#04 この可愛い娘...誰? 琴音side
昨日の放課後、凛は美玖ちゃんと日和お姉さんと買い物に行く予定があるらしく、一緒に勉強できなかった。
一緒に勉強できないって聞いた時は、やっぱり無理して付き合ってくれたのかと思って、落ち込んだけど、とりあえずはそうじゃなくてよかった。
それに、最後に何か言おうとしてたけど...
その後はちゃんと今日一緒に、お昼から勉強する約束をした。
そして、5分くらい前に凛から
『今からいつでも来ていいよ』
ってメールが送られてきたから、軽く身だしなみを整えて、荷物を整理してから凛の家に向かっている。
歩いてそう時間がかからないまま、凛の家が見えてきた。
久々来たわけでもないのに、ちょっと入るのが緊張している。
家の前に着いて、インターホンを押すと
「はーい、いらっしゃい琴音ちゃん」
「こんにちわ、日和お姉さん。あれどこかに出かけるんですか?」
「ええ、これから、友達と少しだけ遊びにねー。美玖もこれから塾だから、一緒に駅まで行くつもりだから、凛ちゃんとゆっくり勉強していってねー」
「ありがとうございます」
いつもは、凛が出迎えに来ているのに、今日は珍しく日和お姉さんが出てきた。
ちょうど出かける準備をしていたらしいから、タイミングの問題だったのかな?
それに、美玖ちゃんも受験生ということもあってこれから塾に行くみたい。
...凛と2人きりで勉強するのかあ。
ちょっと気まずいなあ...
「もう飲み物とかは、凛ちゃんがお部屋に持っていってたから、そのまま上がっちゃっていいわよー」
「あ、はい、失礼しますね」
そう言われて、勝手知る凛の家の凛の部屋に足をすすめた。
凛の部屋の扉の前までくるとやっぱり、心のどこかに不安があるのか、少し手が震えてしまう。
けど、凛を信じて、扉を開けた。
「え...誰...?」
そこには、凛に似た...いや、本人と言ってもいいくらい顔は似ていて、それなのに、黒に近いけど少し茶色っぽいロングヘアーで胸は絶p...控え目で、そして白いワンピースに薄色のベージュのカーディガンを着た女の子がいた。
ぶっちゃけ言おう。
どタイプだ。
「え...っと、琴音ちゃん...似合ってる...かな?」
「...」
「あれ?おーい」
多分、凛でいいんだよね?
凛(仮)が可愛すぎて、私は完全にフリーズしていた
そんな私を心配してか、凛(仮)が私の元へ寄ってきた
「...凛...なんだよね?」
「うん...そうだよ...」
ってことは本当にこの可愛い子が凛な訳なんだ...
「さっきは聞けなかったけど...えと...似合ってるかな?」
そう言って、目の前で可愛らしく身長的に上目遣いをしながら首をコテンと傾げる姿を見て
「う...うん...めちゃくちゃ可愛いよ!」
「うぅ...恥ずかしい...けど、よかった」
え、何この可愛いを詰め込めた生物は?
少し顔を赤らめて下を向きモジモジする姿って...
...なんか女子力で負けた気分なんだけど。
それに、私は女の子が好きだったはずなんだけどな...
「もしかしてさ、凛って本当は男の子じゃなくて女の子だったりする?」
「そんなわけないじゃん!僕はちゃんとした男の子だよ!」
「うんうん、そうなんだね。でもその姿で言われても全く説得力ないよ」
「うぐっ...」
まだ悶絶しそうな私はできるだけ、それを表に出さずに気になったことを聞いてみることにした
「でもなんで急に女装したの...?」
「えっと...一昨日、琴音ちゃんの家で見た漫画が女の子同士だったから、琴音ちゃん女の子が好きなのかなって...それで、美玖とお姉ちゃんに頼んで可愛くしてもらったの...」
「そうなんだ...私としてはものすごくタイプなんだけど... 凛が無理する必要はない...よ?」
「ものすごくタイプなんだ...」
「う...うん」
「別に...無理は...してないよ。それに、ちょうどテスト中が琴音ちゃんの誕生日でしょ。その時期にやるのは気が散るかなって...」
「そっか...ありがと」
今年は運悪く、定期考査中に私の誕生日がある
その時に、こんな格好されたら、当然気が散ってしまう
こんな可愛い凛をもっと見ていたかったんだけど、それは凛によって打ち砕かれた
「それじゃ、勉強しよっか」
「...え?今日はもうこのまま凛をお持ち帰りしたいんだけど...ダメ?」
「うっ...うぅ...ダメ!とりあえず勉強しよ!」
「うぅ...凛が鬼だよぉ〜」
「うぐ...その代わりなんだけどさ...勉強頑張ったら...えと...なんか1つお願い聞いてあげるよ...?」
「今すぐ!勉強しましょう!さあ、すぐに!」
「えっ...ちょ!わかったから押さないで!」
ふふふ...私のお願いを1つ聞いてくれるのなら話は別。
これはもう今すぐに勉強を頑張って終わらせて、凛を堪能したい!
え?さっきまで勉強する気なかった?
そんなの関係ない!
人間は誰しも現金なものだよ。
♢♢♢
私が勉強に対してやる気を出した後大体3時間勉強した
「ふぅ〜...頑張った」
「琴音ちゃんお疲れ様」
「凛もお疲れ様」
「えと...それじゃあ...なんかお願い1つ、僕にできることなら応えてあげるよ...?」
「本当っ⁈」
「う...うん」
凛にできることでしょ...
流石にお持ち帰りはできないだろうしなあ。
ここは、やっぱりあれにしてもらおうかな?
「それじゃあ...膝枕しながら頭撫でてもらっていい」
「しょ...しょうがないなぁ...」
「やった!」
「わかった...それじゃ、ほら...おいで?」
「お...お邪魔します...」
私は、ドキドキしながら、ベッドの上に座った凛の太ももの上に頭を乗せた。
すると、凛は私の頭をゆっくりと撫でてくれた。
本当に凛は男の子かって疑うくらい女の子っぽくて...
「どう...?気持ちいい?」
「はふぅ...もう、本っ当に最高だよ!凛...ありがとね」
「いいよ」
「もう...少しだけ...このま...までもいい...?」
「あれ?眠くなっちゃったのかな...?このまま寝ててもいいよ」
「眠く...なんか...ない...」
「おーーみ。ことーーんーーだーーだよ」
「すぅ...すぅ...」
凛に膝枕をしながら頭を撫でてもらうのが気持ち良すぎて、私はゆっくりと自然に眠りに落ちた。
そのせいで、凛が最後に言ったセリフが聞こえることはなかった...
ーーーーーーーーーー
あとがき
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