#05 これってデートなの...? 琴音side
「あれ...私... 確か...」
「あ、琴音ちゃん、おはよ」
「おはよう?」
「ふふっ...僕の膝枕そんなに気持ちよかったの...?」
「膝枕...?あっ!」
寝惚けていた私は膝枕と言われてやっと今の私の状態を思い出した。
「思い出した?膝枕してあげて、頭撫でてたら気持ちよくなったのか寝ちゃって...」
「えっと...それで私どれくらい寝てた...?」
「大体1時間くらいかな」
「えっ」
1時間も寝てたの?
それも、凛の膝の上で?
そう思うだけで、恥ずかしくなってしまい、上に向けていた顔を横に背けた。
「その体勢つらくないの?」
「うーん。琴音ちゃんの寝顔見れたから...だから、全然つらくないよ!それに...そんなに気持ちよかったなら、またしてあげよっか?」
「っ〜〜!」
寝顔を見られた?
以前も何回か一緒に寝たことはあるけど、今回は状況が違いすぎる。
自分でも、顔から湯気が上がるくらい恥ずかしくなっているのはわかる。
「それに...またって...?」
「膝枕...のことだよ」
「ですよねぇ...うん...じゃあまた今度...お願いしようかな?」
「ふふっ。いいよ!」
もう、なんなのその眩しいくらいの可愛い笑顔は。
女子の私から見ても可愛くて見惚れるくらいなのに...
なんか負けた気分になるけど、それが私に向けられているって思うと嬉しく感じた。
その後は、名残惜しい思いを感じながらも、凛とまた明日の予定とか話してから、家に帰った。
♢♢♢
そして、日は進み、今日でテストが終わった。
私の家で勉強する時は、男の子の凛だけど、凛の家で勉強する時は、女の子の凛になってくれる。
今日も、凛と一緒に帰ろうと凛の席に行ったら、学級委員長のちぃちゃんーー
「やぁ!お二人とも、相変わらず仲がいいね!」
彼女は私たちのクラスのムードメーカ的な存在で、明るく活発な女の子で、みんなから好かれている。
「あっ、ちぃちゃん、どうかしたの?」
「今日でテスト終わりじゃん?それで明日だけ、テスト休みだからさ、みんなでカラオケに行こう!って話してて、誘いに来たの」
私たちが通う学校では、テストの翌日が教師たちがテストの答案を採点する日となっていて、その日1日だけは学校がお休みになっている。
「凛、どうする?私は行ってもいいけど...」
「えっと、今回は僕はパスでお願い」
いつもは、こういう集まりがある時は凛も行くんだけど、今回は珍しく行かないらしい。
なんかあるのかな?
「りょーかい。じゃあ、琴音っちが参加で、夢見くんが不参加でいいのかな?」
「...うん」
「ちょっと待って。凛が行かないなら私も今回はパスでお願い」
「えっ、琴音ちゃんは行ってきてもいいんだよ?」
「別にいいわよ。凛が行かないなら私も行かない」
なんか温かい視線を送られている気もするけど...
「相変わらずお熱いねぇ。ま、いいや、とりあえず、2人は不参加でいいの?」
「うん。僕はそれで...」
「私もそれでいいよ」
「りょーかい。ええっと、それだと今回参加するのは...」
ちぃちゃんが主催するのか、参加人数を確認しながら、私たちの元から去って行った。
「琴音ちゃん...よかったの?」
「何が...ってカラオケのこと?」
「そう」
「別にいいよ。いつもは凛が行ってたから、私も行ってただけだしね。このクラスに仲のいい人は何人かいるけど、やっぱり一番気が楽なのは凛と一緒にいることだからね」
「...ありがと」
???
なんで、顔を背けながら、お礼を言われたんだろう?
私は、凛の気持ちがよくわからないまま、いつもと同じように一緒に帰った。
道中、凛は私が顔を向けると何故か顔を背けていた。
♢♢♢
夜、お風呂に入った後に、ベッドに入りながら、スマホを見ると凛からメールが届いていた。
『明日の予定どうする?』
そういえば、クラスのみんなで行くカラオケを断って、凛と一緒にいることを選んだんだけど、何故か帰りはまともに凛と話せなく、明日の予定を何も話さないまま、帰ってきてしまった。
『どうしようか?私は特に予定ないんだけど、凛はなんかあるんでしょ?』
いつもは行くはずのクラスの集まりを断ってたくらいだから、何かしらの予定はあると思っている。
『実はさ、お姉ちゃんが駅前の喫茶店に行った時の帰りに、駅前のガラポンで、隣町にある遊園地のペアチケット当てたらしくてさ、それで、「せっかくなんだから、琴音ちゃんと言っておいでー」って言われたから...一緒に行かない?』
うーん遊園地かー。
私は全然OKなんだけど、凛って暗いとことか絶叫系苦手なんだけど、大丈夫なのかな?
凛が大丈夫って言うなら、私も全然いいんだけどね。
そして、私は凛のお誘いを了承して、明日に備えるために早めに寝ることにした。
それにしても、凛と一緒に遊園地に行くのいつぶりだろう。
確か最後に行ったのは中3の頃だったかな?
♢♢♢
次の日の朝は、楽しみなせいなのかセットしたアラームの1時間くらい前に目が覚めた。
うん、これ結構楽しみにしてるね。
流石にちょっと遠出するって言うのもあって、いつもより、見た目を綺麗にして、待ち合わせの最寄駅へ向かった。
移動時間と開園時間と鑑みて、8時半、駅前集合にした。
駅前に着くとぱっと見、凛の姿が見えず、時計台の目でちょっと待つことにした。
...いつもなら、こう言う待ち合わせの時、凛の方が先にきているはずなんだけどね。
「おまたせ」
その声に振り返ると、めちゃくちゃ可愛くて、どことなく庇護欲が湧き出るような女の子がいた。
ーーーーーーーーーー
あとがき
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