23話『幕開け』

 ゴールデンウィークが明けたその日。翔は電車に乗っていた。混み合う電車の中で吊り革に掴まる事二十分。乗り換えて到着したのは新宿駅だ。


 電車から人がバタバタと吐き出され、到着の靴音をコツコツ鳴らす。翔は迷うことなく改札を出て、次の電車に乗る。目的地は都庁前駅。


 そこからさらに数分歩いた場所が、今日から翔が入職し働く事になる場所だ。その場所までの道のり、翔は不安とやる気などを織り交ぜて、それを意気込みに変えていた。


 サラリーマンやウーマンが行き交う中を翔は進む。


 新たな日々の幕開け。新たな時代の幕開け。新たな世界の幕開けを祝うように、天道は青々としている五月の事。


 一人の少年は、やがて行きつく真実を知る。


 そして、決断を迫られる。この世界の在り方についての決断を――。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る