第四話 【処刑サイド:大魔導士外その仲間たち】大魔導士たち、ダンジョン攻略を目指す、そして、悪事に手を染める

 勇者たちが王都を壊滅させ、犯罪者としてインゴット王国に捕まり、そして、王城の地下牢から脱獄した日のこと。

 勇者たちは脱獄した後、一時カナイ村の森に潜伏していたが、王国や冒険者ギルドから犯罪者として指名手配され、その上、ギルドによって制限措置を施され、勇者たちは勇者のジョブを失い、ジョブが「犯罪者」になり、レベルも0になってしまった。

 その事実にショックを受け、勇者たちはリーダの「勇者」島津と対立、ついに分裂してしまったのであった。

 さて、勇者たちの分裂後、さっそくダンジョン攻略に動き始めた勇者の一団があった。

 「大魔導士」にして「木の勇者」姫城 麗華外8名の女性勇者たちである。

 姫城率いる女性勇者たちは全員、元いた世界から姫城がチームリーダーを務める女子高生グループの一員であった。

 姫城をリーダーに、クラスカースト上位の女子グループとしてクラスに君臨し、クラスの女子の最大勢力であった。

 尚、主人公、宮古野 丈が姫城率いる女子グループから陰湿ないじめを受けていたこともある。そして、彼女ら全員が、主人公にちょっかいを出したために、不幸な目に遭っているのだった。

 姫城たち一行は、国庫から盗んだ金1億リリスを手に、姫城の指示の下、ふたたびインゴット王国王都へと戻った。

 脱獄した勇者たちを捕まえるため、非常線が張られていたが、王都が壊滅的被害を受けた影響で、国の騎士たちのほとんどが復興対策に充てられたため、非常線に割ける人員は少なかった。

 姫城たちは王都の入り口で警備をしていた騎士たちを盗んだ金で買収し、あっさりと王都の中へと侵入した。

 インゴット王国の人員不足や騎士たちの国への忠誠心の低さが、警備に隙を作ったのであった。

 姫城たちは壊滅状態の王都の中を気にせず、悠々と進んでいく。

 自分たちのせいで王都が壊滅したにもかかわらず、全く気にする様子もなかった。

 姫城たちは王都の端にある闇市、ブラックマーケットのある地域へと足を運んだ。

 そして、とある手術を受けるため、一人の闇医者の下を訪ねた。

 天然パーマの白髪に、顔にかけた分厚いレンズの眼鏡、やせこけた血色の悪い顔の、どこか不気味なたたずまいの白衣を着た70代くらいの老人であった。

 闇医者の名は、ドクター・フランケン。

 非合法な治療や手術を行う医師で、本来ならば犯罪者として逮捕されるべき存在だが、実は裏で国王や国王派の貴族たちと繋がっているため、逮捕を免れている。

 ドクター・フランケンが姫城に訊ねた。

 「ヒッヒッヒ。これはこれは勇者のお嬢さん方。今回はまた派手に暴れられたそうですねぇ。王都を壊滅させて、犯罪者になってしまうとは、私も驚きですよ。それで、本日はどのようなご用件で?」

 「ウチらさぁ~、ジョブが「犯罪者」になって~、レベルも0になって~、マジ困ってんの。オタクの「モンスタープラント」っていうヤツでサクッとレベル上げたいんだけど、できる~?」

 「イッヒッヒッヒッ。「モンスタープラント」の手術をご希望ですか?お手軽なのは、サキュバスの眼の移植ですかねぇ。術後も目立たないし、料金もお手頃ですが、どうですか?」

 「う~ん、出来れば、もっと強いモンスターがいいなぁ~。それと、跡が目立たねえヤツで。」

 「ヒッヒッヒ。それじゃあ、ヴァンパイアロードの眼なんてどうです?ヴァンパイアロードはAランクモンスターで、眼で相手を魅了する力や、ずば抜けた再生能力などを持っていますよ。片眼一個の移植につき1,000万リリスいただきますが、どうでしょうか?」

