第8話 再会
ばかばかしい、ウソかよ。何だよ死ぬってあの爺。変な話しやがって。威厳ある猫だなんて前は思ったけど、アホ猫だったとは。なんか騙された。
五丁目に向かうダリア。
でも、もうどうでもよくなった。自分の目的はなんだったのだろうか。ああ、なんか変な気分だ。あの老猫のせいだ。
この家だ。立派な家だな。でも、あいつに会うのはもういいや。勝手に幸せになってくれっと。
ダリアは飛んだ。
しばらくぶりだった。これまでにないくらい高く飛べた自分にびっくりした。なんだ意外とまだ身体の調子は良いじゃないかと笑った。
ミャーーー。突然の鳴き声に振り向いた。
バショウがいた。よくテレビでみていたバショウだ。
「兄さん。」
その猫はダリアをしばらく見つめた後、駆け寄ってきた。
「やっぱり兄さんだ。その毛並み模様。さっきの飛躍。そうだよね。ずっと会いたかった。」
ダリアは、ニャーーと奇声をあげて、バショウにとびかかった。
もつれあう二匹。
じゃれあう姿は子猫たちのようであった。
-完-
僕はあの猫を殺すことにした。 @Ascend55
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