第98話 スリーアウトでチェンジ*

「朱鷺保護の会とかは?」


「野鳥の保護活動かよ!?」


「朱鷺と愉快な探索者達とか?」


「だから、何で俺の名前を入れるんだよ!」


「トキのための特殊部隊だから?」


「ちげぇし!建前どこ行った!?」


「ニッポニアニッポン」


「朱鷺を学名にしただけだろ!」


「クレステッドアイビス」


「朱鷺を英語にしただけだろ!」


「2人共じゃれてないで、真面目にやれ」


「いや~トキが打てば響くように答えるから、ついつい」


「コーチャンが楽しそうだから、ついつい」


「お前たち本当の兄弟みたいだな?部隊の名前なんて後からでいいだろう。検証はもういいのか?」


「ふふふ兄弟だって。パパから御墨付きを頂いたね!検証はまだあるよ」


「パパ、隠し子ならママには内緒にするからね?」


「パパはやめろ。俺は桜一筋だ。早く検証を続けろ。まだやる事はあるんだろ?」


「ラブラブ蓮さんが言うなら仕方ないな」


「ラブラブ父さんが言うなら仕方がないね」


「お前ら…」


 残りのB~Aを開けたよ。


「Sが出たか」


「出ちゃったね」


 ギルドの情報にないアイテムをガチャミに確認しておく。


「とりあえずこれも保留になるから、次は職業ガチャとモンスターガチャを、1回ずつして欲しい」


 …えぇ?マジか…

 

「じゃあ職業からやるよ」


 Jガチャチケット[E]でポチる。

 カプセルはDだな。

 これは開けて良いの?


 ガチャミの手の中にコロンと現れた丸い物体。


 ストレージの内容はジョブチョコ1個で分類は職業でランクCだった。


 出して貰った青い丸チョコ…これアウト!

 口で溶けて手で溶けないって、絶対アレだろ?!


 気を取り直してガチャミにジョブチョコの説明を聞いた。


 職業:錬金術師 ★★★

 備考:スキル錬金術を覚える。

   魔力と知力が上がりやすい。

   どんな物質も造り出せる職業。


 ほほう…金を造ってガッポガッポだね?

 いや今の世の中、オリハルコンやアダマンタイトの方が高価だけど。


 コーチャンがニッコリと保管の指示。


 では、嫌な予感…いや、良い予感?

 何か複雑な感覚がするな。


 父さんをチラリと見るが、ニヤニヤしてやがる。


「じゃあモンスターガチャやるよ?ホントにやるよ?」


「ほら、時間がないからサクッとやっちゃいな」


 もう、コーチャンまでニヤニヤして!


 Mガチャチケット[C]でポチっとな。


 カプセルはBだった。

 うわ~このパターンか…

 ふぅ……それじゃあ開けるよ?


 ガチャミの手の中に現れたのは…丸い玉?

 チョコより大きいみたいだけど、何か嫌な予感。


 出して貰ったら、ツートンカラーのボール。

 アウト!絶対アウト!

 デザインが違う?縦に割れるからOK?

 いや、見た目だけでは縦か横かわからないだろ!

 これ●ケットに入るモ●スターだろ!?


 デザイン変更が出来る?

 なんそれ!?

 そこだけ変な設定があるのが謎過ぎる…


 とりあえず無難だと思われる、白1色でボタンが魔法陣みたいな六芒星のデザインにした。

 なんで桃とか竹の絵柄があるのかは、つっこまない。

 ★が四つのデザインとかも見なかった。


 ストレージの内容はモンスターオーブ1個で分類は魔獣でランクはAだった。


 ボールじゃなくてオーブだからセーフなのか?


 オーブの説明を聞きたくないけど聞いたよ。


 名前:クリスタルドラゴン(子)

 性別:雌

 備考:クリスタルドラゴンの子供。

   透き通る鱗が美しい竜。

   子供の時は羽毛がある。

   魔法に長けた種族で人語も得意。

   成長すれば竜帝にもなれる。


 ドラゴン……

 はわわ………マジで?


 竜帝ってカイザードラゴン?

 つまりクリスタルカイ……これは完璧アウトだろ。


 取り出してって、本気?


『おいガチャミ、モンスターは取り出したらどうなるんだ?』


『普通にポポンって出るよ~?』


『いや、そうじゃなくて、餌とかトイレとかの、世話がいるのかどうかだよ!』


『えとね~?オーブに戻してストレージに入れとけば~必要ないよ~』


『なら出してる時は、食べたりするんだな?』


『そだよ~餌は魔力だよ~魔力があれば魔石でも何でも食べるよ~』


 なるほど、魔石ならなんとかなるな。

 トイレは必要ない?マジで?

 全部魔力に変換するから?

 へぇそれは助かるね。


『他に注意する事はないだろな?凄いでかくて潰されるとかさ』


 子供だから俺でも抱っこ出来るけど、進化したら凄く大きくなる。

 でも魔法で小さくなれるから大丈夫?


 なら出しても大丈夫だな。


「よし、そっちに出すからね」


 クリスタルドラゴン、君に決めた!

 あ、反射的に出てしまった。


 オーブのボタンを押して投げる。

 ポポンと弾けて黒い影が飛び出してきた!

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