 「結構お高いねぇ~。でもオッケー。じゃあ、全員にそのヴァンパイアロードってモンスターの片目の移植をお願~い。とりますぐに頼むわ。支払いは全部キャッシュで。」

 「ヒッヒッヒ。分かりました。それではお一人ずつ手術室へどうぞ。お一人約1時間で手術は終わります。痛くありませんから、ご安心ください。それじゃあ、最初の方、手術室へどうぞ。」

 ドクター・フランケンによって、姫城たち9人は、片目を摘出し、ヴァンパイアロードの眼を片目に移植する手術を受けた。

 姫城たちが受けた「モンスタープラント」とは、モンスターの体の部位を人体へ移植する手術である。

 移植したモンスターの持つ能力を使ったり、ジョブとスキルがレベルアップしたりすることができる。

 例えば、Eランクモンスター、サキュバスの眼球を移植すれば、サキュバスの持つ、異性を魅了する能力が使えるようになる。

 この「モンスタープラント」の手術は冒険者だけでなく、一般市民も手術を受けることがある。若い女性が好きな異性を振り向かせるため、サキュバスの眼球を移植するケースなどがある。

 ただし、移植後、モンスターの能力を多用し過ぎると、移植したモンスターの部位から肉体が徐々にモンスター化の変化を起こし、最悪、人間からモンスターに変わってしまう危険性がある。

 そのため、違法な医療行為として、異世界の、世界各国で施術を禁止されている。

 手術開始から9時間後、ドクター・フランケンによって、姫城たち全員の、ヴァンパイアロードの眼の移植手術が無事、完了した。

 姫城たち全員の左目が、赤い瞳へと変わっていた。

 「赤い目とかマジ、イケてんじゃん。力もみなぎってくる感じ~。これなら、レベルも爆上がりっしょ。マジ、サンキューねえ、おじいちゃん。」

 「イッヒッヒッヒ。皆様、よくお似合いですよ。その眼さえあれば、ヴァンパイアロードの力が使えますよ。ただし、あんまり使い過ぎると、本当にモンスターになるのでご注意を。モンスター化が進行した場合は移植した眼を取り除けば大丈夫ではありますがね。それでは、お代をいただきましょうか。しめて9,000万エリス頂戴いたします。おっと、言い忘れていましたが、もし、私に危害を加えようとすれば、移植した眼球が爆発する仕掛けになっていますので、代金の踏み倒しはできませんからそのおつもりで。では、お支払いを。」

 「ちぇっ、抜け目がないねぇ~。分かったよ、払えばいいんだろう、クソじじい。ほれ、9,000万リリス。」

 「お支払い、ありがとうございます。またのご利用お待ちしておりますよ。ヒッヒッヒ。」

 ドクター・フランケンによる「モンスタープラント」の手術を受けた後、姫城たちは何とかインゴット王国とペトウッド共和国の国境付近まで行く馬車を見つけた。

 馬車に乗ると、姫城たちは今後の予定について相談を始めた。

 「どうよ、ウチのナイスアイディアは?男を釣る目的でモンスターの目ん玉付ける奴がいるって聞いたときはマジ笑ったけど、お手軽にパワーアップできてマジ良かったし。ヴァンパイアロードの眼とかマジ最強っしょ。この眼さえあれば、楽して金も稼げるべ。」

 姫城はヴァンパイアロードの眼を移植したことにご満悦の様子だった。

 「でもさぁ~麗華、力使い過ぎたらウチらモンスターになるかもしれないんでしょ?よく考えて使わないとヤバいって絶対。ウチはモンスターになるとか絶対嫌だし。」

 不安を口にしたのは、「魔術士」若葉 千夏わかば ちなつであった。

 「心配すんなよ、夏っつん。ウチもモンスターになんてなるのは嫌だし。ちゃんと考えて使うから大丈夫だっつの。」

 「だけど、麗華、金稼ぐっつてもどうすんの?ウチら全員、犯罪者じゃん。まともな仕事に就ける保障なんてないじゃん。どうやって金を稼ぐん?」

 「魔術士」中原 綾なかはら あやが姫城に訊ねた。

 「綾ちんも心配性だねぇ~。まぁ、まともな仕事じゃ稼げねえべ。だから、高い金払ってヴァンパイアロードの眼付けたわけじゃん。ウチら今は犯罪者だし、とりあえず困ったら金を金持ちの男から騙し取ればいいべ。金さえ手に入れば別にいいじゃん、それで。」

