第18話 契約魔法とイケメンは光るものなり
俺がSGR…じゃなくて早良さんを見つめたままポケ~っと考えてると。
「どの探索者に依頼するかは、スキル検証時にその都度決める事も出来ますので、とりあえず保留にしておいて大丈夫ですよ」
探索者の立ち会いは、基本的に危険から護る意味合いが大きいので、実力者であっても護衛に向かないスキルの探索者は指名出来ないし、スケジュールが合わなければ違う人に依頼する場合もあるとの事。
そりゃそうか、B級以上って事は依頼も殺到するし、ダンジョン攻略とか下手したら月単位で潜ってる事もあるもんな。
ギルドの職員も他の仕事もあるだろうし、サブギルマスなんて普通は忙し…忙しいよね?
身体強化特化だと、何が起きるかわからない状況では対応が難しいし、スキル能力を把握してる探索者でないと依頼も出来ないしで、これは確かに人選も難しいわ。
俺はとりあえず保留でと頷く。
「他に質問がなければ先に契約魔法の手続きをしたいのですが、副支部長よろしいでしょうか」
例の端末を出して、机に置きながら早良さんが隣のオッサンに目配せする。
「あぁえと、その、うん。良いんじゃないかな」
ずっと黙ってたオッサンは自分に振られると思ってなかったのか、ワタワタとしながら同意する。
このオッサンはずっと俺を見たまま、何やら嬉しそうに微笑んだりと不審者丸出しなので、俺の精神衛生的にも極力、視界に入れないようにしてたんだよね。
きっと早良さんも気付いてて完全に無視してたんだろうけど、このタイミングで声かけるのも計算なのか。
うん。薄々わかってたけど、サブギルマスは残念属性の
「では、こちらの契約内容をご覧ください」
端末に表示された、よくある契約書の甲乙的な事が書かれた書式の内容は、さっき説明された特例法の内容と似た感じで、内容を読んだら各項目の"同意しました"のチェックボックスにレ点を入れていくようお願いされる。
ちょっと気になったのはギルドの許可なく特例法に定めるスキルを使用しないって項目だな。
だってスキル名から想像するに、アレがあるなら絶対に使用したくなると思うのに、その都度ギルドに来ないと行けないのなら厳しいよなぁ。
俺が
俺は開かないよ?それなら
いやどっちも開かないけど、見ちゃうのは本能だからね?
「えと、ギルドの許可が貰えないと使えないなら、毎回ギルドに来ないといけないのかなと思って」
「ああ、これはスキルを使用しても問題ないと確認出来れば、色々と条件もございますが使用許可は出ますよ」
しかし結局は問題ないと検証されるまで使えないって事か。
ふんふんと考えながら他の項目もチェックしていく。
その他はちょっと難しい言い回しとか漢字の読み方を聞くくらいで、後は契約違反した時の罰則とかあるけど、違反しなきゃ問題ないからと最後にサインを入れる。
続いて早良さんと副支部長がサインする。
早良さんって
ツルピーは
子供の頃から厳つい訳じゃないから、
そうして早良さんが端末を操作したと思ったら、画面がほわわ~んと光り出してキラキラと光の粒が会議室に降り注ぎ
「これで契約は完了しました。契約書の内容を確認したい場合は、"コントラクト"と念じて下さい」
心の中で念じてみたら、ステータスみたいな半透明の板が出てきた。
これが魔法による契約か。
ハイテクな魔法ってなんだかな~。
やっぱ羊皮紙的なアレに魔法陣で契約したら燃えてなくなるとかロマンじゃないか。
端末で魔法が使えるとか、どうやれば出来るのか想像もつかないけど。
ま、ステータスもハイテクファンタジーって感じだから今更か。
兎に角、契約は成立したので違反すると魔法が発動して拘束されたり、悪質な違反の場合は問答無用で天罰が降るので気をつけなきゃ。
いや本当に、天罰としか言えない事が起るんだよね。
契約に抵触する行為や違反しようと意識したら、最初は警告音が鳴るので、そこで止めれば大丈夫だから、いきなりズドンとは来ないので安心して下さいだと。
契約魔法のランクによって出来る事が変わるんだけど、ギルドの契約は最高クラスの魔法で最悪は死もあり得るため、よほどの事がないと破られない。
簡単に違反されたら意味ないものね。
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