第5話 実は…

「めんどくさいのに絡まれたな」


「ですね…」


話しながら教室へ戻る


☆☆☆


そろそろホームルームの時間だ。


すると教室のドアを開けて一人の教師が現れる


「諸君、入学おめでとう。ようこそ王都第一学園へ。君たちは難しい試験を経てここにたった実力者たちばかりだ。」


教師が入ってきて教室の空気が固まり、緊張が走る


「私はマーキュリー、これからお前たちのクラスを担任する教師だ。ところでお前たちは今年、もしくは来年に支配者インベーダーの封印が解ける年だと言われている。それはお前たちも知っているな?」


支配者インベーダー、かつてこの世を恐怖に染め上げた。かつて世界で覇権を握り、"血祭"という事件を起こしたのがきっかけとなった。能力などは詳しくわかっていないが神殺しの力をも持つと言われている。


「その支配者インベーダーを止める役割をお前たちも担っているということだ。それだけ責任感を持て。その責任感を推進力に変え常に上を目指せ。それだけだ。なにか質問があるやつはいるか?」


誰も手を挙げないことを確認すると…


「あぁそうだ。普段は勉学や自身の研鑽に励んでもらったらいい。だがもちろんこの学校にもイベントは存在する。まず最初のイベントは…」


イベント?なにかするのか?そう思いながら次の言葉を待つ


「最初のイベントは『無人島サバイバル』だ。」


そこで誰かが手を上げて


「先生、質問よろしいでしょうか?」


「許可する」


「無人島サバイバルというのは本当に無人島の中で自分で魔物を倒し自分で食料を調達し自分で生活をするということになるのですか?」


「その質問はノーコメントだ。また後日それについて詳しく書かれたパンフレットが配られるだろう。それを参考にしろ。それでもわからなければ私に聞け」


「ありがとうございます」


「他にはないな?」


そして教師はあたりを見回すと…


「それではホームルームを終わる」


無人島サバイバル…か


☆☆☆


「す、すごいことになったね」


「そうだな。初っ端から無人島サバイバルか」


「今は詳細がわからないから情報を待つしか無いね」


「そうだな」


「あ、あの!」


「ん?」


「きょ、今日一緒に途中まで帰ってくれないかな…」


「それぐらいなら全然いいぞ?」


するとアリスは顔をぱぁっと輝かせた


「ありがとう!」


「いや、別に感謝されるほどのことでもない」


それにしても本当に笑顔が眩しいな。


☆☆☆


「つきあわせてごめんね私の都合に…」


「別にいいけど何かあったのか?」


「まぁ…うん。怪しい人につけられてる気がするの」


「ふぅん」


まぁそうだろうな。アリスの会話からして前から付けられてたみたいだから完全にアリス狙いか。


それにしても前から付けてくる輩の狙いは何だ?誰が糸を引いている?


ある程度見当は付いているが…前と同じという保証もないしな


ここは一つ確認するか…


「アリス、こっちのほうが近道らしい、こっちから行かないか?」


「そうなんだ…」


そしてアリスを裏路地へ誘い込む


さてストーカーとご対面しようかそう思って振り返った瞬間


「がっ!」

「お、お前誰だぁ!」


ん?俺たちではないやつと戦っている?


「やぁ!この人たちは君たちを付け回してたからちょっと懲らしめてるだけさ!」


そう言いながらその男子は戦っている。


「手助けはいるか?」


そう聞いてみたら


「別にいいかな!」


そういう返答が返ってきた


大方ってところか


「ちょっと君たち気をつけてね〜」


そう言って男子は詠唱を省略して


「略式:闇の世界ロストワールド


そうして無数の闇の手がストーカーを襲う


「っ!」

「引け!」


男たちが逃げはじめた


「あっやばっ」


助けてくれた男子は逃げることまで考えていなかったようだ


「ありがとう、任せろ」


そして俺は能力を使う。あいにく便利な魔法が使えないからな


そして俺は両手を前に突き出し手を握り込む


『天命 "帰"』


そして陰陽勾玉巴が空中に出現しストーカーを吸い込む


「な、何だこ…れ……」

「き、きいてなぁぁぁぁ……」


「よし、終わったな」


「ありがと、君を助けようと思ったけど逆に助けられちゃった」


「こちらこそ、助けてくれてありがとう」


「僕の名前はガイズ・コスタリカ、君は?」


「俺はシヴァ・トルクバーグだ。こっちはアリス・クリミア」


「よ、よろしくお願いします…」


「それよりさっきのは能力?」


「そうだ。」


「へぇ…面白い能力を使うんだねぇ」


「別にそんなことはないと思うぞ?」


「僕、君に興味が湧いてきちゃった!」


「えぇ〜…」


なんか仲間が一人増えた…

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