 「麗華の言う通りじゃん。どうせウチらもう犯罪者なんだし、犯罪の一つや二つ、増えたところであんまし変わんないし。それに、麗華が聖杖を手に入れさえすれば、また勇者になれるかもだし、そうすれば罪は全部チャラっしょ。問題ナッシング。」

 犯罪を犯すことに賛同するのは、「魔術士」平江 陽子ひらえ ようこであった。

 「陽ちん、分かってる~。ウチが聖杖を手に入れて勇者にカムバックしたら、罪は全~部、帳消しになるのだぁ~。だから、いくらやらかしても問題ないのだぁ~。」

 「けどさぁ~、ウチらだけでダンジョン攻略とかできんのかな?ダンジョンって、モンスターとか罠とかでいっぱいなわけでしょ。ヴァンパイアロードの眼でパワーアップしただけじゃあ戦力足りなくない?それに、ダンジョンって国が警備してんでしょ。簡単には入れなくない?」

 ダンジョン攻略への不安を口にしたのは、「槌術士」中町 蘭なかまち らんであった。

 「蘭らんの言うこともよ~く分かってるよぉ~。だからぁ、他の冒険者を雇って、ソイツらに攻略を手伝ってもらえばいいってわけ。ダンジョンの警備も、これから金を稼いで、今日みたいに警備してる騎士を買収すればいいじゃん。だから、大丈夫。」

 「麗華、そうは言うけど、今日騎士の二人買収するのに、800万リリスも使ったじゃん。ウチらの手持ち、あと200万リリスもないじゃん。旅しながら、買収する金とか冒険者雇う金とかを稼ぐのって大変じゃない?おっさんと援交しても、おっさんから騙し取っても足りなくない?」

 金銭面の不安を口にしたのは、「槌術士」蓑原 明みのはら あかりであった。

 「ちっちっち、明りん。別に金持ちのおっさん騙すだけが金を稼ぐ方法じゃないし。ウチらにはヴァンパイアロードの眼があるんだし。この眼で相手を魅了すれば、相手は自分からウチらに金を差し出すわけ。銀行に行って、お金頂戴って言えば、勝手に向こうから金をくれるわけさ。服でも宝石でも、命令すれば何でも手に入んの。金なんていくらでも稼げるわけ。騎士を買収する金なんていつでも手に入るの。」

 「さっすが、麗華。大手建設会社のお嬢様だわ。金儲けに関してはマジで冴えてるわ。口だけで金が稼げねえクズ男の勇輝とは違うわぁ~。麗華についてきて、マジ正解だったわぁ~。」

 姫城を褒めるのは、「回復術士」梅北 舞うめきた まいであった。

 「おいおい、そんなに褒めるなや。まぁ、当然ですけど。」

 姫城がそう冗談を言い、一同はどっと笑った。

 「だけど、金が稼げても、騎士たちを買収できなかった時はどうすんよ?それに、用意した戦力が当てになんなかった時はどうすんよ?ダンジョン攻略できなかったら、ウチら超大変じゃね?」

 最悪の場合を考えて不安を口にしたのは、「槍術士」関之尾 桜せきのお さくらだった。

 「桜っち、その辺もちゃ~んと考えてるから大丈夫。騎士がダメなら、国のお偉いさんとかを買収すればいいし、戦力が足りないときは・・・ダンジョンを壊せばいいだけじゃん。聖杖を壊さないように外からダンジョンを壊して、聖杖を回収すれば、ミッションコンプリートってわけ。問題は全くありませ~ん。」

 「キャハハハ。麗華、マジで頭いい。もう完璧じゃん。ダンジョン攻略なんて余裕じゃん。これでウチら全員、勝ち組確定だわ。勇者に戻ったら何する?娼館のイケメン食う?それとも、カジノで遊ぶ?高級エステとかもいいんじゃね?マジ、今から楽しみだわぁ」

