第13話 中間テスト開始
あのタピオカをヒメカと一緒に飲んだ日からあっという間に2週間が経った。
ちなみに、この2週間、俺とヒメカは授業が終わるや否や二人で図書館に向かい、勉強漬けの毎日を送っていた。
(ダイキ達は部活に入っている&大会も近かったようで一緒に勉強はできなかった)
でも、普通ならこんなに勉強する必要はないと思っている。
なぜなら、4月に入学してからまだ1ヶ月ちょっとしか経っていないから、普通はスポーツ推薦の人達以外は基本的に学力レベルは変わらないはずなのだ。
だが、前も言ったが、俺は高校受験の為に勉強していた知識も何もかもがなかった。
マジでせめて戻すならあの当時の知識も戻してくれてもいいじゃないかと何度も思った。
特に数学などの公式が必要とする科目と化学や生物のように暗記が第一の科目は地獄でしかなかった。
まあ、でも、ヒメカの協力もあり、やれるだけやったと思う。あとはテストに勉強した部分が出てくれるのを祈るのみ。
…………ピンポーン………
朝の7時ちょうどにインターホンがなる。
ヒメカだ。
あの土曜日に勉強をし始めてから、基本的にヒメカと登校、学校の授業、放課後勉強、そして、帰宅するという生活になっていた。
1番最初の時は、学校内で時々話す程度ではあったが、登下校まで一緒になったことは無かったな。
きっと上手く進んでいる。
っていうか、上手く進んでいないとおかしいよな?
だって、俺が後悔しないように人生が進んでいくんだから、悪いことではないだろう?
もし、これで何か変なことがあったら、あの死女神をどやしてやらないとな。
「ハジメ、気をつけて行ってくるのよ」
俺がローファーを取り出そうとした時に、お母さんにそう声を掛けられた。
「うい。じゃあ、行ってくる」
俺は随分と履くのに慣れたローファーを履き、外に出た。すると、そこに笑顔で俺を待っていた幼馴染がいた。
「おはよう。ハジメ」
「おう、おはよう」
俺はそう返した。
ヒメカが笑って、手のひらを俺の方に向けて振っていた。
「やっぱり、緊張するな」
学校に近づけば近づく程、心臓の動くスピードが速くなる感じがした。
「うん。初めてとはいえ、赤点を取ったら補修だしね」
「ああ。赤点だけは避けないとな」
「うん。でも、あんだけ私達勉強したし、きっと大丈夫だよ」
ヒメカはそう言った。
そのヒメカの顔は自信が満ちているように見えた。
俺はそのヒメカを見て、少し安心した。
☆☆☆
「では、テストを開始する。くれぐれもカンニングするなよー」
先生の掛け声で最初のテストがスタート。
教科は現代文。
ここに関しては、正直今まで取ってきたノートをまとめれば、点数は確実に取れると踏んでいた。
後は漢字暗記。
これなら社会人時代から学んできたこともあったからうまくいった気がする。
手応え的には、悪くない出来ではないかなと感じていた。
その次は鬼門の一つ、数学Ⅰ。
だが、この教科はヒメカとしっかり時間をかけて勉強してきたので、いくつか分からない問題があったのは事実だが、割と答えを書けた。
(分からない問題は何となくでもいいから回答を書いておいた)
正直、いい点数は取れないとは思うが、赤点を取るほど酷くはないのではと俺は心の中で自分を励ます。
その後のコミュニケーション英語含め、久しぶりに受ける中間テストに少しワクワク感を覚えながら、気合を入れて何とか解いていった。
正直、今日やった教科は手応えとしてはものすごく良いとは言えないが、赤点を取るほど悪くない、ワンチャン高得点になるかも(?)と感じていた。
とりあえず、初日は問題なさそう?
2日目の教科は化学、数学A、古典。
正直、この日が今回の試験で1番の壁になるのは目に見えてわかっていた。
なぜなら、この3教科は全て中学校時代に学んだ基礎が無ければ、解けるはずがないのを勉強している時に痛感したからだ。
でも、もう以前の俺とは違う。今の俺はちゃんと努力できるようになっているから、後悔のループに自ら飲まれるようなことは絶対にしない。
大丈夫。
化学、古典は単語やルールを丸暗記、数学Aはとにかく公式を覚えて、問題を解きまくって対策をした。
つまり、できるだけのことはやったということ。加えて、今日越えれば、明日は割と余裕な表現英語と生物だ。
先生からのテストの開始の合図がしてからは周りの音が聞こえなくなるくらい集中して問題を解いていった。
時間が余れば、見直しをする。
そのくらい必死にやったからか、昨日よりテストの時間が全然短くなったように感じた。
正直、分からない問題も普通にあったが、昨日と同じように空欄を作らないように粘って答えを書くようにした。
だから、結果は分からないがやれるだけやったので、後悔はない(何となくだが、赤点はないような気はしている)。
とりあえず、今日の教科はもう忘れて、明日に集中しよう。
まあ、明日はあまり授業が進んでいない生物と俺の得意教科である表現英語。
もう大丈夫だ。
明日もいつも通り答えを書いていくだけだ。
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