第20話 ハイテクファンタジー
「ステータス獲得通知書に同封されていた登録用紙と保護者の同意書はお持ちですか?」
最初から探索者登録をする予定だったので、書類は全て記入済みだ。
「きちんと記入されてますね。特例法による登録は義務になるため、今回の登録費用は必要ありませんので、ご安心下さい」
ラッキー!登録費用も用意してたけど、お小遣いが増えたよ。
それから端末を取り出した早良さんは、登録用紙の内容を読み込んだり、俺の証明写真を撮影したり色々してから、取り出したカードを端末に差し込んで魔力登録するからと、指のマークの所をタップさせられて、ピカッと一瞬光ってカードが押し出されてきた。
「これで探索者登録は終了です。こちらが八女様の登録証(カード)になります。使い方はわかりますか?」
知ってますと答えながら、手渡されたクレジットカードサイズの登録証の中央付近を長押しする。
プラスチックっぽい手触りだけど、
運転免許証の様な感じに名前、住所、生年月日、有効期限、長い番号や所属ギルドの名前があり、免許種類にあたる箇所にF級(特)とある。
(特)は特例と言う意味だそうな。
そして右側にさっき撮影した写真が載っている。
うわ何か眠そうと言うか幸薄そうな雰囲気の写真だな…スキルに幸運があるように見えない。
半目な感じがダメなのか……早良さんの眩しさが原因だわ。
これをダンジョン前で提示しないと入れないから、携帯用のホルダーなんかも売られている。
「裏側には表示したいステータスの設定が出来ますので、設定されたい場合はギルドに申し出て下さい。もちろん表示されなくても構いません」
カードにステータスを表示するのは、クラン加入やパーティーの募集時に便利だからだ。
ステータスオープンは何もかもが表示されてしまうため、レベルや使えるスキルを設定してアピールするのが常識だ。
あと企業によっては特定のスキルを求める事があるから、就職活動にも必要だったりするため、探索者登録をしなくてもスキル証明書を発行して貰えるけど。
持ってるスキルで差別するのはどうだとか人権団体が騒ぐ事はあるが、資格や免許を持つ人を求人するのとスキルも変わらないとされている。
特に探索者は命懸けの職業だから、言葉だけだと信用されないし、信頼出来ないメンバーとダンジョン攻略なんて自殺行為に等しいからね。
ゲームなんかだとパーティーを組むとHPやMPやバフが見えるとかもあるけど、そんなご都合主義は存在しなかった。
ちなみに等級だが、最初は全員F級からスタートする。
F級は見習い探索者なので、ギルドの講習を受けてE級に昇格しないとダンジョンに入れないため、本当の探索者はE級からである。
講習でダンジョンに入るから、全く入れない訳じゃないけど。
生存率を上げるために、最低限の知識とスキルの使い方を覚えておく為なのだが、この講習で探索者になるのを諦める人もいる。
モンスターが動画で見るより実物は恐かったとか、生き物を実際に殺す感触がダメだと言う人もいる。
まぁ戦闘系のスキルがない人でも、お試し感覚で安全が確保されてる講習を受けるから、皆が諦める人じゃないけど。
ただ探索者を増やしたい国が税金などの優遇措置をしているし、C級までいけば普通のサラリーマンより余裕で稼げるので、探索者は人気職でもある。
あとはカードにはキャッシュカードやクレジットカードと同じ機能がある。
ギルドの報酬や買取代金を直接預ける事が出来るし、買い物にも使えるとか。
このカードは持ち主の魔力に反応して表示されるので、魔力を流さないと他人に見られる事はないとのこと。
一部を見せたい場合は、表示したい項目をなぞって魔力を流すとそこだけ文字が浮き上がるハイテク|魔道具《マジックアイテム|だ。
なので無くした時は、再発行手数料に5万円が必要なので注意して下さいと。
所属だけは表示されてるので拾った人が近くのギルドに届けてくれれば、ギルドから返却されるため、落としたら暫くは再発行せず見つかるまで待つ人もいる。
無くした時は早めにギルドに連絡して下さいとのこと。
じゃないとカードが届けられたとしても連絡しないそうです。
一定期間取りに来ない時や、再発行された後だとカード情報をリセットして再利用に回されるけど、手数料は戻って来ない。
C級以上の探索者だとカードが無くてダンジョンに入れない方が痛手なので、さっさと再発行する人が多い。
ギルド公式ホームページの探索者マイページを登録すると、PCやスマホから残高や入出金履歴も見られるそうだ。
有効期限を過ぎるまでに更新手続きをしないと探索者登録を抹消されるとか。
等級によって有効期限が変わるとか。
探索者登録を抹消されたらカード機能停止になるとか。
そんな話しをしてたら、ドアがノックされてサブギルマスが戻ってきた。
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