第6話 テンプレよ永遠に
ギルドに入って受付に行くまでに絡まれると言うテンプレは起こらないまま到着してしまった。
「ようこそ日本ダンジョン探索者協会富久尾咖支部へ。ご用件をお伺い致します」
お姉さんが決められたセリフであろう言葉を噛まずに言うのを聞いて、まるでNPCのようだと思いながら用件を伝える。
「ステータス獲得に来ました」
まぁ俺のような子供が来る用事なんて大概これしかないのだが、様式美と言うやつだな。
「ステータス獲得通知書と
15歳になる約1ヶ月前に地方自治体からステータス獲得のための通知書が送られて来る。
その中にステータス獲得に必要な書類や注意事項から獲得後の様々な制約なども書かれていた。
マイナンバーカードも昨今では小学校の入学時に必須になっているので、5年毎の更新は面倒だが、俺達の世代では当たり前に全員持っている。
カードの中の写真がガキっぽいのが恥ずかしいのだが、4年前に更新したのでしょうがない。
お姉さんが身分証明書と通知書の名前、生年月日、住所等が同じか確認しながら手元で何やら操作している。
「予約の確認が出来ましたので書類をお返し致します。こちらの番号札を持ってあちらのエレベーター手前の通路を奥に進んで、ステータス課と書かれているカウンターへ行って下さい」
身分証明書と通知書に加えて掌サイズの番号札を渡しながら、流れる様に喋るのはテンプレセリフのためか、やはりNPCっぽい。
俺から見て左にあるエレベーターを指し示す様に少し
「ありがとうございました」
視線を誤魔化す様に頭を下げながら礼を言うと、お姉さんに背を向けて歩きだす。
走らないように意識しながらエレベーターの手前を右に曲がり、総合案内から見えなくなる位置まで来れた。
「ふう…最後に油断しちまったぜ」
ハードボイルド風に
お姉さんを遠目に見た時から油断せぬように口元を見ていたのに、最後の最後に攻撃して来るとはテンプレ恐るべし。
それにしても
そう…
受付嬢は
巨乳の前屈み攻撃は見ちゃうよね。
そして女性に年齢はタブーなので、知らない女性は全てお姉さんもしくはお嬢さんなのである。
例え母親と同年代くらいに見えても、永遠にお姉さんorお嬢さんなのだ。
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