第8話 無人島サバイバル2日目

「…ぁあ、朝か…」


無人島サバイバル2日目、望み通り洞窟を占拠できて快適な夜を過ごせた


「まだ2人は起きてないか…」


そして外に出て背伸びをしたあと自分の着替えを済ませる。


「それにしても昨日は疲れたなぁ…」


昨日、この洞窟の占有権をめぐって俺たちのグループとリール・アベノのグループと衝突があった。結果俺が勝って占有権を手に入れたわけだが…


「俺もまだ本調子に戻ってないな」


まだまだ、俺の目的を果たすためには力が足りない。元々の調子に戻さなければ…


とりあえず自身の肉体の強化と能力をうまく取り扱えるようにする。


「それにしてもなにかこの無人島サバイバルは妙だな…」


いくらなんでも簡単すぎる。そこら中に食用の果物が生えていたり魔物の襲撃もない。きれいな水が流れており日差しを覆い隠す木もある。


こんな試験で退学者が出るわけがない。もう少し難易度があると思うのだが…


それにしてもなんでこの島を選んだ?学園専有の島だからか?いや、学園専有の島だとしても他の無人島のほうが快適で安いところもある。


わざわざ値段が高くても生徒の安全のためにこの島を選んだ?いや違う。それでは退学者が出ない。この学校の目的は支配者インベーダー生徒を育てるための学校だ。それに似つかわしくない生徒は排除するに限る。邪魔だし足手まといだからな。せめてこの試験で2グループは退学者が出ないといけないはずだ。


だったら何故…?


支配者インベーダーに対応できる生徒……」


たしかこの無人島サバイバルでは生き残るためには手段は問わなかったはずだ。現に昨日俺とリールがやりあってもなんのペナルティもない。普通なら暴力は禁止するはずだ。


生き残るために手段は問わない…


それはいかなる状況であっても生き残るというミッションを最優先に考えろということ。すなわち…


「……そういうことか…」


学園側も中々なことをしてくれる、まさか…


「この島に集めたのもそういうことが原因か…」


だったらこれを止められるのは俺かリールか首席だけだろう。


「…チッ」


お遊び感覚であれをやるのか学園は…


少し学園に苛ついた―――


☆☆☆


「もう起きてたんだね」


「んぉおはよぉう」


ガイズとアリスが起きた。


「飯はできたぞ」


「わぁ!ありがとう!」


「ありがとぅ」


2人がご飯を食べている間に俺が考えた推測を2人に話す


「無人島サバイバル簡単じゃないか?」


「そうだね、僕も予想外だったよ」


「う、うん。もうちょっと難しいと思ってた」


「だろ?なのにそこら辺に果物が生えていて魔物も来ないし住みやすい。なにかおかしいと思わないか?」


「確かに、言われてみれば…」


「不可解な点だよね」


「そうだ。この学校は支配者インベーダーに対抗するために作られた学校。こんな簡単な試験では退学者は出ない」


「…つまり?」


「ど、どういうこと?」


「思えば不思議だった。何故この島を選んだのか、何故こんなに簡単なのか、そして何故生き残るためには手段を問わないのか」


「「?」」


「教師達は少なくともこの無人島を一回も見てないはずはないだろう?なのに生き残るためには手段を問うなと言った。これは教師が何かを知っているということだ。」


「な、なにがおこるの?」


「…」


ガイズは結構ヤバさを感じ取ったみたいだな。


「つまり…」




「―――この無人島サバイバルでここに支配者インベーダーが現れる」



「「っ!?」」

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