 姫城の言葉を聞いて喜ぶのは、「槍術士」五十町 薫いそまち かおるだった。

 「薫りん、マジでビッチすぎっしょ。娼館に通い過ぎて闇金で借金するとかマジで狂ってるわ。そういうウチも闇金に金借りて、娼館に通いまくってっけどね。」

 姫城たちは自分たちの目的のためなら平然と悪事に手を染めることを口にし、笑うのであった。

 インゴット王国王都を出発してからインゴット王国とペトウッド共和国の国境付近に着いたところで、姫城たちの路銀は尽きてしまった。

 もっとも、その原因は、旅の途中に高級宿に宿泊したり、高級レストランで食事をしたり、娼館に通ったり、カジノで遊んだり、ブランド品の服や宝石類を買ったりしたためであった。

 姫城たちは金が無くなると、左目に移植したヴァンパイアロードの眼を使い、ついに犯罪行為を行うようになった。

 姫城たちは近くの銀行や貴金属店に押し入り、ヴァンパイアロードの眼を使って、銀行員たちや店員たちを魅了し、白昼堂々と金や宝石類を奪った。

 異世界の銀行や店には防犯カメラが付いていない上、魅了された人々は自分たちから金や宝石類を差し出したため、指紋が現場に残ることもなかった。

 魅了された人々には、姫城たちに魅了された間の記憶が全く無いため、目撃者がおらず、銀行や貴金属店から突如として金や宝石類が原因不明のまま消失する事件が相次いで発生した。

 特に、ペトウッド共和国内で同様の事件が多発し、ペトウッド共和国の警備隊が懸命に捜査をするが、原因は分からなかった。

 被害総額はペトウッド共和国内だけで、20億リリスに上った。

 だが、事件の真相はやがて発覚することになった。

 姫城たちが高級宿に宿泊した際、宿泊代金を銀行から盗んだ札束で支払った。

 その際、支払った札束の帯封には、姫城たちが襲撃した銀行のマークと帯封の管理番号が記載されていた。

 10代後半の若者たちが高級宿に泊まる大金を持っていて、札束で宿泊代金を支払ったことを疑問に思った宿の従業員たちが不審に思い、帯封に記載してある銀行に問い合わせたところ、帯封の管理番号は、姫城たちの襲撃によって出金ではなく盗難にあった札束の帯封の管理番号であることが判明した。

 宿の従業員たちは急いでペトウッド共和国の警備隊へ通報した。

 高級宿に泊まってくつろいでいた姫城たちの下に警備隊が突如押し寄せ、姫城たちは盗んだ金品を置いて慌てて警備隊から逃走した。

 何とか警備隊の追跡を振り切った姫城たち一行であったが、顔がバレてしまい、すぐにインゴット王国や冒険者ギルドから手配中の元勇者の指名手配犯であることが警備隊の調べで判明した。

 ペトウッド共和国内で姫城たちが強盗をしていることは警備隊の発表を通じてすぐにペトウッド共和国中に広まった。

 10代後半の若い女性の9人組の強盗に気を付けるよう、ペトウッド共和国中で注意喚起され、ペトウッド共和国の銀行や貴金属店の入り口の外には警備員が常に常駐し、銀行や貴金属店の前を警備隊が巡回パトロールを欠かさず行うようになった。

 このため、姫城たち一行は強盗を行って金を稼ごうにも身動きが取れなくなり、金欠と飢えで苦しむことになった。

 馬車でペトウッド共和国の首都まで向かうこともできなくなった。

 追い詰められた姫城たちは、銀行や貴金属店を襲うのを止め、援助交際を行うようになった。

 金持ちと思われる男性たちに近づき、ヴァンパイアロードの眼を使って、男性たちから金を奪った。

 9人で一緒に行動はせず、バラバラに援交を行い、目標金額が集まったところで、一緒に馬車に乗って別の町へと移動した。

 町から町へと渡り歩いて援交をしながら、ペトウッド共和国の首都まで移動した。

 遠回りをしながらも、インゴット王国王都を出発してから三週間余り、姫城たち一行はようやくペトウッド共和国の首都へと到着した。

 馬車を降りると、姫城たち一行は、情報収集や、ダンジョン攻略のための助っ人を見つけるため、ペトウッド共和国冒険者ギルド本部へと足を運んだ。

 全世界のギルドから指名手配されているが、人相書きは出回っていても、顔写真入りの指名手配書は異世界にはないため、姫城たちは依頼主を装って大胆不敵にもギルドへと入っていった。

