【3-22】10連ガチャ
「う~む、今の素材量じゃこれが限界か……」
見た目は大きく変わりまして、屋根付き荷馬車……といった感じになった。
屋根を設置するには外壁も付けなきゃならなかったので、後方が乗り降り口となるタイプの扉も設置した。
まぁ一番安い扉と屋根だが、所持していた成長馬車素材で導入できる組み合わせはこのくらいだったのだ。
しかしとりあえず、人が乗る馬車として最低限の体裁は保たれただろう。そもそも荷馬車タイプの今の馬車には、豪華な扉とかは対応していなかったので先に外観を変更する必要があるが。
最初の目標は、一般馬車と呼ばれるグレードの馬車外観にする事だ。その上が上級馬車と呼ばれる外観で、バドス馬車とかはこれにあたる。
更に貴族馬車、王族馬車と続いていき、その次は馬車魔改造ギフトがないと改造できないっぽい。
「さて次のイベントは10連ガチャなのだが……これは迷うなぁ」
10連ガチャチケットを手に入れたタイミングで、グレーアウトしていたガチャの項目が選択できるようになったのだ。
本当に長かったな。本来ならばチュートリアルで引けるはずなのに、ここまで引っ張られるとは。ここまで来たら、リセマラなんてやってられん。
【キャラガチャ】【馬車ガチャ】【アイテムガチャ】
今のところ解放されているのはこの三種類のようだ。一回回すのに1ガチャチケット消費は当たり前だが、問題はゴルドで回す場合。
なんと一回回すのに30万ゴルドもかかる。10連ガチャは割引が付くのだろう、270万で回せるようだ。
「いや270万て……破産しちまうよ。それがガチャの怖いところだな」
「しかしヨルヤ、10連はSR以上確定とあります。回すなら10連なのでは?」
「俺は単発で引くタイプなんだ……ってそんな事はどうでもいい。いくらなんでも高すぎる、基本はチケットで回すことにしよう」
まずはキャラガチャを選択してみる。キャラクターが当たるとか凄いなと興奮したのだが、どうやら当たるのはカード化されたキャラクターのようだ。
内訳を見てみると、ヴェラとかラリーザとかイネッサのカードもあった。めっちゃ可愛くてカッコいい……欲しい、欲しいぞ、夜中に具現化させてニヤニヤしたい。
なるほど、このカードを集めてカードバトルか。しかし数が少ないなと思ったら、どうやら俺が出会っていない奴は登録されていないようだ。
カードバトルは行わないにしても、コレクターの血が騒ぐな。槍を構えるヴェラはカッコよく、魔法を放つ瞬間のラリーザは神々しい、軍刀を構えるイネッサはどこまでも神秘的だった。
「くぅ回してぇ……いや落ち着け、次を確認してからだ」
馬車ガチャの内訳を確認する。成長馬車素材と、運が良ければ装備や外観などが直接手に入るようだ。次にアイテムガチャ、どうやら色々なアイテムが当たるようだ。
「大した事ねぇな。よし、キャラガチャにするか」
「宜しいのですか? これは運営の罠です。効率的かつ価値を考えると、キャラガチャは最も価値がなく不効率――――」
「――――効率なんて知った事かよ!? 俺にとったらカードキャラが最も価値があるね! アイテムガチャなんて何が楽しんじゃい!? キャラだろキャラ! 分かったかクロエェッ!」
「承知しました」
まったく、これだから効率厨は。そりゃ今の所カードはいらねぇけど、どう考えても馬車素材とかアイテムの方が役立つけど、そうじゃねぇんだよ。
あの女性陣の輝かしい瞬間を切り取ったのが、絵になってカードになってんだぞ? 俺はやるぞ、可愛く綺麗なヒロイン達のカードをコンプしてやる。
……まぁ不安はあるが。表記がないんだよな、確率の。いつだったか表記するようにって義務付けられなかったっけ?
「まぁいいか。よし、行くぞ……キャラ10連ガチャを選択……頼む、頼む頼む……!」
「…………」
「なんだ……? デフォルメされた遊戯神が出てきたぞ……くそ、無駄に可愛い……そんな遊戯神がなんだ……? サイコロか、サイコロを放り投げた……!?」
「…………」
「分からん、今の所チャンスアップのような演出は…………ふんむっ!? サイコロが……サイコロが虹色に……!? レインボーキターーー―ッ!!」
「ヨルヤ、大丈夫ですか?」
【ヴェラ・ルーシー(N)】☆NEW☆
「おぉっ! か、可愛い……これでノーマルなのか!?」
【整備士・ベンセル・クレーデル(R)】☆NEW☆
「チッ……久しぶりだな」
【隻眼の冒険者・サヴェリー・ラルフ(SR)】☆NEW☆
「はぁ? 誰だよ……ってあれだ、ムスリム大峡谷のダンジョン入り口で会った奴か」
【コンラード・イシガミ(N)】☆NEW☆
「チッ……」
【審判者・コンラード・イシガミ(R)】☆NEW☆
「はぁ!? ふざけんなよコンラード!」
【コンラード・イシガミ(N)】
「お前……マジふざけんなよ、三連続とか……被りだしよッ!」
【翠眼の執行者・イネッサ・ランバドール・ウルディア(SR)】☆NEW☆
「キターーーッ! めっちゃカッコ可愛い! よかったぁ……」
【キリール・シュクレイ(N)】☆NEW☆
「うんうん、いいよいいよ」
【キリール・シュクレイ(N)】
「それはよくねぇわぁ……」
そして最後の一枚、表示される前に今までとは違って演出が入った。これだ、これがSSRのカードに違いない。
頼む、頼む頼む! ヴェラかラリーザ、イネッサやエカテリーナであってくれぇぇっ!
『ほんと、王国の女は美人だよなぁ。来てよかったぜ』
「は……? 待て待て、嫌な予感が……なんだよその登場ボイス……」
【泣く子も黙る赤鬼・ゲオルグ・ボナバルド(SSR)】☆NEW☆
「…………」
「ヨルヤ、大丈夫ですか?」
「…………大丈夫じゃねぇよ。なんなんだよこの男率、十分の八だぞ、ふざけんな」
「確率の偏りは往々にしてあります。しかし確率は収束するもの、次を回しましょう」
「もう無理だよぉ……金ないもん……なんでゲオルグ……カッコいいけどさぁ……数分しか話した事ない奴を混ぜないでよぉ……」
これはしばらく立ち直れない。次のガチャが回せるまでどの位かかるのか……あれだな、ガチャは余裕が出来てから回した方がいいな。
マジで馬車ガチャ回しておけばよかった。何やってんだろ俺、御者なのに。
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