第7話 新作定規

 このほど文房具メーカーより新作の定規が発売された。その名も曲がる30センチ定規。ぐねぐね曲がるその定規は円や球、その他の場所でもきっちり表面の長さを測る事が出来る。


 例えばいつも家にある茶筒のぐるりを計ったり、サッカーボールのここからここまでの長さを計るのにとても便利だ。


 文具メーカーはこれは売れると満を持して発売に乗り出した。


 結論。必要とされなかった。

 そのような曲がった場所の長さをはかる道具こそ必要とはされ中都のだ。メーカーは身体のあちこちを計る為に1メーター曲がる定規も用意しようしたが、それなら巻き尺でよろしかろうという結論に達したのである。


 発想は良くても必要とされない品物の代名詞になったのである

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