第66話 記者会見と笑顔の圧力
「え~それでは本日のワールドアナウンスについての会見を行います。まずは日本ダンジョン探索者協会より、説明と注意事項と今後の方針について述べますので、ご質問はその後にお願いいたします」
パシャパシャとカメラのフラッシュがたかれて眩しそう。
要約すると、ステータスの追加項目は職業変更で、職業をタップすると現れる事。
職業名を長押しすると、簡単な説明が見られる事。
職業は変更すると、24時間経たないと次の変更は出来ない事。
職業によっては、二度と変更出来なくなったり、自我を失くすものがある事。
特に凶や狂や夜叉など、悪いイメージや、不穏な言葉が付く職業は注意する事。
不明な職業については、迂闊に変更をしない事。
持っている職業や称号については、不用意に周囲に喋らない事。
今後の方針として、明日からステータス獲得者全員の、職業と称号のギルドへの申告を義務化する事。
それに伴い、ギルドカードの仕様変更がある事。
スキルと同様に、職業にも制限と罰則を設ける事。
ダンジョンに入る場合は、職業と称号の申告を終えている事。
明後日の月曜日から1ヶ月間は、ステータス獲得とF級の講習が中止になる事。
明日から1ヶ月間は、ギルドの申告窓口の受付時間を延長して7時~19時までになる事。
その後は進捗状況によって期間を延長するか決める事。
2ヶ月以内に申告がされなかった場合は、罰則も検討する事。
申告出来ない事由がある場合は、ギルドに申し立てする事。
海外在住の方は、日本ギルド海外支部または世界ギルドで申告をする事。
途中で勝手に質問してた人がいたけど、怒られてた。
質問は後からって言ってるのにね。
質問タイムになって、なんで24時間ってわかったのかとか、自我を失うとどうなるのかとか、二度と変更出来ないのは何故とか、悪い言葉の根拠はとか言われた時は、ドキッとした。
横の2人とコソコソ話してから、全部スキルに関係するためお答え出来ませんって言ってたけど。
毎回コソコソする必要あるんだろうか?
納得いかないって食い下がる人もいたが、弁護士っぽい人にスキル情報は法律で保護されてるので、貴方の質問は法律違反になるって言われて引き下がってた。
制限と罰則って何かって質問には、現状ではスキルの制限と罰則に準じるが、それで対応出来ない場合は、別途に決めるとの事。
それに関連して次の事も伝えられた。
職業に危険なものがあるだけでは、制限は行うが罪にはならない事。
職業名が明らかに危険なものをセットすると、罰則がある事。
間違ってセットした場合は、速やかに申告すれば対応する事。
黙って危険な職業を使用し、職業変更で別の職業に変えて誤魔化した事が発覚した場合は、厳罰がある事。
全員の2ヶ月以内の申告は無理じゃないかって質問には、政府に協力を申請中なので、一緒に全力で対応しますとの事。
協力がなくて申告が間に合わない時は、政府のせいだよという圧力を感じた。
ふと、早良さんがニッコリ笑ってお願いすれば、政府のお偉いさんも快く協力してくれそうだと思った。
あの笑顔の圧に逆らえる人は、なかなかいないと思う。
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