第61話 血は争えない
テレビをつけると、ニュースで今日のワールドアナウンスについてやってた。
15年振りの大幅なシステム更新だとか。
あの時に更新された内容は、アメリカにランクSダンジョンが現れた事によるものだったとか。
他にも、ダンジョンを消滅させなくても人口の減った地域のダンジョンが消える事があり、代わりに人口の多い地域にいつの間にか増える事が、アナウンスされたとか。
そんな感じで、ワールドアナウンスの種類やら流れる条件だとかの予想を専門家がアレコレ言ってる。
海外では称号が出た人のニュースが話題にとか、職業変更でこんな職業があったとか言ってる人のインタビューとか、日本より個人情報の扱いが緩いよね。
コメンテーター紛いのアイドルが、あんな職業やこんな称号があればと盛り上がり、専門家が称号や職業については解っていない事も多いから、いい加減な事は言うなと、アイドルに苦言を呈する茶番劇を見せられ、アナウンサーが危険な職業もあるかもしれないから、気を付けたいとまとめる。
その後に、午後8時からギルドの記者会見が行われると締め括られた。
やっぱり職業変更に気付いた人はいるよね~。
ニュースで知った人が増えたら、その内にワールドアナウンスも出るんじゃない?
「おぉ、これで職業変更が出来るんだな」
爺ちゃんの呟きに、隣を見る。
どうやらステータスを見てるらしい。
空中を指で押してる…
ってヤバい!
「爺ちゃん!職業変えたらダメだよ!」
「なんじゃ朱鷺、驚かすな」
俺が大声で止めたから、ビックリした顔でこちらを見てる。
「ごめん爺ちゃん。でも重要な事なんだけど、職業変更しちゃった?」
「いや、まだしとらんよ」
ホッ…爺ちゃんなら絶対にヤバい職業持ってそうだから、下手に変えたらとんでもない事が起きそうだもんな。
「なんじゃ?職業に何かあるのか?」
ん~これって言っても大丈夫かな?
契約魔法の警告が鳴らないから、大丈夫そうだな。
「1回変えたらすぐに次の職業に変えれないし、職業によっては、自我を失ったりするみたいなんだよね」
「本当か?朱鷺は何でそんな事を知っとるんな?」
ヤバッ、契約魔法の事は思い出したけど、何で知ってるかは考えてなかった!
スキルやガチャミの事は言えないし、どうしよう?
冷や汗を流しながら言い訳を考える。
「ほら、今日はステータス獲得でギルドに居たから、たまたま聞いたんだよ」
「ほう、ギルドはそこまで確認しとったか」
不思議そうな爺ちゃんに焦る。
「そうそう、凄いよね、流石はギルドだよ。記者会見で詳しく言うんじゃない?」
うん、ギルドは凄いって事で…
俺のスキルを調べて判ったとか言えないから。
爺ちゃんがジッと見てるけど、そう言う事にしとこう。
「まぁ、そう言う事なら、光や
何か納得したのか、頷きながら姉ちゃんと父さんの名前を出す。
「あ、そうだね!これは早く連絡しておかないとだね!俺から連絡しておくよ」
爺ちゃんからの追及がなかった事に、安堵しながらスマホを取り出した時に、父さんの声がしてリビングに入って来た。
後ろに姉ちゃんもいる。
「ただいま~!皆揃ってるね!」
「「おかえり」」
爺ちゃんと俺が話してる間に、一緒に帰ってきたみたいだな。
「パパも早くそっちに座って!朱鷺、今日のステータス獲得どうだった?あ、やっぱり後で聞くから今はいいや。ほらほら、もっとそっちに寄って!」
流石に従姉妹だよな、マス姉と同じでマシンガントークのスキルでもあるのかってくらいの早口だよ。
やたらと上機嫌な姉ちゃんに嫌な予感がする。
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