて…」


手を掴まれて抵抗してみたが...力が強くて抵抗

出来ずにいた、そんな所にお姉ちゃんが来た。


「その子私の妹なのでちょっかい出すのやめてください」

「お姉さんも一緒に遊ぶ?」

「遊びません早く退いてください」


お姉ちゃんは私の手を無理やり掴んで走って

逃げていた。


「冷、大丈夫?怪我はない?なにかされてない?」

「…ごめんなさいお姉ちゃん」


私は少し泣きながらそう言った。

お姉ちゃんは私の事常に心配してくれてるのに

私は何も聞く耳を持たずお姉ちゃんにばかり

負担をかけて、ほんとに馬鹿だ。


「冷?なんで謝るの?」

「私お姉ちゃんの負担になってばかりで...なのにお姉ちゃんの事なんにも考えてなかった...心配かけてばっかりだし…さっきも助けて貰って…」


私の言葉を遮るようにお姉ちゃんは言葉を発した。


「冷、私もごめんね...少し言い過ぎたし、それに私は冷のお姉ちゃんだから助けるのは当たり前だよ」


お姉ちゃんは私の体を包み込み頭を撫でてくれていた。

私はお姉ちゃんに甘え過ぎていた...


「冷、怪我はないよね大丈夫?」

「うん、何も怪我はないよ」

「よかった...嫌いになっちゃうかもなんて言ってごめんね」


お姉ちゃんはいつも優しい。


さっき怒っていたのがまるで嘘のように優しく

包み込んでくれる。


「冷、そろそろ帰ろっか」

「うん、お姉ちゃん」


私はお姉ちゃんと手を繋いで家へ帰った。

お姉ちゃんの手の温もりは家へ帰ってからしばらく

続いていた。


「お姉ちゃん...すき」

「私も好きだよ」


っ…違う意味だとわかっていても効く。

私の好きはお姉ちゃんの言う好きとは違うのだろう

私の好きは家族に対しての好きとかそういうものではない、私の好きは…恋愛対象として好きなんだろう、お姉ちゃんが聞いたら引かれるかもしれない

それでもこの気持ちがいつか叶うといいな。


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