 ギルドの中に入ると、平日にもかかわらず、ギルドの中に冒険者はほとんどおらず、ギルドの職員が数名いるのみと、ギルドの中は閑散としていた。

 首を傾げながらも、姫城たち一行はギルドの受付カウンターへと向かった。

 「ちょっちすみませ~ん。依頼をしに来たんだけど、冒険者の人たちがほとんどいないけど、どゆこと~?」

 姫城の問いに、受付嬢が答えた。

 「ああっ、実は本日、ペトウッド共和国の次の議長を決める「ペトウッド共和国議会議長決定対抗戦」という大会を開催していて、首都に住んでいるほとんどの住民は対抗戦の観戦に行っているんです。冒険者の方々もほとんどの方が対抗戦を観に行っていまして、ギルドは今日開店休業状態なんですよ。一応、依頼の受注はできますが、いかがなさいますか?」

 「そうすっか。なら、依頼の受注をお願いします。依頼内容は、ウチらの護衛任務なんですけど、良いっすか?できれば、SランクとかAランクのパーティーにお願いしたいんですけど?それも凄腕の人をおしゃす。」

 「Sランクパーティーですか?そうなると、「黒の勇者」様率いる「アウトサイダーズ」はいかがでしょうか?最近、当ギルドで活動されておりまして、当ギルドのSランク依頼達成率トップの成績を出しておられます。Sランク依頼達成率の新記録も出しておられます。ついでに、今回の対抗戦では獅子獣人派の代表チームのメンバーとして出場中で、まさに実力は折り紙付きです。他にも、Aランクパーティーが何組かいらっしゃいますが、おすすめは断然、「アウトサイダーズ」ですね。「アウトサイダーズ」に依頼の件をお伝えできますが、どうでしょうか?」

 「げっ、宮古野がいんのかよ!?それはマジいなぁ。アイツに見つかったら、マジで即殺されるかもなぁ。それだけは勘弁だわ、絶対。」

 姫城たち一行はペトウッド共和国に主人公、宮古野 丈がいると知り、皆顔を顰めた。

 「あの、どうされましたか?「アウトサイダーズ」では何かご不満な点でも?当ギルドに現在在籍するSランクパーティーは「アウトサイダーズ」だけですので、彼らがダメとなると、Aランクパーティーをいくつか斡旋することになりますが、どうされますか?」

 「ええっと、依頼の受注は一旦保留します。ちょっと事情が変わったんで。また、今度頼みに来ることにするんで。」

 「かしこまりました。良かったら、対抗戦を観に行ってみてはいかがです?対抗戦には国の若手の実力者ばかりが出場しているので、お探しの冒険者が見つかるかもしれませんよ?今年の対抗戦は記念すべき第300回目の大会でもありますから、かなり盛り上がってるはずです。ペトウッドコロシアムで開催しているので、良かったら観に行ってみてください。」

 「ども~、ありがとうございました。」

 受付嬢からの説明を聞き終えると、姫城たち一行はギルドを出て行った。

 「対抗戦ねぇ。国の実力者が集まるかぁ。確かに良さげな冒険者が見つかるかもだけど、宮古野も出てんのかぁ。アイツに見つかったら、即確実に殺されるかもだしなぁ。だけど、顔を隠してりゃすぐにバレることはないっしょ。観客席の後ろなら目立たねえだろうし。よっし、ちょっちみんなで試合観戦と行きますか。」

 姫城たち一行は対抗戦が開催されているペトウッドコロシアムへと向かった。

 途中、屋台で動物のお面を買うと、それを顔に着け、それから、観戦チケットを買って、ペトウッドコロシアムの中へと入った。

 「大魔導師」姫城 麗華率いる勇者たちの魔の手が、主人公、宮古野 丈と、ペトウッド共和国に迫りつつあった。

 




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