第18話:もう一人のロボット。

しばらく飛ぶと倉庫街が見えた。

居並ぶ倉庫の中で壁に第3倉庫って大きめの文字が書かれた倉庫があった。

他の倉庫に比べてひとまわり大きかった。


「あそこね・・・」


第3倉庫の前に降り立立ったシャーベットは外から中の音や様子をうかがった。

耳をすますと人の声も雑音すらも聞こえなくて倉庫の中は静かなものだった。

シャーベトは一瞬、場所を間違えったかと思った。


ためしに倉庫の勝手口のドアを押したら鍵はかかっておらず何事もなく開いた。


シャーベットが中入ると同時に、サーチライトがアイドを照らした。


「ダダダダダダ・・・」


いきなりどこからか機関銃を撃つ音がしてシャーベットの周りの背後の壁に穴が

たくさん開いた。

その穴から外の光が差し込んだ。


「よく来ましたね・・・そんなに、彼を返してほしいですか?」


その声は聞き覚えがあった。

シャーベトは一度聞いた声や一度見た顔は記憶しているのだ。

機関銃を撃ってきたやつは先日、此先家を訪ねてきたジェームス・詐欺沼だった。


「シャーベトさん、あんたがバラバラになったら困るので撃ちません」

「できたら壊さずに手に入れば言うことはないんです」


見ると詐欺沼の横で、さるぐつわをかまされてた未知太郎が椅子に縛られていた。


「どうです・・・おとなしく我々の言うことを聞くなら彼は宅配便で家まで

お届けしますよ」


「ミッチーは私が助け出します」


「お〜強気ですね・・・そんなこと言ってられますか?」

「あなたは撃ちませんけど、こっちはどうでしょうか?


そう言って詐欺沼は機関銃を未知太郎に向けた。


「ミッチー」


未知太郎からもシャーベットの姿は見えていた。


「私も馬鹿じゃありませんからね」

「まともにあなたと戦って勝てるわけがないことくらいは知ってますから・・・」

「あなたのために、お友達を用意してきましたよ」


「あなたが生まれたあの研究所ですけどね」

「作られてたのは、あなた一人じゃなかったのご存知ですか?」


「私の他にもいたの?」


「あなたがこの彼の家に行ったあと、もう一体は私どもが回収しました」

「盗んだって言ったほうが正しいでしょうか」

「じゃ〜ご紹介しましょうかね」


「出てきなさい、ジェラート」


詐欺沼がそう言うと、倉庫の奥から人影が現れた。


「ジェラート?」


「さしずめ、あなたとジェラートは双子の姉弟と言ったところなんでしょうかね」


「あなたのお相手はこのジェラートです」

「あ、ご心配はいりませんからね、残念ながらジェラートの体内には核爆弾は

まだ搭載される前だったようです」


「まあ、私たちも例のミサイルをあなたが破壊するまでは、あなたの体に

核爆弾が搭載されてることは知りませんでしたけどね」

「そのことよりも私たちは手を汚さず事を運びたい」


「おそらくあなたとジェラートのパワーは互角でしょう?」


「彼がいるなら、私は必要ないでしょ?」


シャーベトは的を得たことを詐欺沼に言った。


「いいえ、二対揃っていてこそ商品価値が上がると言うもの」


「ジェラート、シャーベトさんのお相手をして差し上げなさい」

「あ、ぶっ壊さない程度でいいですよ」


うとぅ〜び〜こんて乳。


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