第2話 楽しい病院
病院の雰囲気の重苦しさは異常だ。あの中に居るだけで病気になりそうになる。
そのような状況を打破すべく唐草県瀬戸物市のとある病院の取り組みが話題になっている。
総合病院の入口を開けるとそこはカラフルで患者によるイラストコンクール入賞作品や手芸が展示され、受付の事務員さんはメイド服姿でお出迎えだ。
「まあお帰りなさいませ旦那様、本日は如何なされましたので?」
受付事務員の丸森佳乃さん(53)は、メイド服とは言ってもフリル少な目な、ロッテンマイヤーさん風な衣装に身を包み、出迎える。
そこに遠くで放送がかかる。
「イェーイ患者の皆元気かな?さーて652番の番号札を持ってるそこのキミぃ、6番整形外科に入っててくれよな!皆で楽しく仲良く順序よく行こうぜ~」
ラジオDJ風である。
こうなるとドクター達も負けてはいられない。第一外科部長の霧ヶ峰パラントロ医師は頭に被り物を乗せての医療活動だ。
「病院一丸となって楽しいを演出する。些細な事でも良いではありませんか」
そう真摯に、真顔で語るその頭に落武者の被り物が乗っている。
真摯に真面目に語る不謹慎な落武者にはなんとも笑いがこみ上げるが、本人達は真剣である。
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