第4話 売り主と買い主との間の大きな『認識のズレ』

[注意!独断と偏見を多分に含んでいます。悪しからず。]


リクエストいただいた訳ではありませんが、コメントをいただきました。

そこでのやり取りにて、改めて気付かされた事が有りますので、先にこのテーマで執筆いたします。


いきなり大前提の話。


日本の木造住宅の耐用年数は•••なんと驚きの22年!



ライフスタイルの変化や、世代交代の際の好みの違い等から、昭和と平成の家造りは約30年サイクルでのスクラップ・アンド・ビルドが主流でした。


その間、日本は主に東南アジアで乱伐を繰り返し、多くの熱帯雨林を丸裸にしてきました。

その為、現在は東南アジア各国で丸太の輸出規制をしています。


最近はSDGsがもてはやされて、長持ちする家造りを標榜ひょうぼうする建築メーカーも増えました。


しかし、現実には、建材メーカー•建築メーカー•建築士•職人などの売り主側の住宅建設業界では、未だに「30年持てばいいや!」という認識がはびこっています。


木造住宅の耐用年数は22年というのが根底に有るからではないでしょうか?



それに対して、買い主側のユーザー認識はどうでしょうか?


[家]は『一生もつものである』•『せめて自分や連れ合いが生きている間はもってほしい』という認識の元に、新築•購入される方が大半だと思われます。


売り主と、買い主による『当たり前』の違いによる、決定的な『認識のズレ』


この『認識のズレ』がユーザーに不幸をもたらします。


現在の日本人の平成寿命は、男性81歳、女性87歳です。


平均寿命を全うするまでの期間を男女の間をとって、84歳を基準として計算してみます。


新築の木造住宅を手に入れた年齢が、

50歳の場合、残り34年

40歳の場合、残り44年

30歳の場合、残り54年

となります。


いかがでしょうか?


売り主側の住宅の寿命の想定、設定が3、40年だった場合、

購入時期によりますが、買い主様ご自身が天寿を全うするより、遥か前に、住宅の寿命が尽きる可能性が有ります。


不動産会社で家を購入する場合も、建築メーカーで家を建ててもらう場合も、建物の寿命の話はほとんどされません。


『認識のズレ』はそのままに、購入手続きは済んでしまいます。


実際に、35年ローンで購入した家がローンを完済する前に建て替えを余儀なくされる例が、増えてきています。


高所得層以外には、せっかく購入した家が、ご自身の想定より早く住めなくなる事は、生活をしていくうえで死活問題となってしまいます。


この『認識のズレ』を、一人でも多くのユーザーの方が理解されてから、家造りを始められることを切に願います。

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