第6話 ニヒルに決めたい暗殺者

 暗殺者アサシンとしては既に1級暗殺者検定に合格している俺としてはしっかりニヒルに決めたいものだ。

 ダーン!

 今日もしっかり依頼の要人をこの世から消し去った。うむ、やっぱりこの瞬間ってたまらないよな。思わずニマニマしちゃうよな。

 いやいや、ニヒルにな、ニヒルに。

 頭でニヒルにとは言いながらも口元が弛んでどうしようもないぜ。


 ニタニタ顔をしながら現場を去る俺は日本暗殺者協会東日本支部に向かい、暗殺修了報告書に必要事項を記載する。

 まあ事務処理は苦手だが、2時間も書類と格闘すれば何とか書けるものだ。

 あれ?こうていってどう書くんだっけ工程?皇帝?肯定?校庭?どれだっけ?

 スマホで漢字はすぐに出るけど、どれを使うのか良く分からないや。

 あ、肯定か。やれやれ全く大変だぜ。

 

 その後は暗殺者仲間がよく居る赤提灯でおでんをつまみに一杯だ。

「かんぱーい!」

 ワイワイの賑やかな暗殺者仲間。

「SSの部長がさぁ」

「ロシアで囚われの身になったよ怖い怖い」

「今回は暗殺失敗だぜ。仕方無いよな」

 共に暗殺に励む暗殺者仲間とやいのやいの楽しくと過ごす。

 

 俺も勤続間も無く10年。10年表彰は楽しみだが、そこにニヤニヤしていてはいけない。

 ニヒルに決めたいのだから。



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