第13話 オーラって何かカッコいい

「お疲れ様です」


 早良さんがドアを開けて挨拶すると、さっきの男性フツメンがパソコンで作業していたが、入って来た俺たちに笑顔を向ける。


「早良さん!さっきのアナウンス聞きましたよね!同時に2つのシステム更新とか凄いですよ!新しい項目とか称号って、誰のどんなのが発見されたんでしょうね?!俺はなかったんですが、早良さんは何か出てますか?!」


 メチャメチャ興奮したように叫ぶ男に唖然とする。


「古保里さん落ち着いて下さい。対応はマニュアル通りにお願いします。ステータス獲得は終了しましたので、この後はB会議室で説明を行います。次の予約者は笹栗ささぐりさんに対応するよう伝えておいて下さい」


「えっ、あ、はい申し訳ございません。び、B会議室ですか…承知致しました。笹栗さんに連絡しておきます」


 早良さんにたしなめられて、次々に出る指示にフツメン改め古保里さんは慌ててスマホより大きめの端末を操作する。


 何か早良さんの背中から不穏なオーラが出てたような…


「よろしくお願いします。八女様はこちらに来て下さい」


 ギルドから来た通路とは逆の方向へ歩いていく早良さんの背中を見ながら、やっぱ何かヤバいステータスだったか…と自分だけが見れるように出したステータスを確認する。


 うん。問題だらけだね、こりゃ。


 あ~こうなるなら父さんに付いて来て貰えば良かったな。


 連絡してみるか…

 でも今日は隣県に行くって言ってたから、一人で来たんだよな。


 母さんは過保護過ぎて余計にややこしくなるし。

 爺ちゃんは目立ち過ぎて論外だし。


 それに、付いて来て貰ってもステータスは本人の許可なく保護者でも見られないから。


 親が子供のスキルを利用して搾取するとか、良いスキルがないから虐待とかあったりで、例え親にでもステータスを見せない様に指導されている。


 ステータスによる差別禁止って言っても、人間が集まればどうしても発生するものだからね。


 まぁ有名探索者とかはステータスを公開してる人もいるし、パーティーを組むには出来ることがわからないと話しにならないからスキルを見せる事はあるけど、ステータスを見せる事はよほど信頼関係がないとしない。


 通路を右に曲がった先は、ドアがいくつか並ぶ場所だった。


 手前から2つ目のドア橫にあるパネルに掌をかざすと、ドアは音もなく開いた。


 スライドドアっぽい見た目であるが、どうやら魔道具らしい。


 ステータスを獲得すると魔力を感じると聞いていたが、本当に今までに無かった匂いとでも言うかオーラのようなものを、なんとなく感じるようになっている。


 この感覚を突き詰めると魔力操作と言うスキルが生えるらしいけど、魔道具士には必須のスキルだとか。


 さてどういった話しになるのか、なるようになれだな。

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