幕間4『タカの眼』
凛が帰って行った一之瀬家。それを一人の男が双眼鏡で見つめている。
その男は、一之瀬家からかなり離れたマンションの屋上で、一之瀬家を覗いていた。
ガムを噛みながら双眼鏡で覗く男は、ふとこんな事を漏らす。
「やっぱりハズレかなぁ」
違うのか、違わないのか。それだけを観察している男は「ふぅ」と溜息を零す。
男がある人物から聞いた話いわく、名も知らぬ少年か少女が何かを持っているとの事だ。しかし、その気配は全く見て取れない。
この家で事件が起きた後からずっと見張っているが、今の所収穫はない。
収穫なしで報告するか、それとも収穫があるまで粘るか迷うところだ。
そんな事を考えながら、男は一之瀬家を見張り続ける。このガムが全部なくなるまでは、鷹のように獲物に気を配らないといけない。
それが、男に与えられた任務でもあるからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます