第19話:ジェラート。

ジェラートと呼ばれたロボットはなかなかのイケメンだった。

生気のない切れ長の目に、無表情で冷たい感じ。

短めの髪の色はシャーベットと違ってグレー色、瞳はアイドと同じ。

顔もどことなくシャーベットに似てなくもなかった。


そして丈夫そうなメタリックスーツを身にまとっていた。

どうやらジェラートはシャーベトの弟として作られたようだった。


ジェラートはいきなりシャーベットに襲いかかって来た。

シャーベトはジェラーロの攻撃を腕でうけとめたがすこい衝撃だった。


「私と互角なら倒すのは難しいかもね」


ジェラートは何も言わず続けざまに攻撃してきた。

パンチやキックを繰り出してはシャーベットに迫った。

おそらく格闘の技をプログラムされているんだろう。


その動きはしなやかで無駄がなかった。


「キミ・・・ジェラート・・・わたしが分かる?」

「私の言ってることが分かりますか?ジェラート・・・」


ジェラート苦笑いして首を横に振ったかと思うとさらに攻撃してきた。


「言葉を話せないように言語機能を止めれてるんだね?」

「しかも攻撃用にも特化したプログラムをされてるみたいだし・・・」

「話し合っても無駄ってことかな・・・」


詐欺沼はシャーベットとジェラートが戦ってる様子を嬉しそうに高みの

見物をしていた。


「シャーベットさん、ジェラートはあなたより攻撃的にできてますからね」

「彼に良心はありませんから・・・」

「容赦のないぶんだけジェラートのほうが有利と言うことです」


「いくら戦ってもラチがあかないね」

「決着がつかないまま、いつまでも戦っているほど私はおバカさんじゃないから」


するとジェラートは右肘を折ると肘の角がパカッと開いて中からミサイルが

出てきて、すかさずシャーベットに向けて発射した。

いきなりミサイルが向かってきたのでシャーベットは危うく直撃をくらうところ

だった。

それたミサイルは倉庫の壁を破壊した。


「あなたにも私と同じ武器が備わってるんだね」


ミサイルを発射したせいでジェラートが少しバランスを崩した。

そのスキをついてシャーベットは、すかさずジェラートの足を払った。


シャーベトに足を払われたジェラートはバランスを崩してうつ伏せに倒れた。

そこをシャーベットが背後から寝技に持ち込んだ。


シャーベトに羽交い締めにされたジェラートはジタバタ悪あがきをした。

シャーベットはジェラートを抑えておいてジェラートの後頭部に自分の

手のひらを押し当てた。


「若い悪魔はそこに休息を求め休む所を見つける・・・っと・・・」


しばらくすると暴れていたジェラートは動きを止めると目をぐるぐる回した。

シャーベットはジェラートのプログラムを書き換えていたのだ。


ジェラートの中にあった悪い性格はなくなっていい性格のジェラートだけが

新たな彼ととして生まれ変わった。

我に返ったジェラートはそれ以上は抵抗しなくなった。


シャーベトがジェラートを立たせると彼は普通にしゃべれるようになっていた。


「僕・・・ジェラート」


「私、シャーベット」

「シャーベットよろしく」

「しゃべれるようになってよかったですね、ジェラート」


とぅ〜び〜こんて乳。

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