第3話 風船旅行
腰が痛かったので立ち上がる事も辛かった。もしかしたら風船を付けて身体を軽くしたら楽になるかも知れないと、風船を取り付けた。
そうしたらふわふわふわり。空を飛びだした。
仕方無い。今から空の旅でもするか。
空には空で沢山の楽しい人々が居るものだ。最初に会ったのは男爵翁だ。
男爵翁は鴨を沢山捕らえて空の旅をしている。
「おーいキミ、なかなか歌舞いておるな。まさか風船で空の旅とは思わんだぞ」
「いや。これは不慮の事故でして」
「全く奥ゆかしいのう。ハハハハ」
男爵翁は鴨を引き連れ遥かに速いスピードで飛んで行った。
次に来たのは空中パトロールだ。
「風船旅行とは粋ですが、この先にいたずらカラスが居ますので気をつけてください」
「気を付けるってどうやって」
聞いてしまうのも仕方無い。風船は風の吹くまま気の向くままだ。
そこに噂のいたずらカラスが来るのはほんの少しの間だった。
カラスは風船をつついて割ってしまう。少しずつ落ちて来た。
本当なら地面に落ちる所を木に引っ掛かってそこで止まった。
ちょっと降りる事が出来ない。
そこにメイドさんがやって来て声をかけてきた。
「空を風船で旅行した愉快な英雄殿、伯爵様があなた様を屋敷に招待したいとの事です」
はあ。伯爵様が。随分遠くまで飛ばされたものだが、木からの降り方が分からない。ちょっと今困っている
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