第8話







雲が流れていた。





・・・雲?


否、

霧か?




風が強いのか、

ごう・・・と

地吹雪を連想する音が聞こえる。



ぼんやりとしていた。




一面の星空を眺めながら、

ビールを飲んでいて。

宿のベッドで

そのまま寝落ちた。

はず。







我に返り

目が覚めた。




宿の。

室内の。

ベッドの上で。

寝た、はずなのに。






満天の星空を遠くに

流れる雲の

ただ中にいた。


一体どこにいるのか

判らなかった。



ごう・・・


雲の流れが速い。


夢を見ているのか。



原生林の中にいた。









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