第16話 サワラー爆誕
冷たいお茶を飲んで落ち着こう。
カラカラと氷の涼しげな音とは裏腹に変な汗が出てきた。
向かいの
早良さんだけが優雅な姿勢で座り、ストローを使って飲む様子は、まるでアフタヌーンティーを楽しむカフェのよう。
やがて皆が落ち着いたのを見計らった様に、早良さんが説明を始める。
「まず今回のステータス獲得についてですが、世界ギルドのデータにないスキルの確認がありましたので、その件でスキル特例法が適用されます」
おぉ、早速きたよユニークスキルの事だな。
スキル特例法って何だっけ?高校で習う範囲かな。
「スキル特例法とは"ステータス獲得ならびにスキル獲得におけるスキルの使用及び情報規制等の特例に関する法律"と言うのですが、長いのでスキル特例法や特例法で通っています」
わ~完璧に法律の名前言えちゃうとか流石は早良さん。
もう俺もサワラーになろうかしら。
「ザックリ言いますと、ギルドが把握していないスキルを発見または登録された場合に使用制限と情報規制がかかります。今回の場合は【ガチャ】ですね」
一瞬チラッとサブギルマスの方を見てしまう。
「あぁ心配いりません。こう見えても副支部長ですからスキル登録資格はありますので、スキルの情報を漏らすことはありません」
まぁステータス情報を扱う場所のトップが情報ペラペラ喋れるなら、スキル登録資格の契約魔法の意味がないよね。
「使用制限と情報規制ってどんなのですか」
せっかくのスキルが使えないとかだと泣いちゃうよ。
「スキルを使用する際には、ギルドが指定する施設内で、スキル登録資格を保有するギルド職員ならびにB級以上の探索者の立ち会いが必要となります。立ち会った探索者も守秘義務が課せられます。ですから基本はギルドの専属探索者になりますね」
思ったより厳しい条件だった。
B級探索者とか、千人に一人くらいの数しかいないと言われてるのに、ギルドの専属契約とかだと何人いるのやら。
「情報規制ですが、スキル使用時に判明した内容はスキルの全容が判明するまで世界ギルドにも秘匿され、スキル保持者も含め契約魔法により、第三者ならびにネット等のあらゆる媒体に公開してはいけなくなります」
俺も契約魔法かけられちゃうの?!
しかも世界ギルドに内緒とか良いのだろうか。
え、大丈夫?逮捕とかされない?
「心配なのはわかりますが、これは八女様を守るための措置でもあるんです」
俺がプルプルしていたら、早良さんが説明を加える。
スキルの内容もわからない内に情報を渡してしまうと、名前だけでパーティーに勧誘しておいて思った効果のスキルじゃなかった事に逆ギレして揉めたり、他国が勧誘ならまだしも拉致してくる可能性があること。
逆にギルドにデータがないスキルだから、ユニークスキルだと勝手に名乗って同じスキル保持者が現れて訴訟沙汰になったり、効果を
世界ギルドに加盟してない国にもスキル保持者がいるから、完全に
これまでにも1人しか持ってないとされていたスキルがあったが、数年後に同じスキルが現れる事もあるので、ギルドでは確定しない方針だそうな。
世界ギルドも不確定な情報は混乱の元なので、スキルの内容が判明してからの登録で良いとなっている。
まぁ実際どの国も自国の
やっぱり今までは称号がなかったからユニークスキルが確定していなかったのかなぁ。
これはユニークスキルや称号の事は誰にも言わない様にしなきゃ。
勘違いした人に絡まれたり、他国に拉致とか怖すぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます