5
小学生のころ。みんなで星を見にいったことがあった。その日に見上げた星空は本当に美しい星空だった。
広い空が星で満たされているような、宝石箱をひっくり返したような夜だった。みんな感動して星を見ていた。そんなみんなの中にひまわりはいた。ひまわりもみんなと同じようにその大きな黒い瞳をきらきらと輝かせながらじっと星たちを見ていた。でもみずあめはそんな美しい星空を見ていなかった。みずあめが見ていたのは、ひまわりだった。みずあめは星を見るひまわりを見ていた。だってひまわりが世界で一番輝いて見えたからだ。みずあめがそうやってひまわりを見ているとふとひまわりが自分を見ているみずあめに気がついてみずあめを見て、その白い指先で空に輝く星を指差しながら満面の笑顔で星、綺麗だね、と口だけを動かしてそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます