#07 いよいよ... 凛side

はあ〜。

怖かった〜。


お化け屋敷に連れて行かれた時は、本当に泣くかと思ったよ。

...泣いてないからね?

なぜか、目から汗が出たけど、泣いてないからね?


今はちょうどお昼時っていうのもあって、エリアの真ん中ら辺にあるフードエリアで、お昼ご飯を食べている。

僕は卵料理が大好きだから、迷わずオムライスを選んだ。

琴音ちゃんは少し迷ったみたいだけど、スパゲッティにしたらしいね。


注文したものが出されて、席について食べ始めたはいいけど、さっきから琴音ちゃんがずっと僕の方を見てくる。

むっ...


「...なんか、へんなこと考えられた気がする」

「そ、そんなことないよ?」


本当かなあ...

あ、もしかして...


「はい。これ食べたかったの?」


そういって、僕は自分のオムライスをスプーンに掬って、琴音ちゃんの方に向けた。


「え...あ、そうそう。なんか凛の見てたら美味しそうだなあって...」


なんかとってつけたようセリフのような気もするけど、そういうのだから、とりあえずはそうなのだろう。


「あーむ。...んー!美味しい!」

「だよね。やっぱ料理に卵は欠かせないよ!」


うんうん。卵の良さがわかってくれて何より。


「(これ凛の使ってたスプーンでもらったけど、接キスしてるの気づいてないよね...?)」

「ん?なんか言った?」

「ううん。なんでもないよー」

「そう?」

「うっ...」


なんか言ってたような気がするけど、周りが騒がしくて聞こえなかったな。

ちょっと気になったから、首を傾げて確認してみたけど、そしたらなぜか、胸を押さえて、下を向いているし。


「大丈夫?」

「だ、大丈夫よ。ちょっと眩しかっただけだから...」

「眩しい...?」


はて?ここ室内だから眩しいなんてものはないと思うけど...



♢♢♢



「ふう...美味しかったね」

「そうね。でも凛の作る方が美味しいかも」

「そんなことないって。ここちゃんとしたお店なんだから。お店の出すものには勝てないよ」


実際、琴音ちゃんがうちに遊びにくる時とかは、たまに、お昼ご飯を僕が作ってあげている。

琴音ちゃんが作ると、3回に1回は未確認物質ダークマターが生まれるからね...


「次どこ行こっか?」

「凛はなんか行きたいところないの?午前中は私の行きたいところに付き合ってもらったし...」

「うーん」


最後に、あそこに乗れれば、道中は琴音ちゃんの行きたいところが僕の行きたいところだからなあ。

まあこれをいうのはちょっと勇気がいるけどね...


「凛が行きたいところ思いつかないなら、もう一回おb」

「よしっ!ジェットコースター乗ろう!」

「...」


お化け屋敷にだけはもう行きたくない!

なんであんな怖いの見なきゃいけないんだぁ!

横から刺さる視線を無視しつつ、琴音ちゃんの手を引いて、ジェットコースター乗り場へ向かう。


フードコーナーから歩いてそこまで遠くないところに乗り場はある。

けど、この遊園地で1、2位を争うほど人気な乗り場だから、1時間待ちととても混んでいた。


「凛って相変わらず、怖いの苦手なんだねぇ...」

「そんなこと...ないよ?」


待ち時間、琴音ちゃんと話していたら、急にお化け屋敷の話題を振られてきた。

ま、まあさっきのは、うん。何もなかったことに...


「じゃあこれ終わったらまたn」

「ごめんなさい。嘘です。いまだに苦手です。」


本当にもう一回乗るのだけは勘弁してほしいよぅ。

乗らないで済むなら、プライドもクソもないです。


「凛は昔から全然変わらないねー」

「むぅ...子供扱いするなぁ!」


怖いと認めてから、なぜか優しい視線で、頭を撫でられているし、昔から変わらないって何?僕がチビってことですか?


「まあまあ、ごめんね。久々に、凛と一緒に遠出するってなって、凛もそうなんだろうけどさ、私もちょっと興奮してるんだよ」

「そ...そう」


そう言われると、何も反論できないでしょ...

僕だって、楽しみで昨日は8時間しか寝れなかったんだもん。

え?8時間は十分寝てるって?...寝不足になったら思いっきり遊べないから一応ちゃんと寝たよ。


そうこうしているうちに、僕達の番になった。

運良く一番前の席に座ることができて、しばらくすると走り出した。


走り出してから少しすると、このジェットコースターの一番楽しいところにかかった。

急上昇と急降下を繰り返しながら、途中で2回360度回転する。


「きゃーー!!」

「わーー!!」


乗っている間の体感時間は長いけど、実際の時間は多分3〜4分で乗り終えた。


「はふぅ...スリルあって楽しいね!」

「うぅ...私はお昼食べ終わってすぐだったからちょっと気持ち悪いかも」

「じゃあ、どっかで休憩しよっか」

「ごめんね...」

「いいよ。そんなことで怒ったりとかはしないからさ。」


まあ、確かに、並ぶ時間が1時間あったとはいえ、昼食後図s具のジェットコースターはちょっと辛かったのかな?

乗ってる時は横目で楽しそうにはしていたけど...


そうして、休憩していると、だんだんと日が傾き始めてきていることに気がついた。

スマホを取り出して時間見れば、15:40って表示されていた。


もう楽しい今日が終わっちゃうのか...

1日が過ぎるのは早いなあ。

それに、やっぱあのシチュエーションで琴音ちゃんに...


「よし。復活!次どこ行く?」


琴音ちゃんが復活した後は、まったりできるアトラクションを3箇所巡った。

3箇所目を出た後は、空はほとんど暗くなっていた。


「すっかり暗くなったねえ」

「...うん」

「...どうしたの?」

「最後はさ...やっぱり、観覧車に乗ろうよ...」

「...いいよ。行こっか」


琴音ちゃんも、なんとなく、この後何があるは予想がついているみたい。

いつもは琴音ちゃんに引っ張られている僕だけど、こういうだけはせめて僕がやらなとね。


...女の子の姿だけど。



ーーーーーーーーーー

あとがき


少しだけ直しました。

話の流れは全く変わってないです。



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