第5話 決戦決せん!関ケ原

 戦国武将達が東西に別れて大決戦をした関ケ原の戦い。これを歴史新報という新聞が書いているので見てみよう。


 決戦が昼近くになった頃、石田三成が自身の参謀と頼む島左近に聞いた。

「勝つであろうか」

 島左近が答えた。

「勝つで御座ろう」

 その時近くに待機していた活田蓙郎ござろうという足軽が反応した。

「は。お呼びでしょうか」

「いや、お前など呼んでござらん」 


 ここで橙武将の大野治長が噛みついてきた。

「では御座ろうとは何にて御座ろう?」

 これに宇喜田秀家が答えた。

「ふむ。蓙を敷いた牢獄やも知れぬ」

 更にキリシタン大名の明石全澄が被せてきた。

「ばいぶるに書いてあるgoes arrowの事やも知れぬ」

 石田三成が居る本陣陣屋が騒がしくなる。


 そんな様子を遠くから見ていた小早川秀包が、口先だけの小競り合いの仲間に入れて欲しいと陣屋に向かった。衆を頼めば仲間に入れて貰い易くなると、全員で押し掛けた。

「おーい!俺もその言い争いの仲間に加えてくれー」


 その瞬間を徳川家康が見逃す筈はなかった。

 小早川軍に背後から襲いかかり、そのまま1日の内に勝利した。

 

 この時討ち取られた島左近は薄れ行く意識の中でこう思った。

「まだ、続きがあるのに」




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